就職活動の本格始動に際して、OB・OG訪問を検討している方も多いと思います。いつOB・OG訪問をするのかは「OB訪問(OG訪問)の最適な時期は2月から3月|ピークの時期と理想的な時期がある理由とは?」コラムをご参照いただきたいと思いますが、どうしても避けて通れないのが、電話でのアポイントになります。
「メールでアポイントを取る」こともできますが、ほとんどの学生にとって、社会人のOB・OGに電話でアポイントを取るのは初めての経験はずです。また、見ず知らずの相手に電話で会ってくださいとお願いするのも、緊張する場面が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、OB・OG訪問をお願いする際の電話の掛け方や、知っておくべき注意点などを解説してきますので、今回の内容を参考に、OB・OG訪問を成功させるためのお役に立てていただければと思います。
まずは社会人へのOB・OG訪問に際して、電話でアポイントを取る際の注意点からご紹介していきます。
まずは電話をかけるタイミングですが、一番ベストなタイミングは「担当してくれるOBやOGが比較的業務の忙しくない時」を狙うのがベストタイミングです。ただ、「業務が忙しくない時間っていつなの?」という疑問が残ると思います。その際は、相手の会社の営業時間を調べて、営業時間内に電話をしてみましょう。
もしも、OB・OG訪問をしてほしい相手が営業職で外出していたり、たまたま席を外していれば、お手隙の時間を聞いて、再度電話をかけ直すと良いと思います。
学生の多くは、一回いないと言われたら「またかけ直します」といって電話を切ってしまいがちですが、なんども電話してその度に不在となれば、向こうも迷惑に思ってしますので、空いている時間は必ず聞いておくことをおすすめします。
営業時間外はもちろんですが、朝一番、12時から13時のランチタイムなどは避けましょう。朝はミーティングをしている可能性がありますし、ランチタイムは社内にいない可能性が高いので、電話をかけても繋がらないことが多いはずです。
もしかしたら、土日に営業している企業の場合もあるでしょうけど、土日の営業時間内に電話応対をしてくれるほど隙な時間帯があるのかと言われると判断が難しいラインです。
ですので、土日に営業をしていたとしても、できれば平日の営業時間内に掛けた方が無難です。忙しい時に電話しても嫌がられるかもしれませんので。
企業に電話をかけて、担当者につないでもらったら、まずは自分が誰で、どういった理由で電話をかけてきたのかを説明しましょう。
名乗る項目としては、
この順で名乗るのが自然かと思います。注意点としては、繋がった際にいきなり名乗るのではなく「お忙しいところ大変失礼いたします」という枕詞(クッション言葉)は入れてあげることをおすすめします。相手の顔が見えない以上、普段以上の誠意を声に込めることは意外と重要なポイントになります。
人通り名乗り終わったら、自分がなんのために電話をかけてきたのかを伝えます。目的はOB・OG訪問をしたいという明確なものがありますので、さほど苦になる場面ではないかと思いますが、緊張して声が上ずったりしないように努めておくのが良いかと思います。
一番ベストなのは自分の大学の先輩で、OG・OG訪問ですからそれが自然です。電話をかける前に、大学のキャリアセンターなどで先輩の名簿をもらえる可能性は高いですが、最近はプライバシーへの配慮が高いせいか、もしかしたら企業名だけしか教えてくれない可能性もありますし、その先輩がもし転職をしていたら、転職先まで大学に伝えていない可能性は高いでしょう。
であれば、OB・OG訪問では一体誰に電話をし、アポイントを取れば良いのかという話になりますが、個人的な意見を述べさせてもらうのであれば、「誰でも良い」というのが結論です。
OB・OG訪問の真意は、希望の企業で社会人として働いている方のお話を着れば良いのであって、自分の大学のOB・OGである必要は必ずしもないのではないでしょうか?
大学が違うと学歴ブランドがどうのという意見もあるかもしれませんが、個々の能力に大学名は関係ないはずです。いきたい企業がどんなことをしているのか詳しく知りたいのであれば、その企業で働いている方であれば全員が対象です。
もし、それでも不安な部分が多いのであれば、「人事」の方か、「広報」の方につないでもらうのが無難な選択かと思います。
名乗り方に決まった形式はありませんが、話す際ははっきりと、聞き取りやすいトーンや速さで喋るのが良いかと思います。基本的な部分ではありますが、初めて企業に電話する場合は若干緊張すると思いますので、あらかじめ話す内容をまとめて紙に書いておくと良いのではないかと思います。
いくつか例文とご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。
「○○大学の山田花子と申します。キャリアセンターの名簿で鈴木太郎さんを知り、お電話させて頂きました。現在、就職活動を控えており、企業研究にて御社に大変興味を持ちました。そしてぜひお話を聞かせていただきたいと考えました。お忙しいところ大変恐縮ですが、OB訪問のお時間いただくことはできますでしょうか?」
突然のお電話で失礼致します。私、◯◯大学△△学部の□□と申します。
恐れ入りますが、◯◯部の△△様をお願いできますでしょうか。
大学の就職課のOB名簿に△△様のお名前を拝見し、本日は会社訪問の件でお電話いたしました。
次にOB・OG訪問の日程調整を行う際の流れを見てきましょう。
OB・OB訪問の日程を決める際は、原則的には相手の都合の良い日時を聞いて、その日程に合わせるというスタイルになります。OB・OGたちは自分のために時間を空けてくれるわけですから、提示された日程にはできるだけ遵守しなくてはいけません。
現在、◯◯業界を中心に企業研究をしており、△△会社に大変興味を持っております。是非、現場でご活躍されている◯◯様のお話を伺いたく、ご連絡致しました。大変お忙しい中、恐縮ですが、OB訪問のためにお時間をとって頂けないでしょうか?
アポイントの電話をかけた段階で、基本的には相手側から日時の指定が来るとは思いますが、下記の例のように、自分でこの時間帯は空いてますかと聞いてしまっても、相手がOKであれば問題ありません。
・○月◆日と▲日の14:00以降でご都合のよい時間帯はございますでしょうか?」
ですが、やはり相手の都合に合わせるというのが原則ですので、OB・OG訪問の際は、相手側から予定を出してもらうスタンスの方が好まれるでしょう。
次に、アポイントの電話をかけた際のマナーについて見ていきまましょう。
携帯の電波が途切れてしまう、電話状況の悪い場所からかけて、途中で切れてしまうようなことがないように、駅前などのにぎやかな場所は避けて、落ち着いた静かな場所からかけると良いかと思います。
具体的な文言例は上記でご紹介したとおりですが、OB・OG訪問の電話をする際、できるだけ具合的に伝えるのがポイントです。
・OB・OG訪問に至った経緯
・その企業を選んだ理由 など
長くならないようにしつつ、できるだけ具体的に伝えましょう。この時、OBやOGの名前がわかっている場合はその方に会いたい旨を伝えるのも重要です。もし、わからない場合は「OB・OG訪問をご担当していただける担当者の方をお願いします・と伝えれば、何かしらの方に繋いでいただけるはずです。
もし担当者の方や会いたいOB・OGの方が社内にいる場合は、その方が電話に出てくれるまでその場で待つしかありませんので、待ちましょう。要件を簡潔に伝えられるよう、メモを見返すことも重要です。
友達に話すわけではないので、言葉遣いはできるだけ丁寧な言葉を選び、失礼のないようにしましょう。普段敬語を使わないと思いますので、なかなか難しいとは思いますが、正しい敬語出なくても、相手に不快感を与えなければ、そこまで心配する必要はないかと思います。
実際にOB・OG訪問をした後に、担当して頂いた方に対してお礼の電話をする際の注意点についても見ていきましょう。
お礼はできればその日のうちにしておくのが一番良いとは思いますが、あったその日に電話でお礼を言う機会はそうそうありません。正直お礼はメールで十分かと思いますが、もし電話でお礼を伝えたい場合は、翌日か翌々日あたりにかけていただくのが良いかと思います。
ただ、電話をかけるタイミングに関しては特に取り決めやマナーなどはありませんので、相手にとって遅すぎず、かつ早すぎないタイミングを見計らうと言うことしかできません。
しかし、それは一体いつなのかを図る手段はありませんから、はやり翌日か翌々日に電話をかけると思っておけば、間違いはないかと思います。
少し触れましたが、お礼は必ず電話で行わなくてはいけないと言ったことはありません。ただ、メールでお礼をするのであれば、必ずその日のうちに返すのが鉄則です。
これができない社会人の評価は良くありませんので、学生の頃からお礼はその日のうちにするということを徹底しておきましょう。メールであれば相手の好きなタイミングで確認できますし、間違いなく送ったというやりとりが残りますから、意外と便利なツールではあります。
学生の頃はメールを使う機会は少ないかと思いますが、社会人になればメールでの連絡がメインになりますので、担当者に合った際は、メールアドレスを聞いておくことをおすすめします。詳しくは「OB・OG訪問時のメールの書き方とコピペで使えるテンプレート【お礼編】」をご覧ください。
以上になります。OB・OG訪問の際に電話でアポイントを取る際に注意点などをご紹介してきましたが、実際にOB・OG訪問に行った際に何を聞くべきかに関しては「周りと差をつけるOB・OG訪問で聞いておくべき質問とは」で詳しく解説していますので、そちらも合わせて参考にしていただければと思います。
また、もしメールでOB・OG訪問のアポイントを取る場合についても「OB・OG訪問時のメールの書き方とコピペで使えるテンプレート【アポイント編】」でご紹介していますので、参考になれば幸いです。