就活では、「第一印象が大切」とよく言われます。初めてその学生と会ったときに感じた印象は、その後もずっと覚えられていることがよくあるもの。そして就活では、選考結果にまで大きな影響を与えます。そのため就活を制するためには、第一印象を良くすることが必要です。
ではいったい、どんな場面で注意すれば良いのか。採用担当者と会う機会といえば、やはり面接ですよね。ここでは、面接で採用担当者から見られているポイントについて取り上げます。
第一印象を決めるうえで、特に重要なものは「身だしなみ」です。面接官は、清潔感のある身だしなみを就活生に求めています。
実際、面接室に入ってきた途端に、面接官をあぜんとさせる就活生がいるようです。例えば、「裾をまくり上げたジーパン姿」で面接に現れた就活生。もちろん中には、私服での面接訪問を許可している企業もあります。しかしそれでも、やはり面接官の気持ちとしては「T・P・Oくらいわきまえてほしい」というのが本音です。ですから志望業界・企業を問わず、まずスーツの着こなしは最低限の身だしなみとして覚えておきましょう。
男子学生は、ネクタイもきちんと整っているか確認を忘れずに。ネクタイが曲がった状態で面接に行っては、面接官をがっかりさせてしまいます。また、髪の毛もボサボサの状態ではよくありません。鏡を見て、きちんと就活にふさわしい髪型に整えて出かけてください。女子学生で長髪の場合は、結んでおくのがベスト。前髪も眉くらいまでの長さに整えておくのがおすすめです。
次に第一印象に大きく影響するのは、話しているときの声や視線です。
面接室に入ってあいさつする際には、はっきりと大きな声を出しましょう。また、話をするときは。その面接官の目を見て話をすることも大切です。第一印象の悪い学生としてよくあげられるのが、「ボソボソと小さい声で話す」という学生。小さい声も上手く使うことで効果を得られる場面もありますが、就活では悪い印象に繋がってしまうことが多いようです。
もちろん、必要以上に大きな声を張り上げて目立つことはありません。しかし、ハキハキと受け答えすることは、面接官にとって清々しく爽やかで、元気な印象となるでしょう。
笑顔は、相手から好印象を持ってもらうために重要です。笑顔は相手に好感を与え、ビジネスにおいては「こんな人と仕事したい」と思われるキッカケになります。
笑うと、口の両端の部分が上がります。この部分を口角といい、口角を上げると笑顔になります。口角を上げることを意識して面接に臨むとよいでしょう。話すときも口角を上げて発声するようにしていると、常に笑顔が作れるようになります。発声練習などを家で行い、鏡を見ながら自分の口元や表情をチェックしておいてください。
口角を上げて笑顔を作る練習をしておくと、写真を撮るときにも役立ちます。就活用の写真を笑顔で撮ることはありませんが、口角を上げることで印象の良い表情になるはずです。また、話すときもハキハキと元気よく答えられるようになりますよ。
第一印象が大切であることは、就活に限った話ではありません。社会人になってからも、「初めての人と対峙する」機会はたくさんあるはずです。では、なぜ第一印象が重要といわれるのか。その理由は、第一印象はその後に覆ることがほとんどないからです。第一印象で捉えられたあなたの印象は、ずっと変わらずに残ります。就活であれば、いくら選考を進んでも、根底であなたへの印象が決まっていることとなるのです。
面接で最も大切なことは、「印象力を持っているか」です。就活生の中には、いろいろなマニュアルを参考にしている人も多いでしょう。そんなマニュアルの中には、「あなたが会社に貢献できる人間である」ことを伝える方法が解説されています。
しかし重要なのは、あなたが会社に貢献できる人間だと「思わせる」こと。そのためには、面接での言動や振る舞いを通して、面接官にあなたが価値のある人間であることを伝える必要があります。印象力とは、「自分の魅力をどう伝えるか」という力です。
例えば学業成績が良く、教授陣からも推薦されている学生がいたとします。しかしその学生がボソボソと小さい声で、目を合わせずに話していたらどうでしょうか。面接官が、その学生に対して良い印象を持つことはないでしょう。「勉強はできるかもしれないが、ビジネスにはちょっと不向きだ」などと思われてしまいます。
反対に成績が悪く留年までしていても、自信満々の態度でハキハキと話す学生に面接官は良い印象を持ちます。「成績が悪いのは、課外活動を一生懸命にやっていたからだろう。会社に入ったら活躍しそうだな」などと感じる面接官は多いのです。
このように「自分をどのように伝えられるか」が、好印象を持ってもらうための大きな力となります。この印象力を甘くみてはいけません。その人の印象は、最初の15秒で決まってしまう。これは、心理学者の研究によるデータでも証明されています。どんなに賢い人であっても、第一印象が悪ければ良い結果に結びつけるのはむずかしそうです。