面接の終わり際、採用担当者から「なにか質問はありますか?」と聞かれたとき。定番の流れではありますが、どんな質問をしようか迷いますよね。もちろん本当に聞きたいことがあれば問題ないのですが、中には質問が思いつかず、苦し紛れに曖昧な質問をしてしまう人も多いようです。では採用側は、この学生側からの質問についてどのように考えているのでしょうか?
そこで今回は、某企業の採用担当者に直撃し、逆質問に対する率直な感想をインタビューしてきました。その中で浮かび上がってきたのが、学生から最もよく聞かれるという3つの逆質問。果たしてその内容とは……?
学生「どんな社風ですか?」
逆質問といえば定番とも言えるくらい、よく聞かれるというこの言葉。たしかに学生側からみると、会社の雰囲気や働く社員の人柄は、気になるところですよね。しかし採用側からすると、この一言だけでは「抽象的すぎてどう答えて良いのかわからない」という印象を受けるようです。
採用担当者の意見
「学生さんから、どんな社風かと聞かれることがとても多いのですが、正直ちょっと困りますね。抽象的すぎて、ご本人がどういう意図で質問してきているのか、とてもわかりづらいので。ご自身の中で、うちの会社で働くというイメージができていないまま質問しているのかなと思ってしまいます」
もしどうしてもこの質問をしたいのなら、自分が思い描くキャリアビジョンを示した上で、その内容に沿って確認や補足をするように話していくと、聞かれたほうは答えやすいのだそうです。
そのためには、まず自分が「どういう軸で就活をしているのか」そして「志望先企業をどのようにとらえているのか」を明確にすること。そこから、「こういう社風が理想だと考えているのですが、御社はいかがでしょうか?」というように、できるだけ具体的に質問するようにしましょう。
学生「○○さん(採用担当者)は、どうして御社に決めたのですか?」
意外とよく聞かれるというこの質問。実際に働く社員の個人的なエピソードが気になるという学生も多いようです。しかし、採用担当者としては「なんで私のことが知りたいんだろう?」と戸惑うことも。
採用担当者の意見
「なぜ戸惑うのかというと、先ほどと同じく質問の意図がわからないからです。私はそのまま正直にお話していますが、学生さんが何を聞きたがっているのか話しながら考えますね。学生さんにとっては特に深い意味はなく、とりあえず無難な質問だと思っているのかもしれません(笑)」
もしその質問をするのであれば、なぜその人のエピソードが気になるのか、きちんと理由を話すことも大切です。例えば、「自分のキャリアビジョンと照らし合わせ、より企業について多角的に理解を深めていきたい」という風に、はじめに目的を明確にしましょう。先ほどの繰り返しにもなりますが、質問が具体的であればあるほど、採用側は答えやすくなります。
学生「今日の自分、どうでしたか?」
このように、逆質問の機会にフィードバックを求めてくる人も多いようです。確かに、自分のアピールが上手くできていたのか、すぐにでも知りたい気持ちはわからなくはありません。しかし採用担当者としては、選考としての意識が低いという印象が残り、マイナスなのだそうです。
採用担当者の意見
「面接ではあまり繕わずに素の部分を見せてほしいので、リラックスして話してくれるのは悪いことではありません。しかしフィードバックまで求められると、この人は選考という意識が希薄なのかな? 練習で来たのかな? というような印象を受けてしまいます。そもそも選考とは、自分に自信を持って発信する場であるべきですし、それは社会人になってからも求められていくことなので、もっと堂々としてほしいなと思いますね」
このように、フィードバックを求める逆質問は、採用側をがっかりさせてしまうリスクが高いということを認識しておきましょう。親切な企業なら答えてくれるところもあるかと思いますが、やはり他の質問を用意していったほうが良さそうです。
今回は、採用側が聞かれて困る3つの逆質問についてお話してきましたが、いかがでしたか?
企業が逆質問を求める目的の一つは、互いが認識のズレをなくして理解し合うことにより、入社後のミスマッチをできるだけ防ぎたいから。そのため、企業側も学生の質問には、できるだけきちんと答えたいと考えています。
ですから、逆質問の時間は積極的に活用し、少しでも疑問点をクリアにしていきましょう。質問内容は、面接中に解決してしまうこともありますので、3つ以上は用意しておくことをおすすめします。さらにそのやりとりの中で、自分の強みや意欲をアピールできれば最高ですね。