選考の過程では、「グループディスカッション」をおこなう企業もあります。それまで会ったこともない就活生同士が一堂に会し、議論をおこなうグループディスカッションで、採用担当者は何を見ているのでしょうか。また、発言切り出し役、反対意見役、まとめ役、グループディスカッションではどう立ち振る舞うのが有利なのでしょうか?
採用担当者に、グループディスカッションを乗り切るためのポイントを聞いてみました。
グループディスカッションのなかで、その人がどういうポジションをとるのかは、もちろん細かくみています。ただ、自分でとりにいったポジションでうまくまわせないと、最大の減点ポイントになってしまいます。
仕切り役は目立つため、買って出る人もいますが、実際は相当慣れていないと「リスク」も多いものです。30分のうち、25分も自分で演説してしまった人がいたことも……。意見を聞く姿勢に駆けたり、進行が強引だったり、またはグダグダになってしまいがち。それが上手にこなせると「おっ」と思いますが、難易度はいちばん高いポジションです。
実は司会や、テーマや議題の切り出し役といった“目立つ”ポジションのかげで、最後に意見をまとめる人が有利な傾向もあります。何故かというと、すべての意見をきいて、それをまとめてプレゼンテーションするという係では、協調性、まとめる力など、いいとこ取りをしやすいためです。
ただ、結果的に仕切り役(司会者)がまとめ役を兼ねるケースも多いのが実情。「(自分の意見はともかく)最後にまとめればいいや」なんて思うのではなく、まずは積極的にリーダー・司会を務める姿勢を見せることも大切です。
そもそもグループディスカッションでは、自分の意見を述べることが必須。口がうまい人のほうが有利にみえるかもしれませんが、口下手な人でも一生懸命さを伝えること。もし話を聞く方が得意という人は、人の話をきちんと聞く姿勢をアピールするチャンスでもあります。また、しゃべらない人、苦手そうな人が話し始めると、なんとなく皆が注目したり、案外もっともなことを言ったりして、採用担当者が一目置くケースもあります。
アドバイスとして、口下手かどうかにかかわらず、面接官がみているのは、
・協調性(人の話を尊重する、否定しない)
・論理性
・主体性
です。仕切り・司会役に求められる「リーダーシップ」は、自分には向いていないと思えば、無理につくる必要はありません。
グループディスカッションでほとんど喋れなくても、何か伝えるものがある学生はいます。ディスカッションには混じれなかったけど、書類がしっかりしているなど、他でアピールできるものがあるという学生です。
実際、私はそれを感じたから、通したという学生がいました。その学生は、「自分が緊張しがち」「口下手」というのを自覚していたので、プレゼンボードをつくって面接に臨みにきたのです。与えられたことに真摯に取り組む姿勢に、“不利を有利に転じる努力を惜しまない”人材だと将来性を感じたのです。結果、入社できたことが彼女の自信になって、どんどん前に出て行くタイプに“キャラ変”したほどです。繰り返しになりますが、大事なのは「主体性をもって、人の話を聞き、自分の意見を述べる姿勢があるかどうか」です。
余談ですが、グループディスカッションで、ある意味トクなのは関西弁女子でしたね……。同じ強引な発言でも、標準語より親しみやすく聞こえるのかもしれません。採用担当の間で、“関西弁割引”しなきゃって、話していました(笑)