就活をしていると、必ず書くことになるエントリーシート。
その中で「自分にキャッチフレーズ(キャッチコピー)をつけてください」という質問がよく出されます。
あるいは、面接で聞かれることもあるでしょう。
自分のキャッチフレーズなんて、恐らくほとんどの就活生は考えたこともないはずです。
そもそも、キャッチフレーズ自体が何か正確に把握していない人もいるかもしれません。
キャッチフレーズとは、簡単に言えば「何かを宣伝する際に、それを端的に表す言葉・文章」です。
例えば、次のようなキャッチフレーズを目にしたことのある人も多いのでは……?
「愛は食卓にある」キユーピー
「すべては、お客さまの「うまい!」のために。」アサヒビール
「お金じゃ買えない価値がある、買えるものは、master cardで。」マスターカード
「話さなくてもわかる。話せばもっとわかる。家族だからね。」味の素グループ
このように、企業でも広告などで自社あるいは製品にキャッチフレーズを用意しています。
これは「誰に」「何を」「どのように」提供するのかといった観点から考えているもの。
これを就活に置き換えてみると、「自分のイメージを採用担当者に印象付ける」ためのフレーズが求められているのです。
実のところ、採用担当者は「キャッチフレーズ」自体をそこまで重要視しているわけではないという声もあります。
それでは、なぜキャッチフレーズを求めているのか。
また、何を評価されているのかと疑問に思うことでしょう。
本音ではキャッチフレーズそのものではなく、なぜそのキャッチフレーズをつけたのかという理由を、論理的に話せるかどうかを見ています。
さらにエピソードが交えられていれば、評価はグッとUP。つまりキャッチフレーズをつけさせる意図は、学生の発想力や思考力などの本質を見抜くためだと考えられます。
ゆえに、キャッチフレーズは採用担当者の興味・関心を引き、自分のアピールできるポイントを明確化することが必要なのです。
普通に考えればキャッチフレーズは、自分が思うままに自由に表現すれば良いと思いがち。
しかし、それが根拠の無い思い込みであれば、ただ適当な人だと感じられてしまいます。
キャッチフレーズは自己PRの一部ですので、自分の魅力が伝わる言葉選びが大切。
では、評価を上げるキャッチフレーズを作るにはどうしたらいいか考えてみましょう。
就活では、企業から人材を選ばれるという意識が強く、「採用側が就活生(自分自身)より優位に立つ」という捉え方があります。もちろん、就活生もまた企業を選ぶことができます。しかし選考が課される以上、企業優位の本質はやむを得ないことと言えそうです。そうなれば、キャッチフレーズもまたある程度は企業の社風に合わせて考えることが必要となるでしょう。
例えば、「化学系の研究職」と「ホテルのフロント職」の二つの職種を志望するとしましょう。当然のことですが、それぞれの業界・企業が求めている人材像は異なります。「化学系の研究職」であれば物事への探究心や論理的思考が求められるでしょう。しかし「ホテルのフロント職」は人と接する機会が多いため、高いコミュニケーション能力や人への興味、ホスピタリティなどが必要とされます。つまり、伝えるべき強みやアピールポイントも異なるのです。
重要なことは、志望企業がどのような人材を求めているかを見極めること。その上で、強みとなる自分の特徴や経験、あるいは性格を踏まえ、キャッチフレーズを考えていきます。
いきなり「キャッチフレーズを」と言われても、すぐ思い浮かぶ人など希少です。では、どうすれば自分のキャッチフレーズを考えられるのか。キャッチフレーズの基本が理解できたら、次は発想法を学んでいきましょう。
キャッチフレーズには、その理由と根拠(エピソード、経験など)が必要です。ただ頭に浮かんだ言葉を並べるだけで、高評価は得られません。ただし企業広告のコピーなどと異なり、凝り過ぎた表現は不要でしょう。「キャッチフレーズが考えられない」という人は、もしかしたら考え過ぎているのかもしれません。
まずは、自分自身の何について伝えるかを考えてみましょう。企業の求める人物像を理解したうえで、強みとなる“自分らしさ”が最も伝わる言葉で表現してみてください。発想のヒントは、「まず志望企業の社風に合わせてみようと考える」ことです。例えば新規性・革新性が強みの企業ならば、意外性を感じるキャッチフレーズを。あるいは保守的な企業ならば、堅実な自分の要素(責任感、持続性)を打ち出せるキャッチフレーズを伝えるといった具合です。
自分の強みを箇条書きにして、そこから考えてみるのも良いでしょう。企業の求める人物像にマッチする強みをピックアップし、そこからキャッチフレーズを組み立てます。自分で思いつかなければ、友人・知人や先輩、あるいは家族など、近くにいる人に聞いてみるのも良いでしょう。周囲からは、自分でも気づかない部分が見えているものです。無理にカッコいい言葉を考えようとするのではなく、「伝わり易さ」を重視してみてください。
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