小学生のなりたい職業トップ10の常連の仕事である、パイロット・航空関連。就職志望者も多い、人気な業界です。
パイロット、キャビンクルー、グランドホステス…といった仕事はすぐに思い浮かびますが、
実は、航空業界にはもっと様々な仕事があります。
航空業界に興味のある方は、どういった業務、企業があるのかを深く知り、
実際に志望動機はどのように書けばいいのか、考えてみましょう。
(※こちらの記事は、2016年10月19日に公開したものを更新しています。)
コロナの影響を大きく受けた航空業界も、徐々に回復の兆しが見えています。
国際航空運送協会(IATA)の見通しによると、2023年の世界の利益予測が98億ドルになるという航空業界。
収入は8030億ドルと、コロナ前の2019年の8380億ドルに近い水準となる見込みだそうです。
航空業界のメインプレイヤーは、やはり、航空会社ですが、飛行機の運航に関わる仕事は多岐に渡っています。航空管制官や、航空ルートに許可を出す国土交通省といった公務員が行う業務は別にして、企業に勤めることで関われる仕事には、どういった仕事があるのか、見てみましょう。
1-1.【運航する航空機と直接関わる仕事】
・パイロット:安全な運航は、パイロットの肩にかかっています。厳しい身体検査と訓練を経てなれる職業。学校を卒業してから航空会社に入社し、パイロット養成訓練を受けてパイロットになるためのライセンス(資格)を取得する方法と、独立行政法人「航空大学校」に入学し、いくつかのライセンスを取得後、航空会社に入社する方法、防衛大学に入学して自衛隊のパイロットとして勤めた後、民間の航空会社に移るといった方法があります。
・客室乗務員:機内での安全と快適さのために働く仕事。LCCの増加や、日本乗り入れラインの拡充もあり、客室乗務員の採用数は増加の傾向にありました。国内の二大航空会社、JALやANAも採用を再開し、大規模採用を行っています。また、中東のエミレーツ航空では450人以上の日本人客室乗務員が働いているように、日本のエアラインだけでなく、世界中のエアラインで働くことができます。
・整備士:飛行機の安全運航のために、点検・整備を行う仕事。理工系の大学出身者や、整備の専門学校で学んだ人が採用対象になる仕事。旅客航空会社だけでなく、貨物やヘリコプター、チャーター機を運航する会社でも、整備士は活躍しています。
・運行管理業務者:飛行プランや天候を確認し、パイロットに伝達する業務。旅客機が飛ぶ際には、必ずパイロットにブリーフィングを行います。ドクターヘリやチャーター機にも、運行管理業務者は必要です。
・航空会社の総合職:営業や管理部門など、航空会社の経営・運営に関わる業務を行います。
日本の航空会社には、大きく分けると事務部門職と技術部門職の2種類があります。
1-2.【運航サービスに関わる仕事】
・グランドスタッフ:チェックイン、搭乗の手伝い、ラウンジでの接客といった、旅客が旅客機に乗り込むまでの出発前の業務、到着後、旅客機を降りた旅客を送り出すまでの業務を行います。羽田や成田といった国際空港のグランドスタッフの多くは、JALやANAの子会社である、旅客ハンドリング会社で採用されます。独立系エアラインや便数の多い外資系エアラインも、直接グランドスタッフを採用する会社があります。
・グランドハンドリング・スタッフ:飛行機が空港に駐機している間に、整備・貨物の搭載や取り下ろし、航空機の誘導、燃料補給、清掃といった、航空機の運航を支援する業務を行います。空港によっては、地元の企業が代理店としてグランドハンドリングを請け負っていることもあります。
・ケータリング会社:機内サービスの機内食を作り、機内に搭載する業務を行う会社。アルコールやスナックなども提供しています。ANAケータリングサービスのような航空会社のグループ企業、ロイヤルホールディングスのような機内食事業部を抱える外食産業の企業などがあります。
・予約や発券業務:飛行機のチケットに関わる業務は、電話、インターネット、旅行会社を通して行われます。航空会社の多くは、電話予約に関しては、電話予約専門の会社を設立し、対応しています。
1-3.【その他の航空関連の企業】
・航空機メーカー:ジェット旅客機・MRJは久々の日本発の旅客機として大きな注目を浴びていますが、MRJのメーカーである三菱航空機や、ビジネスジェットのHONDAJETを作っているホンダエアクラフト等の航空機メーカーが日本にもあります。飛行機の部品を作っている会社は140社以上あります。
・航空IT関連企業:空港にある自動チェックイン機や、運行システムなど、航空業界には早くからコンピュータが導入され、システム化されてきました。そういった航空会社のためのシステム開発、パイロット育成のためのシミュレーション機や航空機に搭載されるシステム開発などを行っている情報システム系(IT系)の企業があります。
・空港会社:各空港には、空港運営を行う会社があります。空港のターミナルビルを利用する航空会社や航空旅客に、必要な施設や設備、サービスの提供を行う事業、旅行者への物品販売やインフォメーションサービスなどを行っています。
航空業界と言うと、航空会社がまず思い浮かぶのではないでしょうか。航空業界の売上高を見ても、上位に来る企業は、やはり、航空会社になっています。ANAとJALは日本の航空業界のトップ企業です。格安航空会社(LCC)も、売り上げを伸ばしています。
コロナの影響を大きく受けていた航空業界も、2023年からコロナ前の水準まで回復する見通しです。
航空業界の売り上げ高の大きい企業を挙げてみました。売上高は基本的には、2023年3月期の数値です。
1.ANAホールディングス:1兆7,074億円
2.日本航空:1兆3,755億円
3.日本空港ビルディング:1,130億円
羽田空港の管理・運営、成田・中部・関西の各国際空港での免税店の運営等を行う企業
4.PASCO:620億円
デジタル地図(航空写真)にエリアマーケティング情報を統合「空間情報・GIS」のトップ企業
5.日本郵船 航空運送事業:618億円
本業は海運事業ですが、売上高の約33%を航空運送事業を含む物流事業が占めています。
6.AIRDO:415億円
北海道と本州を結ぶ「北海道の翼」として道内6都市と本州間で11路線を運航
7.ジェットスター:294億円(2022年6月期決算数値)
8.北海道空港:38億円(2021年)
新千歳空港ターミナルビルを運営する企業
航空業界の志望動機は、どういった業務を希望しているかによっても変わってきます。自分がなぜ、航空業界を志望し、中でもその業務を希望しているのかを伝えるようにしましょう。
パイロットや客実乗務員といった、特別な業務を希望している場合でも、それぞれの会社を志望しているわけですから、そこでなくてはいけない理由を挙げるようにしましょう。自分ならではの理由を挙げてください。
内定をもらった先輩たちの志望動機の例を挙げておきます。参考にしてみてください。
・ANAホールディングス(内定者)
「私は、もともと飛行機や旅行が大好きなことと、大学で異文化体験の大切さや世界の多様性を学びグローバルに働きたいと思い、航空会社を志望いたしました。
御社は、機内食をSNS上の総選挙で決定したり、スターウォーズとコラボしたフライトを開催したりと、常にお客様視点のワクワク感を提供されていると思います。
このようなエンターテイメント性にあふれる一方で、イギリスのスカイトラックス社からファイブスター認定を連続で受けているほどサービスが徹底している点に魅かれ、御社を志望いたしました。」
・日本航空(内定者)
私は、安全運航を成し遂げるために、会社が一丸となる航空会社で働きたいと思っています。
御社は、定時到着率やスカイスイートで世界一を獲得し、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」に近づいていると思います。
私はそんな御社で、一回一回のフライトを通してお客様に貢献できる、運行管理者になりたいと思い志望致しました。
※WEBセミナーの受講方法は、下記のご案内からご覧ください。
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