今回は2名のキャリアコンサルタントの方に「グループディスカッション」の必勝法とNG事例を解説していただきます。
まずは、毎年200名以上の大学生を大手企業・人気ベンチャー企業に複数内定させているキャリアコンサルタント井上真里さんから、グループディスカッションでやっていいこと・いけないことを解説していただきます。
毎年私は仕事で就活生と話していますが「グループディスカッションの選考基準がよくわからない」という声を聞きます。自分がうまくいったと思っても不合格通知がきたり、また全然ダメだったと思っていても合格だったりと、何を見て判断されたのかわからないと感じる人が多いようです。
私も自分の就職活動で、いくつかのグループディスカッションを体験しましたし、新卒で人事になってから採用担当として約9年間グループディスカッションの選考を担当しました。形式も、ひとつのお題について話し合うタイプのものから、ゴールを目指して話し合って進めるワークに近いものまで形式はいろいろ。また、人数も1チーム4名から多くて15名くらいのものまでありました。
自信があったのに不合格だったりすると、グループディスカッションに苦手意識を持ってしまい、どんどん迷走している人もいます。そこで、今日は私が現場でお伝えしているグループディスカッションで見られているポイントと通過率をあげるコツをお伝えします。
まずは、なぜ選考に面接ではなくグループディスカッションがあるのかということから考えた方がその企業の意図が見えてきます。企業がグループディスカッションを選考に取り入れる目的は大きく2つです。
1. チーム内でのコミュニケーション能力が知りたい
面接で、1対1のコミュニケーションはできます。しかし、仕事は同僚や社外の人と意見を出し合ったりまとめたりして進めていくことも多いので、ディスカッションを疑似的にしてもらうことによってチームでのその人のキャラクター(ふるまい方)を想像して企業との相性を見るのです。
たとえば、チームのメンバーと意見を衝突させることなく話を進める協調性、自分から役割を見つけて参加しようとする主体性、話題をまとめたり会話を活性化したりするリーダーシップがわかります。つまり簡単にいうと、「この人がチームの話し合いにいてほしい人かどうか」ということがわかりやすいのがディスカッション形式なのです。これまでのホームルームでも、ゼミでも、サークルでもアルバイトでも、話し合いの場にいてほしい人と、いてもいなくても同じ人、いない方がいい人……こんな風に分かれていたのではないでしょうか。
だからこそ、グループディスカッションはどの役割でもいいから、チームの話し合いを前に進めることに徹しましょう。役割分担を決めるディスカッションと決めないディスカッションがありますが、どの役割についたかは合否を決定しません。
メンバー全員が納得できて、求められたことに対してその時のベストと思える結論を制限時間内に出すことに全力を注ぐのが大切です。そんなときに、自分がどう見られるかということに意識を向けていると自分よがりになって暴走するか、縮こまってしまい逆効果になることが多いです。
2. 多くの応募者を効率よく選考したい
グループディスカッションを企業が取り入れる2つ目の目的は「効率性」、こちらも1つ目の目的と同じくらい大きいです。たとえば、30人の応募者に対して合否を出したいとします。1人の面接に少なくとも20分かけたとすると、合計で20分×30人=10時間かかってしまいます。面接室への出入りや出迎えの対応などを考えると合計ではもっと時間と手間がかかるでしょう。
この30人をグループディスカッションの選考に呼ぶと、2時間くらいで済んでしまうこともあります。対応する社員は増えますが、個別に面接をするよりも、会場も時間もかかる負担をぐっと縮めて、多くの応募者に会うことができます。
効率よくさばかれているようで「なんか嫌な感じだな」と思う人もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか。たくさんの応募者がいると、企業は一人ひとりとじっくり話す時間がなかなかとれません。だからといって、エントリーシートに書いてある内容だけではその人の印象やコミュニケーション能力などわからないこともたくさんあります。だから、複数の学生に一度に集まってもらって、それぞれのキャラクターを比較できるグループディスカッションの方法が取り入れられています。わかりやすい学歴やTOEICの点数だけで合否を判断するよりは、その人自身を見ることができる合理的な選考方法だと言えるでしょう。
もちろん、グループディスカッションは面接よりも一人ひとりのことを深く聴いていくことはできないので、ざっくりとした見た目の全体的な印象やちょっとした一言が合否の判断に大きく影響するということもあります。話す内容だけに気を取られるのではなく、姿勢や話し方、表情や声のトーンなど周りから見た印象に気をつかいましょう。
勘違いしている人も多いのですが、グループディスカッションという同じ選考プロセスでも、会社によってプラスになるポイントと、通過させる割合はまちまちです。だから、あなたがベストを尽くしたとしても通る会社もあれば通らない会社もあります。これは面接と同じですから理解しておきましょう。
応募者が殺到するようなある大手メーカーのグループディスカッションでは、活発に話したり意見をまとめたりするリーダーシップを発揮することは特に求められていないそうです。それよりも創造力があって、一言でも何か新しいアイデアを出せることがいちばんプラスのポイントだという話を聞きました。
また、上場している卸売企業では、協調性やリーダーシップが感じられる発言をしているかを重視していますし、総合商社のうちの1社では、人事から選考担当者に与えられる合格基準は「自分より能力が高いと思える人」だそうです。このように企業の見ているポイントは違いますし、その年に採用したい人のタイプや数によっても微妙に変わっていくでしょうから、絶対にどんな企業でも合格する作法はないと思った方がいいでしょう。
通過率についても、まちまちです。私が選考担当していた時にグループ全員が不合格のこともありましたし、だいたい4~6割と通過率を設定する企業もあります。また、どうしてもグループディスカッションでは、その時同じ選考に参加していたメンバーとの相対評価になりがちです。自分がベストを尽くしたと思っても落ちてしまったなら、それは応募した会社が重視するポイントと自分の強みが合わなかったとか、同じチームでほかにもっと企業に合う感じの人がいたということです。あまり気にしすぎないことです。
ここまで読んだあなたは、絶対通過マニュアルはないのだとわかってきたのではないでしょうか。とはいえ、メンバーとひとつのテーマについて話し合って結論を出すためにプラスの行動は何かと考えれば、おさえておくといいOKポイントはあります。このポイントはおさえておくと幅広い企業に有効というポイントを挙げておきますのでぜひ実践してみてください。
1. よく聞きよく話す(建設的に)
話を聞くときの反応がよかったり、人の意見から話をさらに発展させていくことができたりする人は、ディスカッションを活性化していけるので印象に残ります。自分が話すことばかり考えていると、相手の意見が頭に入ってこないので話を受け取って発展させていくことはできません。聞く姿勢をもちましょう。耳だけ向けるのではなく、聞いていますよという姿勢を目線や表情、姿勢で相手に伝わるようにします。
また、ディスカッションも否定から入るのではなく、結論を出すために前向きな意見やアイデアを出していくようにしましょう。
2. 業界のことや会社の下調べをしておく
「次の選考はグループディスカッションです」と言われた場合と、「次の選考は面接です」と言われた場合。あなたは企業のことについてどちらも同じくらい調べているでしょうか。ディスカッションに参加するときの方が、サボり気味になったりしませんか?
ディスカッションで出されるお題はいろいろあります。少子高齢化や年金、TPPなど社会問題であることもあれば、都会と田舎暮らしどっちがいいかとか無人島に持っていくものは何かという抽象的なテーマについて話すこともあります。このように、その会社と無関係なことも多いですが、企業によっては「当社の夏の新製品を考えよう」「採用で応募者にどんなアピールをしたらいいか」といったように、その会社に関するテーマを出すことがあります。
この場合、その会社の事業や製品のこと、業界の知識の有無で話せる内容に大きく差が出てしまいます。会社を知っている人と知らない人も、良くも悪くもバレてしまうわけです。
グループディスカッションだから、まだ業界や会社のことを知らなくても大丈夫だろうと油断していたら、まったく手も足も出なかった……ということもあるかもしれません。面接に行くときと同じように会社のことは調べた上で臨みましょう。
3. 時間を守って結論を出す
どんな仕事でも、期限がありますから、グループディスカッションでも求められた回答を制限時間内にまとめることが最優先です。テーマと話し合いの時間を提示されたら、スタート時に必ず終了時間を確認しておきましょう。また、単に結論が出ればいいのか、発表の準備をしなければいけないのかによっても時間の使い方は変わってくると思います。
「まとめにはいるまでの大体の時間配分は決めた方がいいでしょうか?」などはじめに計画をたてるのも効果的です。そして、計画をたてて満足するのではなく途中経過でも時間に配慮しながら周りのメンバーにその残り時間を伝えつつ、時間内に話がまとまるようにコントロールしていきます。時間通りに話し合いが終わるということは大切です。
4. テーマを意識してずれないように進める
話し合いが進んでいくと、話題がテーマからずれることがあります。テーマがずれていることに気付いた時は、そのままにせず伝えましょう。「いま、テーマが○○にずれているような気がしますが、時間があと○分ほどなので、少し話を軌道修正しませんか?」などと空気を悪くしないように伝えるのがいいですね。
また、テーマが考えにくい時はいくつかに考えるステップをわけるのも効果的です。「○○社の顧客満足度をあげるには?」→「○○社の顧客は誰か?」+「顧客が求めていること何か?」+「求めていることに対して何ができるか?」と分解するとメンバーみんながディスカッションを進めやすくなります。
4. 他のメンバーの理解度や納得感を確認する
ディスカッションは、だれか一人が結論まで突き進んでいけばいいものではありません。全員で意見を話し合って合意をとっていくことが大切です。そこで、話しすぎて目立っている人と話していなくて逆に目立っている人に気づいたら、自分からコミュニケーションをとるのが有効です。
話の輪に入れていない人には「○○さんはどう思いますか?」とフォローするように声をかけるということもできるでしょう。とにかく自分が話さないと! と焦っていてはちょっとの間があればすかさず自分の意見を言いたいでしょうから、全員で話していくんだということを意識していなければできません。逆に話し続けている人には、勇気を出してストップをかけるのも大切です。「いいですね! 時間も限られていますので、ほかの意見も出し合いませんか?」など相手を認めてから進めると丸くおさまるでしょう。
また、時間がたって話し合いが活発になってくると、議論がぐちゃぐちゃと複雑になってくることもあります。その時には話についていけなくなった人も出てきますので、これまで出た意見を整理したり振り返ったりする時間をとることを提案するのもいいでしょう。
限られた時間では難しいですが、少数意見も大切にして、最終的な結論は学校や議会のように多数決で決めようとするのではなく、全体が納得できるようにしていく姿勢をもってください。グループディスカッションで、選考担当者に「多数決で決めるよりも合意をとってほしかった」というコメントをもらった人もいました。
ここまで挙げたようなことを全部実践しようとすると、おそらくヘトヘトになると思います。でも本当に実践できるようになれば、あなたは素晴らしい意見やアイデアを言える必要はありません。それでもグループディスカッションで大活躍できて通過率があがるはずです。ぜひ自分のできることからでも意識してみてください。
続いて、延べ3,000名の学生の面接や就職相談に応じてきたキャリアコンサルタント佐藤大さんから、グループディスカッションでのNG事例をご紹介いただきます。
そもそもグループディスカッション(以下GDと省略します)とはどんな選考方法なのか? という方も多いと思います。特殊な選考方法でもあるので、今までの学生生活の中で「沢山経験してきたので自信あります!」という方の方が少ないと思います。また、盛んにグループワークを行っているゼミや団体に所属している一部の方を除いて、殆どの方は、経験が少ない事もあり、「どんな対策をしたら良いのかわからない」という意見もよく耳にします。個人の面接とは違い、「事前に準備や対策がしづらい」と思われがちで、苦手に感じている方が多いようです。
・どのような選考スタイルなのか?
選考というと、まずは個人面接や集団面接をイメージすると思います。共通するのは相手の面接官から質問をされ、それに対して回答するという事。つまり「受動的」な選考スタイルだという事です。対してGDは数人のメンバーとグループを組み、面接官から出されるテーマについて制限時間以内に議論をして結論まで導くという内容です。受動的ではなく「自ら発言や提案をする」能力が試される選考スタイルです。
・GDの一般的な流れ
グループ分け→自己紹介→面接官からテーマとルールの説明→ディスカッション(アイデアを展開→論点を絞る→結論出し)→発表。というのが一般的な流れです。また面接官は最初の説明時と終了時以外は議論に全く関与せず、周囲から黙ってメンバーの言動をチェックしています。
・議題とされるテーマについて
事前にテーマが発表されるケースは稀で、殆どの場合はその場で発表されます。また、テーマの内容は業界知識をもとにして議論をさせるものや、募集職種で求める能力を判断する為のテーマなど様々です。
・代表的なテーマあれこれ
→10年後の◯◯業界を予測
→◯◯社(自社)の現在の問題点と課題策
→◯◯という商品(自社製品)の売り上げを倍にする方法
→国内で1日に使用される割り箸の数
→100万円の使い道を考えよう
→お金、友人、親、恋人、趣味、仕事の優先順位とその理油
→山手線の駅を1つ減らすとしたらどの駅か
→若者に大流行する新しいペットボトルの商品企画
→ある人気レストランの待ち時間をなくす方法
真面目なテーマから、発想力を試すテーマ、思考の深さ、観察力を見るテーマ、明確な答えが出ないテーマなど、様々な角度から出題されています。
限られた環境とルールを設定する事で疑似的なオフィス(職場)を作る事ができます。企業はその仮想オフィス内での発言や提案などを確認し、入社後の「働き方」を予測しようとしているのです。GDでの設定は、リアル職場に置き換えてみると下記のように考察する事ができます。
「制限時間」→期限のもと、計画的に作業を進めなければならない
「初めて会うメンバー」→学生時代とは違い、選べない上司や同僚
「いきなり知るテーマ」→予測できない要望に対応しなければならない
「グループで行う」→様々な利害関係を超えて調整しなければならない
「発表機会がある」→周囲に説明し、理解をしてもらわなければならない
「模範回答がない」→自らで仮説し、利益や満足を創らなければならない
・人事はGDで何を見ているのか?
企業によって優先順位は違いますが、主に、リーダーシップ、協調性、事前準備力、発想力、提案力、思考力などを確認しています。つまり、GDで設定したの仮想オフィス内では「どのような考え方をするのか?」「発言や提案はどのようにするのか?」「周囲に対してはどんな調整をするのか?」「どんな方法で協力をするのか?」などが浮き彫りになるため、その一人一人の行動を、限られた時間内で確認をして、現在の行動の延長線上にある、将来の自社での活躍度合いを見極めようとしているのです。
私がかつて人事として面接官をしていた時に、実際に見かけたNG事例をご紹介したいと思います。どの事例も毎回見かけるような代表的なNG事例ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
・浅い業界知識で参加する
志望企業の業界知識をもとにしたテーマが出される可能性はとても高いです。
その暗黙の了解があるにも関わらず、議論の際に浅い知識でしか参加できなかった場合は、「志望意欲が低い」と見なされてしまうでしょう。テレビのニュースで知れる程度の知識では、しっかりとした議論についていけない可能性があります。業界の過去から現在の状態(業界規模、企業のシェア争い、注目されている技術や新しい取り組み、抱えている課題など)、将来の予測についても調べておきましょう。
・役割分担を決めずに進行してしまう
役割分担について誰も言い出さず、ふわっとした状態で議論を進めるチームがたまにあります。その様なチームは後半になっても議論が低空飛行のまま結論もありきたりになり、発表時の歯切れも悪い場合が多いです。完全に失敗パターンで、連帯責任として全員不合格になるケースさえあります。ふわっと議論をスタートしてしまった場合は「まず役割分担を決めませんか?」と呼びかけましょう。司会進行、書記、タイムキープだけでもまずは決めましょう。ついでに時間軸ごとにどんな道筋で話を進めるか?までを決めておくとチームがまとまります。
・自分の役割分担に集中してしまう
これも良くあるケースで、役割をしっかり遂行さえしていれば安心、とばかりにほとんど議論に参加しないケースです。実は書記やタイムキーパーを自ら選ぶタイプの方に多いです。書記であれば必死に会話の一字一句を記録していたり、タイムキーパーであれば時間を伝えるだけ、などは議論のパワーロスになっている可能性があります。メモをとるか時計を気にしていれば良いわけでは無く、自分の役割分担は最低限の仕事と考えましょう。
・メンバーを否定して蹴落とす 自己正当化する
自分と違う意見が出た場合に、協力すべきメンバーにも関わらず、論破したり、全否定してしまう人がいます。GDは仮想チームで仮想ルールのもと、全員で協力しながら「答え」を導き出す作業ですから、一部意見の違いはあるにせよ、否定や論破にエネルギーを注ぐ事は間違いです。ディベートと勘違いをしていたり、他を否定して、自分をアピールできたと勘違いする言動があった場合は、他のメンバーがしっかり制御してあげてください。放置してそのまま共倒れする事だけは回避しましょう。
「△△さんの意見もわかりますが、ひとまず◯◯さんの意見もしっかり聞いてみませんか?」
「少々まとまりが無いように感じますので、一旦話を整理しませんか?」
などのように流れを変える発言をして、周囲の協力を仰ぎながら軌道修正をかけていきましょう。
・やたら語る、話が長い、アイデアに酔う
このタイプには2種類いるように感じます。ひとつは話の着地点を探りながら話していて、本人は長く話したい訳ではないのに、ダラダラと長くなるタイプ。もうひとつは、自分の話やアイデアを沢山話す事がアピールになると勘違いして頑張ってしまうタイプ。いずれも制限時間の兼ね合いがあるため、他のメンバーが早めに軌道修正をかけなければなりません。
「◯◯さんの意見は参考になりますね、そのアイデアについては後ほどでもいいですか?」
「お話中すみません。時間の関係もあるので、◯◯という部分に的を絞って議論を進めていきませんか?」
など相手の気分を害さない程度に促していくと良いと思います。また周囲のメンバーに対しても軌道修正を合図する効果があります。
・ブレストのつもりが雑談または知識合戦になっている
GD前半のブレーンストーミング時には、沢山の方向性を見出しておく必要があるので、様々なアイデアを集める必要があります。しかし自分の知識をアピールする事に必死にだったり(知識を披露する事に酔っている方もいます)、たわいもない体験談や雑談をする方が多いのも事実。業界知識を沢山勉強して来た方であれば、尚更の事、その知識を活用したいでしょう。しかし知識の披露、体験談の披露では、議論がその先展開しないどころか、周囲のアイデアをかき消してしまいかねません。
「◯◯の業界では近頃、□□という手法が注目されていて……(終了)」
→「私、それ知ってますー! 私がインターンで参加した企業でも、その手法を取り入れようと検討してました。私はその職場では……(終了)」
ダラダラと続かなければ問題ありませんが、大事なポイントは体験談や知識をしっかり「論点に乗せていく」事です。
・終了間際に新しいアイデアを盛り込もうとする
たまにビックリするようなタイミングで、議論の後半に、新しいアイデアを話し出す人がいます。何かが降りてきたかのような目つきで、語り出したりするのですが、単に状況が読めていない人の発言の場合がほとんどです。それなりに悪くないアイデアであれば、なおさら周囲も混乱します。こういった状況を防ぐためにも、目安として、制限時間の半分を過ぎたら、新しいアイデアを盛り込む事はやめ、後半戦は議論のまとめに集中しましょう。
・プレゼン時間をオーバーする
役割分担、ブレーンストーミング、結論出しまで無事に終わり、いざ発表となったが時間通りに終わらず、だらだら発表が続くというチームもあります。どんなに良い内容が議論されていても、発表時間をオーバーした時点で、面接官の評価が急に下がる可能性があります。このような状態になる原因は、制限時間いっぱいに議論してしまう事にあります。
対策としては、GDスタート直後に、ざっくりとタイムスケジュールを組むと良いと思います。発表の打ち合わせを何分行うのか? 発表は主に誰が話すのか? 説明の順序も決めましょう。これにより、場当たり的な「ダラダラ発表」は防げると思います。
どんな役割を担当する事になっても、焦る事なくパフォーマンスできるように役割ごとのポイントを挙げておきます。参考にしてみてください。
・司会進行役
文字通り進行させる役ですので、この役割を担当する人の仕切りの良し悪しでチーム全員の評価を左右すると言っても過言ではありません。司会進行役の大事な仕事は、自分が話そうとするのではなく、メンバーの意見をしっかり拾い上げ、異なるアイデアを合体させて相乗効果をもたらしたり、時には、逸れた話題の軌道修正をしたりと様々な形で議論の「案内役」に徹する事です。自分が話しすぎて一人舞台になったり、仕切りが悪くてバトンタッチされるような事がないよう頑張ってください。個人的にはNHKの日曜朝などに行われている討論番組の司会の方や、TBSの朝のニュース番組の夏目キャスターの仕切りがとても参考になるのではないかなと思います。
・書記
議論の内容を記録しておく役割です。議論の最終段階で、発表内容を考える時や、中盤で論点を整理する際にこの記録が重要になります。ただメモを取るのではなくて、メンバーが見た時にもわかりやすいように、ポイントや流れを確認しやすい図にしたり、わかりやすい語句で記録する事が大事です。効果的なメモやノートの書き方に関する参考図書も沢山出ているので、気になる人は読んでみてください。
・タイムキーパー
制限時間に対して残り時間を伝えたり、時間配分をコントロールする役目です。まずは残り時間などの全体共有を随時行いましょう。一見シンプルな役目ですが、議論の内容や話の筋道、向かいたい方向性など、司会進行役と同じような認識で参加をしていないと時間の配分も考える事ができず、役目を果たせません。ただの「残り時間を伝えていた人」にならないように気をつけましょう。
学校のキャリアセンターなどでグループディスカッションの練習を実施している事も多いので、ぜひ積極的に参加してみてください。また、実際の試験での経験が一番学びになります。試験を受けた後には必ず振り返りをして次の試験の対策をしてみてください。
「JOBRASS新卒」では、グループディスカッションの経験を積みながら、企業にPRできる【逆求人イベント】を開催します。
毎年人気のイベントで、「グループディスカッションの流れや難しさを改めて理解することができた」「自分の知らない業界を知ることができ、実りのあるイベントだった」などの感想をいただいています。
今回の記事で学んだノウハウを活かす絶好のチャンスです!!
また、【逆求人イベント】の魅力は、毎回5社の採用担当者と1度に交流ができること。評価されると、企業から選考のお誘いである「選考オファー」がJOBRASSを通して個別にもらうことができます。
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▼▼▼詳細はコチラ▼▼▼
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井上 真里(いのうえ まり)
キャリアアドバイザー。石川県金沢市生まれ。慶応義塾大学経済学部在学中より、人材教育企業にて学生キャリア支援のサポートに関わり、卒業後は東証一部上場の富裕層向け住宅メーカー・IT企業にて中途・新卒社員採用をはじめ、教育研修、異動や退職など学生のキャリア選択から、社会人のキャリアに関する領域を幅広く経験。新入社員マナー研修講師としても高い支持を受ける。現在は全国の高校生や大学生を対象に面接トレーニング、キャリア、マナー分野でのマンツーマン指導やセミナーを多数開催。毎年マンツーマン指導や勉強会に参加した200名以上の大学生が、大手企業・人気ベンチャー企業に複数内定している。
佐藤 大(さとう だい)
神奈川県出身。採用コンサルタント。就活アドバイザー。神奈川県の自動車販売ディーラーにて人事、採用に関する業務に約8年携わり、累計で延べ3,000名の学生の面接や就職相談に応じる。「人」の持つ可能性や組織に与える影響のの大きさを数多く目の当たりにしてくる中で、さらに追求すべく2015年より独立。高校生、大学生に向けての就職指導、企業の採用支援、採用担当者育成などにに携わり現在に至る。