さまざまな業界に存在するデザイナー。特に最近ではインターネットの普及に共に、新卒採用でも「Webデザイナー」の募集をよく目にするのではないでしょうか。まさにクリエイティブ職の代表格ともいえるデザイナーの仕事は、学生時代から憧れを持つ人が少なくありません。
デザイナーとして働きたいとかんがえたとき、ポートフォリオの提出を求められる場合が多いでしょう。ポートフォリオとは、これまで自身で制作してきた作品例のことを指します。つまり、「デザイナーがどのような作品(活動)を創るのか
を知るための資料が、ポートフォリオだと言えるでしょう。
デザイナーという職種は、専門性の高い仕事です。そのため、新卒とはいえデザイナーとしての才能や技術があるかを、採用側は把握しなくてはいけません。ポートフォリオの提出を求める理由は、応募してきた就活生が自社のコンテンツや製品にマッチするか否かを、実際の作品から読み取ることにあります。そして、デザイナーを志望するのであれば、少なくとも何かしら自己制作を行ってきていることは、最低限の経験だと考えられているのです。
ただし採用に際しては、アイデアやセンスだけでなく、それを実務で活かせるだけの知識とスキルも要求されます。例えばWebデザイナーならば、各種ソフトウェアに関する知識や熟練度も知りたいところでしょう。もちろん、人柄や将来に向けた志向性なども、企業で活躍するうえでは欠かせません。
しかしそうした情報は、ポートフォリオのみで読み取ることが困難です。特に自社に対する志望理由、あるいはその熱意については、やはり別の基準を持つことが必要でしょう。そのためデザイナー職においても、志望動機は非常に重要な意味を持ちます。
志望動機は、就活においてほとんどの企業で重要視されるポイントです。エントリーシートはもちろん、面接では何度にもわたって質問されることでしょう。では、どのようにして志望動機を作成すれば良いのでしょうか。
デザイナー職とはいえ、志望動機を書く際の基本は他の職種と変わりません。企業側が重視しているのは、業界への知識や興味の高さ、そして入社後のイメージです。これらについて、具体性を持って伝えられるかが大切となります。
志望動機には、こうした内容を盛り込みましょう。
志望動機は、最初にエントリーシートへ記載することとなります。つまり、書類選考の一貫です。通常は次に面接選考へと進みますので、まずは志望動機から「この人に会ってみたい」と思わせることが重要となります。デザイナーとしての力量は、ポートフォリオを通じて確認することができるでしょう。志望動機ではポートフォリオでは分からない強い入社意志を記述し、その情熱を伝える必要があるのです。
これらの内容は、就活本などでも見られるありきたりな志望動機です。そのため、このままでは採用担当者の心に届きません。しっかりと自分の言葉で、具体性を持って書くようにしましょう。デザイナー職を目指したキッカケ、あるいは自己制作を進めるうえでの困難や成果など、伝えられることはたくさんあるはずです。それらが志望動機に具体性を持たせてくれます。
もちろん、綿密な企業研究と自己分析も重要です。ホームページに掲載されている内容は、最低限のものとしてしっかりと確認しましょう。企業理念や制作実績などから、企業の特色や雰囲気がイメージできるはずです。企業側は「なぜ自社なのか」も理解したいと考えていますので、それに応えるように心がけてください。
デジタル技術の進化により、Web業務の領域がプロモーション、ブランディング、コーポレート、SNS、アプリと拡大しています。そのため、「デザイナー」と言えば「Webデザイナー」をイメージする人は多いでしょう。このように「デザインする仕事」と言っても、時代と共に大きく変化してきています。もちろん、消費者側のニーズもまた多様化し、そこに対する新しさ、あるいは柔軟性が求められることでしょう。
志望動機では、自分にとって理想のデザイナー像を持っておくことも大切です。市場背景などを踏まえて必要とされるものを自分なりに分析できていれば、「この人は、業界あるいはデザイナーという仕事について理解が深い」と評価を受けるでしょう。今現在の自分について志望動機を書くことも大切ですが、未来に向けたイメージを伝えることで、あなたの成長性を感じ取ってもらえるものです。