就活生は、「その業界の華やかな部分」ばかりに目がいきがち。でも実態は、そんなことばかりではありません。「思っていたのと違った……」として早々と退職する人が後を絶たないのも、それ故です。
なるべく就活生が納得のいく就職をするためにはどうしたらいいのでしょうか。そのヒントを探るべく、JOBRASS編集部では、全国の採用担当者115名に、「就活生は『業界研究』をするにあたり、どのようなことをすべきか」を教えてもらいました。今回は後編、“「業界研究」をするときのポイント”です。
前編はこちら
どこに行きたいか自分でもよくわからない人は、あまり調べないうちから、先入観で「この業界がいいな」「この業界は自分に向いていなさそうだな」と思い込むのはやめましょう。
「職業を選ぶというより、自分はどんな仕事をしたら喜びや快感を得られるかをよく考えて、それにつながる仕事が何かを探した方がいいと思います」(男性/営業・販売/49歳)
というアドバイスにあるように、まず「自分が飽きないこと」は何かを考えてみること。どんな仕事でも、イヤになることはあります。そのときに続けられるかどうかのポイントになるのが「興味を失わないでいられるかどうか」というわけです。
・どれだけ働いても苦にならない業務内容を行っている業界をみつける(男性/営業・販売/41歳)
・どんなことがあっても、興味を失わず自ら勉強をし、情報収集を続けられる仕事に就くのがいいと思う。どの業界で働いても辛いと感じることはある。そういう時、仕事の内容が自分の興味のあることならイヤイヤでも続けることができるため(女性/その他/42歳)
・自分がやっていて飽きないこと、好きなことに絞り込んだ方が良いです。仕事をしている時間は長いので、その時間が収入のためだけになると人生に意味がなくなります。注目すべきは「飽きないこと」かどうか、「好きなこと」かどうかだと思います(男性/総務・人事・事務/48歳)
将来像が描けない仕事は、長続きしません。これは業務内容だけでなく、職場の雰囲気も含めてのことです。
・まずはその仕事に興味があること、その仕事で自分は何がしたいかを頭に描けること。情報はその職場に見学に行くことが一番(男性/営業・販売/41歳)
・興味がある業界において、頭の中で自分の姿がどれだけイメージできるか(男性/その他/43歳)
・自分の5年後、10年後、どのような場所、環境、収入で生活していて、どんな仕事をしていそうか未来を想像してもらう。市場データの伸びそうな業界とかではなく、自分がなっていたい姿をイメージする(男性/その他/41歳)
同業他社を調べたり、あえて“マイナス”面も調べてみましょう。マイナス面を知っていて就職するのと、知らないで就職するのでは、自分のなかでの“納得度”が全然違います。
・一つの会社だけではなく、同じ業界のことをしっかり調べるとそれぞれの会社の弱いところが見えてくる(男性/その他/40歳)
・会社の写真などを見たり会社の求めている人の事や就職している人の卒業学校など下調べをする(男性/営業・販売/41歳)
・情報収集については良い部分と悪い部分の両方を仕入れるようにしてください。そして、その二つを天秤にかけるようにすると良いです。企業は見方次第でブラックにもホワイトにもなります。好きな人間からしたら、ブラックもホワイトです(男性/総務・人事・事務/48歳)
興味をもてそうな業界や企業がわかったら、実際にそこで働いている人の声を聞きに行きましょう。その社員の目標や働き方などを細かく聞くことは、そこで働くイメージをつかむ手助けになるでしょう。
・インターネットにありそうな情報よりも、実際に自分の足で動いてみて得た情報の方が現実に近い(女性/その他/30歳)
・インターネットの情報だけでは限度があるので、実際に働いている人の話を聞くべき(男性/その他/35歳)
・なるべく、その業界の人からの話を重視し、目標を細かく聞いてみる(女性/その他/41歳)
・会社案内やHPではなかなか仕事内容を把握出来ないので、インターンシップを活用して、労働環境、生の声を聞く(男性/コンピュータ関連以外の技術職/49歳)
・自分に興味が持てる業界かどうか。自分とあまり年齢が離れていない先輩社員の話を聞き、やりがいのある会社と先輩社員が感じているか(女性/その他/46歳)
・趣味や休日の過ごし方、あとはお金の使い方を尋ねたり、家族との日々の接点など(男性/営業・販売/45歳)
先輩たちが就活で後悔したことのトップには、「業界を絞りすぎた」ことが挙げられます。自分がどのように働きたいのか、そしてどのように働き“続け”たいのかを考えてみることで、おのずと行きたい企業も絞られてくるでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名