多くの企業の求人票には、必ずといって良いほど「求める人物像」が掲載されていますよね。就活生のみなさんの中には、この内容が自分に当てはまっているのか気になる人も多いのでは?
企業が「求める人物像」には、どんな業界でも社会人として持っていてほしい最低限の内容が書かれている場合もありますが、よく見ると、業界ごとの特色が見えてくることもあります。では、具体的にどのように違うのでしょうか。
今回は、人気・超難関の5業界(総合商社・マスコミ・広告・コンサル・航空)に注目し、それぞれの「求める人物像」を比べてみました。ぜひこの記事を参考に、自分に合う企業はどういったところなのかチェックしてみてくださいね。
「ラーメンから航空機まで」といわれるほど幅広い商品を取り扱い、国の内外にわたり広範囲で取引市場をもつ総合商社。一般的には、「三菱商事」「伊藤忠商事」「丸紅」「三井物産」「住友商事」「豊田通商」「双日」の7社のことを指します。
総合商社で求められる人物像は、まず何よりもビジネスに対する意欲に溢れ、タフな精神と体力の持ち主であること。国際社会で活躍できるグローバルな視点を持ち、頭の回転が速く、時に常識に捉われない柔軟な発想力のある人が、特に評価されます。
当然、相当の語学力は必須です。加えて物事の本質を鋭く捉えられること、論理的かつ戦略的に考えながら先の展開を見通すことができるところをアピールできると、採用担当者の評価も高くなります。
総合商社に適している人柄は、まず笑顔と愛嬌、さらに、優しさ・サービス精神・行動力・外見の良さなど、様々な人間的な魅力に溢れている人です。また、自分に自信をもち堂々とした存在感がある人、リーダーとして周囲からの信頼を得て人を動かせる人、行動力があり遊びも仕事もとことんやる人などが好まれる傾向があります。
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素直に自分自身と向き合おう|インタビュー【K.Y.-京都大学大学院農学研究科】
テレビ、新聞、出版など、不特定多数の人にむけて情報を発信するマスコミ業界。テレビでは「フジ・メディア・ホールディングス」「東京放送ホールディングス(TBS)」「日本テレビホールディングス」「テレビ朝日ホールディングス」など、新聞では「読売新聞グループ」「朝日新聞社」「日本経済新聞社」など、出版では「ベネッセホールディングス」「KADOKAWA」「ぴあ」などがあります。
マスコミで求められる人物像は、
他の人には思いつかないような斬新な発想力があり、世間から批判やプレッシャーを受けてもへこたれない強い精神を持つ人。また、情報を流す側としての責任感を常に忘れず、プライドを持って行動できる人です。加えて、単に「作りたいもの」にこだわりすぎず、数字(視聴率など)もきちんと考慮し、世間のニーズに合った情報を発信する姿勢も求められます。
特に必要な能力は、どんなことがあってもめげない体力と精神力。そして、斬新な発想力や創造力です。周りから一目おかれるような存在感で様々な人を動かし、一人ひとりの才能を引き出せる人間力に溢れた人が多く活躍しています。
マスコミに適している人柄は、堂々と笑いをとりにいけるような度胸のある人、感性豊かで非常にセンスが高く、器用にどんな困難もすり抜けられるような人が好まれます。
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テレビ、インターネット、ラジオ、新聞、雑誌などの広告媒体の企画・制作などに携わる広告業界。広告代理店はいくつかタイプがありますが、総合広告代理店として有名な企業は「電通」「博報堂」「アサツー ディ・ケイ」など、専門広告代理店は「オプト」「サイバーエージェント」など、ハウス・エージェンシーは「ジェイアール東日本企画」「サン・アド」などがあります。
広告業界で求められる人物像は、変化していく時代の中で、常に先を行く柔軟な発想力を持ち、次々と新しいビジネス展開を思いつけるような人。世の中やクライアントのニーズに敏感で、コミュニケーション力が非常に高く、物事の本質を瞬時に捉えて様々な角度から見ることができる人が評価されます。
特に必要な能力は、まず卓越した表現力と文章力。普通は上手く言葉で言い表せないような感覚までを言語化・数値化し、さらにカタチにして表現できる能力が求められます。また、クライアントの信頼を得るためには、とことん粘り抜く根性や、高い完成度を目指す情熱、常に行動できる体力も必要です。
広告業界に適している人柄は、常に相手のことを考え、必要があればズバッとものを言っても嫌われない魅力のある人。また、常に問題意識を持ち、物事を自分流に捉えて新たな価値を生みだし、自信を持って堂々とプレゼンテーションできる人なども、高く評価されているようです。
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広告業界内定者の再現動画「Air面接」を見て、面接のシミュレーションをしよう!
内定者インタビュー【Y.Y. 慶應義塾大学商学部】
クライアントである企業の相談にのり、様々な業務を効率化できる解決策を示すだけでなく、時に長期的な保守・運用まで行う場合もあるコンサルティング業界。主な企業は、「トライステージ」「エフティコミュニケーションズ」「P&Pホールディングス」「GCAサヴィアン」「リンクアンドモチベーション」「三菱総合研究所」「ベネフィット・ワン」「プロネクサス」などがあります。
コンサルティング業界で求められる人物像は、とにかく頭の回転が早く、グローバルな視点の持っている人。また、抜群の調査能力で物事を多面的に捉え、説得力のある話し方で提案ができる人。そして、常に問題意識を忘れず、時には根本から物事を疑って本質を見極め、論理的に分析して改善のために粘り強く努力できる人です。
特に必要な能力は、「一を聞いて十を知る」くらいの理解力と、先の先まで考えられる思考力。また、知識量が豊富で、専門知識や経済全般を体系的に理解できるくらいの能力があると、高く評価されます。当然、学校の成績も問われる業界です。
コンサルティング業界に適している人柄は、組織に依存せず自分ならではの感性で、ユニークかつ斬新な発想ができる人。また、人との距離の取り方が上手く、いつも明るく本音で語れる親しみやすさがある一方、強い精神力で自己解決できる冷静さも持ち合わせた人が好まれているようです。
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内定者インタビュー【A.T. 立教大学経営学部】
やり残したことはないか、自問自答しよう|内定者インタビュー【U.K.-一橋大学商学部】
客室乗務員・整備士・パイロット・グランドスタッフなど、様々な職種の人々が協力し合い、お客さまに快適な空の旅を提供する航空業界。主な企業は、「ANAホールディングス」「日本航空」「スカイマーク」「AIR DO」などがあります。
航空業界で求められる人物像は、常に笑顔で挨拶することができ、言葉遣いや振る舞いに品のある人。ホスピタリティ精神に溢れ、いつもおもてなしの心や感謝の気持ちを忘れずに行動できる人が好まれます。また、他部署など価値観や立場の違う人とのチームワークを大切にして、皆で成果を上げられる人が評価されます。
特に必要な能力は、日々様々なお客様の要求に応えながら通常業務もこなすため、常に状況を見て優先順位をつけられる判断力や決断力。また、いざというとき、どうすればお客様が不安にならないか考え行動できる力も求められます。語学力は部署によって求められるレベルは変わりますが、近年は訪日外国人の増加に伴い、即戦力の需要が高まっていると予想されます。
航空業界に適している人柄は、周囲の人々の気持ちを思いやり、相手の喜びは自分の喜びと考え、行動できる人。そして、プロフェショナルとしての誇りと使命感を持ち、どんなことがあっても最後まで仕事をやり抜く人です。自分の強みを生かしながら仲間との信頼関係を築き、共に成長したいという意欲のある人が多く活躍しています。
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【みんなの憧れ】語学力に自信のない人も大丈夫?! 空港で“はたらく”には――?
いかがでしたか?
気になる業界の「求める人物像」に、あなたは当てはまっていたでしょうか?
もし自分が当てはまらないと感じてしまった場合は、その業界に自分のキャラを寄せていくのか、思い切って進路を変えるのか、志望業界に携わっている別の仕事に就くのか、再度検討してみる必要があるかもしれません。いずれにしても、業界研究と共に自己分析をしっかり行い、本当に自分の強みを活かして活躍できそうな業界はどこなのか、よく考えてみましょう。
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