就活では、面接官&就活生という定番スタイルの他に、グループディスカッションというものがあります。グループディスカッションとは、5〜10人程度の就活生に議題を与え、話し合いから結論を導き出させるという試験です。
ここで求められているのは……
「協調性」「リーダーシップ」「傾聴力」と言った対人能力。
「倫理性」「知識」と言った個人能力。
結論を導き出すために、グループ全体がどのように動き、就活生一人ひとりがどのような役割を果たしているかを、面接官は見ています。よほどの偶然が無い限り、グループメンバーは誰もが初対面となるでしょう。そのような中で円滑な議論を行うことは、想像以上に難しいもの。
そこで、今回はグループディスカッションに挑む前に、知っておきたいコツを、7つご紹介します。
グループディスカッションでは、タイムリミットが設定されています。例えば、それを60分としましょう。メンバーが10人の場合、スタートと同時に1人1分弱の自己紹介を行えば、それだけで10分近く経過してしまいます。そのため、メンバーが事前に分かっている場合には、待ち時間でコミュニケーションを取っておくとスムーズです。
また、待ち時間の間に大まかな役割も決められればベスト。この役割とは、つまり司会や書記、タイムキーパーなどが当てはまります。
ただしメンバーの事前発表がない場合は、やはり自己紹介は必要でしょう。役割分担を決める時間を含め、できるだけ最小限に留めるよう動くことが肝心です。
グループディスカッションでは、相手が面接官ではなく自分と同じ学生です。選考という意識があってもつい気が緩んでしまい、普段の癖が出てしまうことが少なくありません。例えば、次のような行動です。
・足を組む
・腕を組む
・人を指さす
・資料やメモをパラパラめくる
・頬杖をつく など
面接官が相手であれば、いずれも絶対にありえないことでしょう。
また行動だけでなく、言葉にも注意が必要です。ディスカッションを通じて打ち解け始めると、つい「友達言葉」が出てしまいます。あくまで社会人としての適正を見る場ですので、気を引き締めて臨んでください。
誰かが意見を述べている時は、適度に「そうですね」等と相槌を打ったり、頷いたりする姿勢が大切。これは相手の意見に同意していることを示したり、話し手の緊張を和らげたりするためのコミュニケーションスキルだからです。
中には自分が発言していない時、ずっとメモをとっている人が少なくありません。あるいは資料に目を落とし続けている人は、他者の意見を聞く態度が社会人としての自覚に欠けていると判断されかねません。メンバーの発言時には、しっかりとそちらに目を向けましょう。ディスカッションでは「聞き上手」であることも、プラスの評価へと繋がります。
ディスカッションの議題は、当日いきなり出されるケースがほとんど。もし予備知識の無い議題でも、決して慌てないでください。そんな時は、発言ではなく姿勢を「質問」に切り替えることです。
分からないからと、何も言えずに黙り込んでしまうことは避けましょう。何も考えていないのかと思われてしまいます。たとえ意見が言えなくても、「質問」することはできるはずです。分からないことを正直に質問することは、社会人になってからも必要となるでしょう。
発言の際、相手に伝わりやすいよう会話を組み立てることが大切です。よく長々と説明してから結論を述べる人がいますが、説明を聞いているうちに何を言いたいのか分からなくなってしまいます。そのため、発言ではまず結論を述べましょう。その後に、具体的な理由や背景などを完結に加えていきます。
グループディスカッションでは、限られた時間で議論を行います。1人で多くの時間を消費してしまわないよう、タイムスケジュールにも配慮することがも他の学生に対するマナーです。
いくら自分の意見と相反するからといって、否定ばかりしているとグループ全体に悪影響を及ぼしてしまいます。もちろん、相反する意見も議論のうえでは大切な役割を果たすでしょう。しかしそれに終始すると、建設的な議論ができなくなってしまいます。意固地になって反論ばかり繰り広げる姿は、見苦しくなってしまいます。
否定的な意見を述べる場合は、まず相手への理解を示すようにしましょう。あくまで自身の考えとして伝え、真っ向から戦うような姿勢は避ける方が無難です。試験の場ですから、ある程度で引き際を見極めることも大人な対応と言えます。
決められた時間が残り少なくなれば、いよいよ結論を出そうと司会役のメンバーが声を掛けるでしょう。場合によっては、あなたが司会役ということも考えられます。その際、もし結論が出ていないとしても、多数決で決めることは避けてください。
確かに多数決ならば、間違いなく結論は出ます。しかしそれは、納得していないメンバーの意見が置き去りにされてしまうことを忘れずに。さまざまな意見がある中でグループとして合意できる1つの結論を導き出すことが、グループディスカッションの目的なのです。
グループディスカッションでは、個人面接とは異なるスキルや人間性を見られています。重要となるのは自身の役割を認識し、周囲と協調しながら結論を導き出すこと。ここで挙げたコツをしっかり理解し、グループディスカッションに臨んでくださいね。