就職活動において、自己PRしなければならない場面は必ずくると言っても過言ではないでしょう。実際に選考や面接で「自己PRしてください」と言われてから慌ててしまわないように、事前に自己分析をして、しっかりと自分をアピールするための準備が必要です。
自己PRは、等身大の自分を自由に表現できるチャンス。
では、どんなことを伝えられればいいのでしょうか。今回は準備の仕方と気をつけるべき点についてお話します。
自分のアピールポイントというと、すごい経験やエピソードが必要だと思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。あなたらしい点を、面接官に伝わるように表現するのが自己PRです。
自分のアピールポイントってなんだろう? と考え始めると、なかなか見つからないように思うかもしれません。まず、面接官は、アピールポイントでどんなことを聞きたいのでしょうか。面接の意味を考えると、面接官は、あなたがなぜその企業を志望しているのか、あなたがどういう人で、その企業に貢献できるのか、あなたのもっているスキルや性質がその企業にふさわしいのかを知りたいと考えているはずです。そうであれば、自分ではない理想の自分をアピールしても意味はありません。あなたの面接をしている面接官は、何百人もの就活生の面接をし、それぞれのアピールポイントを聞いているかもしれません。そうであれば、あなたのアピールポイントが、本当にあなたを表しているのかどうかは、すぐにばれてしまいます。
本当に面接官にアピールするためには、面接官に覚えてもらえるような、印象に残るようなアピールである必要があります。次から次へと就活生のアピールを聞き続ける面接官に、こいつは違うな、と思ってもらえるような内容にし、表現できるなら、自己PRを本当に有効なものとすることができます。自己PRは、自分を自由に表現できる数少ないチャンスですから、きちんと準備をしてしっかりアピールしたいものです。
どうすればよいのでしょうか。まず、内容を考える必要があります。自己分析をする際に、自分の長所や短所だけでなく、「自分が人と違うと思うところ」を10個挙げてみてください。それから、家族やお友達に、あなたがほかの人と違っていると思うところ、面白いと思うところをきいてみましょう。そして、以下に挙げたようなそれを裏付けるエピソードを書き出してください。
・自分が学んだこと、自分のスキル
大学で学んだこと、持っている資格の中で、志望先とマッチすること。アルバイトの経験。アルバイトとはいえ、実務経験ですから、仕事に対する自分の向き合い方、考え方をアピールできると良いかもしれません。どういった仕事内容で、どんなことをしていたのか、問題があった時にどのように解決したのか、といったこともあげられるでしょう。
・自分の性格、人となり
「明るいです」といった漠然としたことを一言いうだけでなく、経験を通して、どういう利点があったのか、どのような結果につなげてこられたのか、といった具体的なエピソード、経験に触れられるようにしましょう。長所である必要はありません。短所であっても、それとどのように向き合い、解決に向けてどのような努力をしたのか、といったことを含められます。
・特技
仕事内容と直接関係ないことかもしれませんが、特技や趣味もアピールすることができます。その趣味や特技にどのように取り組んでいるのか、どういったことを楽しんでいるのか、どんな困難があって、どんな工夫をしているのか、といったことは、仕事にどのように取り組むかにつなげることができます。
自己分析をして、自分のアピールポイントを見つけたら、その中から就活でアピールできるものを選びます。そのためには、企業研究は不可欠です。例えば、コンサルティングファームであれば、論理的思考が必要になります。そういった思考能力があることをアピールできるなら、次につなげることができます。
自分の長所=アピールポイントではないことを忘れないでください。自分では長所だと思っていても、その企業にとっては必要ない特質かもしれません。逆に短所だと思っている部分も、表現の仕方次第では、アピールポイントにできるかもしれません。
相手企業にふさわしいアピールポイントであるためには、企業研究をきちんとして、相手にふさわしいものにする必要があります。そうすれば、志望動機や、志望先に就職した際にどういった貢献ができるかといった方向につなげることができます。形としては、
1. 「私のアピールポイントは○○です。」とまず、最初に打ち出します。アピールポイントをまとまったキーワードのような形で表現するのも良いかもしれません。
2. そのアピールポイントを裏打ちする、エピソードや経験をあげてください。漠然としたものだとわかりにくいです。裏打ちする、具体的な例を挙げるようにしましょう。
3. アピールポイントが志望先にとって良い理由を挙げる―貢献できると思う理由をあげる。
アピールは、相手に伝わらなくては意味がありません。自分をアピールするのですが、自分目線で独りよがりなものにならないように気を付けましょう。そのために、こういった段階を踏んで推敲すると良いかもしれません。
1. どういったことをアピールするかを決めたら、まず一度書いてみましょう。
2. 次に、書いたものを読んでみます。声に出して読んでみてください。声に出すと、目と耳の両方が動くので、言い間違いや書き間違いに気づきやすくなります。
3. 文章を推敲したら、どこにアクセントを置くのか、どこを強調するのか、といったことを考えながら読んでください。
4. 用意したものを、他の人に聞いてもらってください。自分が伝えたいことがちゃんと伝わっているかどうか、確認しましょう。もし、他の人に聞いてもらうことができないなら、録音して聞き直しましょう。客観的にチェックしてください。早口になったり、口の中にこもったような話し方をしたりする傾向があるなら、意識してなおすようにしましょう。話し方は重要です。聞きやすいものになっているかを意識しながら、ハキハキと話すようにしてみてください。明らかに読んでいる、と思われることがないよう、自然に聞こえるようになるまで練習しましょう。大げさでない、身振りや手ぶりがつくと良いかもしれません。
アピールポイントを伝える際には、自信を持って伝えるようにしてください。あなたのアピールポイントですから、胸をはり、背筋を伸ばして、ハキハキと答えましょう。オドオドした態度で話せば、自己PRの評価がマイナスの影響を受けてしまうかもしれません。上記の1.~4.までのステップを踏んで、きちんと準備をしておけば、安心して、面接にのぞめるでしょう。
面接に臨む際には、建物に近づいたところから、面接が始まっていると思ってください。意外なところで見られているかもしれませんし、自分の気持ちを面接モードに入りやすくしてくれるかもしれません。髪型や服装にも気を付けるようにしましょう。自分が用意したアピールポイントにふさわしい振る舞いをするようにしてください。