例年、エントリーシートと並んで、就活生の頭を悩ませるのは面接です。
最近は、エントリーシート自体を免除という企業もあるようですが、
面接を免除という企業はありません。それほど、企業にとって「面接」は重要なのです。
最近では、自己PRや志望動機の他に、答えに詰まってしまうような難しい問題を質問する企業も多いようです。
皆さんがあせらず自分の気持ちを伝えてもらうために、今回は
・企業が難題を質問する理由
・就活生が困る7つの定番難題に答えるためのヒント
・新傾向問題について
をお伝えしていきます。
なぜ企業は敢えて、学生が答えづらい質問をするのでしょうか。
前提として企業は面接で
・どんな人か/どんな考えを持っている学生か
・自社と相性が良い学生か
を、見ようとします。
だからこそ、企業がこうしたことを知るために、短時間でいかに学生に話してもらうか、に注力しています。
学生が答えるのに難しい質問は、一般的に答えが無いものです。企業からすると、難しい質問(=学生が答えるのに詰まってしまうような質問)は「学生自身の考え方がわかりやすい」ともいえるのです。
最近は就職対策をしっかりと行い、事前に面接で答える内容を準備している学生が多いのですが、こうした答えは企業からすると「学生自身の考え方をつかみづらい」ものです。
学生にとって事前に想定しにくい、突拍子もない質問をすることは、学生の「本当の考え」を明らかにしていくことができるのです。
毎年、就活生が困る7つの質問を回答するためのヒントをお伝えしていきます。
質問パターン1)
あなたが●●になったとき、どうするか
このパターンでは
「会議で意見が対立するとき、あなたはどのように行動するか」
「教育担当をしている後輩がお客様とのトラブルが起こしたとき、あなたはどうするか」
など、あるシチュエーションを提示し、皆さんの考え方を探っていく質問となります。
この質問で、みなさんの回答内容から企業は、
「学生の考え方、行動の優先順位」を見定め、更には「自社と合っているのか」、
まで把握することができます。パターン1を攻略するするためには
「自分の考え方をしっかりと発信し、自己PRにつなげること」
を意識していくとよいでしょう。
そのためには、自分は何を大事にして、どんな働き方をしたいのか、企業選びの軸は何かなど、自己分析をしっかりとしておく必要があります。
質問パターン2)
あなたは今後の業界の動向についてどう思うか/●●についてどう思うか
このパターンでは
「今後、この業界はどのようになっていくと思うか」
「弊社の新サービス●●についてどう思うか」
など、みなさんが持つ「業界・企業」に関する考え方を探っていくことができる質問となります。
この質問で、みなさんの回答内容から企業は、特に「業界・企業研究をしっかり行っているのか、自分の考えをしっかりと伝えることができるか」を見定めることができます。
このパターンを攻略するには、前提としてしっかりとした「業界・企業研究」が必要となり、そこでとどまるのではなく、研究を通して自分なりの考えを持っておく必要があります。
質問パターン3)
なぜ●●(ライバル業界・企業)ではなくうちの会社を志望しているのか
このパターンでは
「業界1位の●●ではなく、なぜ3位のうちの選考を受けているのか」
「飲料ではなく、なぜ食品メーカーを受けようと思ったのか」
など、みなさんの「企業に対する志望動機・志望理由」を探っていくことができる質問となります。学生さんの多くは、ある企業の選考を受けている場合、そこと同じ業界の企業群をいくつか受けます。そのことを当然、企業の担当者はわかっています。
そこで担当者は「この学生は本当にうちの会社に入りたいのか」を確かめるために、あえてライバル企業の名前を出し質問をすることがあります。
この質問の回答に止まってしまうのは、志望理由、企業研究が不足している証拠。しっかりと同業他社との比較を行い、企業研究を行って志望動機をかためていきましょう。
質問パターン4)
あなたがいま気になっているニュースはあるか
このパターンは
「うちの業界で最近気になっているニュースはあるか」
「最近ネットで見たニュースで気になっているニュースはあるか」
など、みなさんの「業界/企業研究の度合い、情報感度・関心の高さ」を探ることがでくる質問です。
ここで必要なのは「どれだけみなさんが選考企業もしくはその業界のことを意識しているか」ということ。
定期的にニュースをチェックするだけで、答えること自体は難しくないはずです。
しっかりと業界の動向を確認していきましょう。余裕があれば自分なりの意見を持っておくとよいでしょう。
質問パターン5)
●●を〇〇にするにはどうしたらいいと思うか
このパターンでは
「自社のサービスを10代により使ってもらえるようにするにはどうしたらいいと思うか」
「うちの業界を海外に発展させるにはどのような工夫が必要か」
など、こちらも学生の「業界/企業研究の度合い」を把握することができ、さらに「自分の考えをしっかりと伝えることができるか」がわかる質問です。
このパターンを攻略するには「業界・企業研究」を行うことと、「話し方(論理的にわかりやすく簡潔に話せるのか)」、「話に筋が通っているか」ということです。
こうした問題は、対策をしていないとその場で簡単に答えることはできません。
設問の内容としては、業界全体で課題になっていることが主になってくるので、
業界の課題などをはやめに把握して、日頃から自分自身の意見をまとめ、発信する練習を行う必要があります。
質問パターン6)
あなたは、●●に例えるとすると何か
このパターンでは、上記の●●の部分に「企業商品、食べ物、飲み物、アイドル、アニメ」などさまざまなものを当てはめて質問されます。
ここで必要なのは、何にせよ話の終着点を「自己PR(自分の強み)」に持っていくこと。
素直に発言をして、ネガティブな印象を与えるのが一番もったいないことです。
自分の強みを一言でいうならば、「 」で、これを●●に例えると『 』に近い、といった形で、自己PRで訴えたい強みをいかにぶれることなく、他のジャンルのものに例えられるかがポイントとなってきます。
質問パターン7)
あなたは将来、何をしていると思うか
このパターンでは
「5年後、どのような人間になりたいか」
「どんな社会人になりたいか」
など、「キャリアビジョンがはっきりしているか、目先のことだけではなく長い視点で物事を考えることができているか」を探ることができる質問です。
これは一人ひとり回答が異なってくる設問です。
就職活動となると、目の前のことに囚われがちですが、一度じっくり「5年後、10年後の将来・働き方」について考えてみましょう。
「富士山をどう動かしますか?」
これはマイクロソフト社が入社面接試験で出題した設問です。
これまでこの記事で紹介してきた設問は、どちらかというと「企業の選考を受ける学生の志向や考え」を「少し変わった質問」でアプローチしていくものですが、外資系企業やコンサル系の企業では、このような新たな傾向の質問が出されるようになりました。
こうした質問は「フェルミ推定」と呼ばれ、社会人でも答えるのが難しく、多くの就活生を悩ませています。
フェルミ推定とは、
「実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること」、つまり、「自分なりに論理を立てて、回答を導き出す設問」ともいえます。
なかには突拍子もない回答(CGで加工するなど)をすることで、面白いと思ってもらえる企業もありそうですが、この手順においては相手を納得させること、「おおよそ」答えがあっているが必要があります。
(なお、実際に実験して正しい答えを出そうとすると、かなりの手間と時間がかかります……【必見】「500mlのペットボトルに“ごま”は何個入る?」という超難問の解答を大公開!https://agent.jobrass.com/magazine/guide/999/ )
フェルミ推定で有名な「シカゴにピアノの調律師は何人いるか」
を例にして考えてみましょう。
考え方としては、
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シカゴの人口が約300万人
1世帯あたりが平均3人程度とする
10世帯あたり1台の割合でピアノを保有している世帯があるとする
ピアノ1台の調律を平均して1年に1回、調律師が1日に調律するピアノは3台とする
年間約250日働くとする
シカゴの世帯数=100万世帯程度
ピアノの総数=10万程度
1人のピアノの調律師は1年間に750台程度
よって調律師の人数は10万程度/750=130人程度
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となります。(※解答方法は諸説あります)
ここでは
・シカゴのおおよその人口を知っているか
・ピアノの台数/調律師の労働量を論理的に導き出せるか
などが求められます。
出題されるケースは少ないのですが、頭の片隅においておきましょう。
いかがでしたか。
就職活動を行っていると「なんでこんなことを聞いてくるんだろう」という質問をしてくるケースもあります。
しかし、企業は「本当のあなたはどんな人か」ということを知りたいがために、あらゆる工夫をして採用活動を行い、質問しているのです。
面接で、自分の考えをしっかりと伝えられるように、考えの整理、発信の練習を行っていきましょう。