学生から社会人になると、少なからず“想定外”のことがあるものです。例えば学生まで、8月といえば1か月休み。でも社会人には、そんなに休みはありません。残業についても、ある程度あるのはわかっていたけれど、ちょっとキツイ……などということは、“社会人あるある”です。
JOBRASS編集部では、社会人1~2年目の男女100名に、“働いてみて、理想と違った現実”があるかどうかを聞いてみました。
【就職における理想と現実は違うものだと思いますか?】
・思う 73.0%
・思わない 27.0%
理想と現実にギャップがあったと答えた社会人は、7割以上にのぼりました。学生から社会人という大きな生活の変化なので、当然といえば当然のこと。では、どういった点にギャップを感じたのでしょうか?
トップは、「アットホームだと聞いていたのに、入社したら、想像以上にギスギスしていた」というものでした。「明るく、社員全員仲の良い職場です!」「言いたいことは言い合える関係です!」などといった売り文句でも、それはあくまで“外面”だった……という経験をした人は、かなり多いようです。
・アットホームな社風と聞いていたが、内部はギスギスしていた(男性/総務・人事・事務/25歳)
・一見アットホームに見えていたけど、実際は全然違っていた(男性/その他/27歳)
・明るく元気のある会社と聞いていたけど、そうではなかった(男性/コンピュータ関連以外の技術職/26歳)
・明るくてハキハキしてる人がいると思いきや仲間外れや悪口などのいじめがあった(女性/営業・販売/24歳)
・仲良しだと思っていたが、ドロドロだった(女性/その他/21歳)
1位と似ていますが、入社後の人間関係に悩む人は少なくありません。よく言われるのが、「学生までは付き合う相手を選べるけれど、会社では選べない」ということ。女性が多い職場でいざこざが多いことを嘆く人がいる一方で、“社会人男性同士の、陰湿ないじめ”の存在を挙げる人もいました。
・やはり、人間関係が難しい(女性/営業・販売/22歳)
・女性が多い職場でいざこざが多い(女性/その他/29歳)
・学生の頃は女子の方が陰口など多くねちっこくて、男子はオープンというイメージでしたが、実際は男性社員の方が陰湿ないじめをしていることにびっくりしました(女性/総務・人事・事務/25歳)
就職活動のときは、「したい仕事」を一生懸命考えるものですが、いざ入社してみたら、そんなにすぐに「したい仕事」ができるわけでもない……という現実を突きつけられた人多し。自分の考えていたことが、いかに“理想”に過ぎなかったかがよくわかった、という声もあります。
・したい仕事はできない(男性/営業・販売/24歳)
・どの職場に入っても基本的な部分は変わらないので、結局あまり変わらないということ(女性/総務・人事・事務/25歳)
・やりたい仕事とやれる仕事は違う(男性/その他/26歳)
・好きな仕事をしている人はほとんどいない(女性/総務・人事・事務/27歳)
やってみる前は魅力的だったのに、実際にやってみたら、そうでもなかったという声。例えば華やかに見える仕事でも、その裏には地道なことが多いものです。
・仕事内容に魅力があると思ったが、実際は魅力を感じられなかった(男性/コンピュータ関連以外の技術職/24歳)
給料は確認したはずなのに、想像以上に少なかったという声が多くありました。税金や保険料、労働組合費など、給与天引きになっている分を考えずに給料を捉えていると、実際の「手取り」に戸惑うかもしれません。
・思っていた以上に給料が安かった。雇用保険や社会保険料の高さに驚いた(女性/営業・販売/27歳)
・思ってた以上に、社会保険などで給料から引かれていること(女性/その他/22歳)
・思っていたよりも社会人は給料が多くはない(女性/その他/25歳)
・説明を受けた時に確認した手取りと明らかに給与が違った(女性/総務・人事・事務/23歳)
10時から18時まで、土日祝休みという話だったのに、実際は残業が多いし、休日出勤もザラ、ということはよくあります。
・職業上就業時間よりもかなり前に出社しなくてはならず、少し損をしているような気分になる(男性/総務・人事・事務/25歳)
・入社するまで悪いところは話されないし、休日などの条件が違うこともザラにある(女性/総務・人事・事務/26歳)
・服装自由って言ってたのに、意外とうるさかった(女性/その他/24歳)
「こんなに忙しいハズではなかったのに!」と思った人もいます。面接などで、「休みはありますか」と聞いたところで、「全くありません」なんて答えないもの。ここはOB訪問やOG訪問など、面接以外の場で情報収集をするしかありません。
・もう少し勤務時間がちゃんとしてると思った(男性/営業・販売/23歳)
・休みがとれない(女性/その他/24歳)
・残業が多いことです(男性/総務・人事・事務/25歳)
前項と裏腹に、「案外ヒマな時間があった」という人もいました。その人その人で、「忙しさ」の基準が違うということもありそうですが、いずれにせよ、就職前にはなかなか見えにくい部分です。
・意外と暇な日が多かった(女性/総務・人事・事務/22歳)
・常に忙しいことはなく、暇な時間もあった(女性/その他/25歳)
社会人=“飲み”ニケーション、何かと飲み会が多いというイメージは根強くあります。「最近の新入社員は飲み会に参加しない」と先輩社員が嘆く、という話を聞いたこともあるのでは? 時代は変わり、今や、そもそも先輩社員が新入社員を積極的に飲みに誘う時代でもないのかも。
・飲み会に強制参加なのかと思ったら、ほとんど飲み会自体が無かった(男性/総務・人事・事務/25歳)
・仕事終わりの飲み会等は案外なかった(男性/コンピュータ関連以外の技術職/24歳)
「仕事」「社会人」の現実を突きつけられたとき、それをどう受け止めるかで、社会人スキルも変わってきます。理想と現実のギャップがあるのは仕方がありませんが、働くということには相当の覚悟が必要ということは、覚えておいても良さそうです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年8月19日~2016年8月25日
対象:社会人1~2年目の男女 計100名