1995年頃に誕生し、今でも女子中高生を中心に安定的な人気を誇っているプリクラ。就職活動生のなかにも部屋の引出しに、昔撮ったプリクラが大量に保管されているという人もいるでしょう。私たちが成長していくように、プリクラも日々進化を遂げ、今では「デカ目効果」や「小顔効果」などの加工が当たり前のように施され、「本人とはまるで別人!」なんてことも珍しくありません。
その加工行為は証明写真でも行われることがあり、フォトスタジオではもちろん、自宅のパソコンでさえも簡単にできる時代となりました。「第一印象が大事」という発想から、最高の写真をエントリーシートに使おうと、加工しすぎて別人のようになっている就活生も少なくないとか…。
実際に筆者の友人は、就職活動に使っていた写真の顎をシャープに加工補正していました。本人は平均的な女子大生ですが、写真はまるで滝川クリステルのよう…。その写真が関係しているのかは定かではありませんが、今は「某大手IT企業」の社長秘書を務めています。
一体どこまで加工が可能なのか気になったので、都内のフォトスタジオを取材したところ、なんと「フェイスラインの調整 1500円~」「目の大きさの調整 1000円~」「眉の高さを調整 2000円~」と、それぞれメニュー化されているではありませんか!さらに話を詳しく聞くと
「アドバイスはするが、本人の希望ならばどこまででもします」
「証明写真というものは、本人を確認するためのものなので、別人になるような大きな加工は受け付けていない」など、いろいろプランは用意しているものの、フォトスタジオによってもサービス方針は様々なようです。そして「顎をシャープにする」、「目を大きくする」といった大きな加工をする人は、ほとんどおらず、「1割にも満たない」とのこと。
反対に、採用担当者にアンケート調査を行ってみたところ、42.5%の人が「写真のあまりの加工っぷりに『別人では?』と思ったことがある」と回答しました! もしかしたら照明のあたり具合や、肌色補正などの小さな加工でも、違和感を与えてしまうのかもしれません…。
では、別人と思ってしまうほど加工された写真を見て、面接官はどのような印象を抱くのでしょうか? これに関してフリーアンサー形式で意見を集めてみたので紹介します。
「外見だけで判断するわけでもないのにそこまでしなくてもいいだろうと切実に思った」
「見栄えも大事かもしれないが、他に大事なこともある。相手がその写真と本人を同時に見たとき、どう思うのかを考えないのが不思議です」
「写真ではキリッとした印象だったが、会ってみるとだらしない印象を受けた。それで評価は下がらないが、最初はギャップに戸惑う」
「明らかに輪郭から違っていたので整形かと思った。唖然でした」
「ありのままで勝負してほしいと思う。容姿に自信がないとしても、どうせ面接で会うのだから加工しても仕方ないでしょ」
ご覧のとおり、今回のアンケートに回答してもらった採用担当者のなかには、「好感を抱く」といったようなポジティブな意見を持つ人は見当たりませんでした。唯一挙げるとしたら、「特に女性は加工してみたり、化粧をプロに頼んだりしている人が目立つ。キレイに撮れているなら書類選考に限っては、良い影響が出るのかもしれませんね」という声でしょう。
しかし、この意見も「書類選考に限っては」とのことで、面接に関してはいい影響を与えないだろうと言いたいのが推察できると思います。就職活動の目標が「書類審査○○社通過!」というものならば、ばっちり加工するのもいいかもしれませんが、あくまで「内定」が目標ならば、等身大の自分を最高に美しく写す程度に抑えておくべきでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース2016調べ(インターネット調査)
調査期間:2014年12月24日(水)~2015年1月5日(月)
対象:企業の採用担当者207名