これまで経験した受験と違って、就職活動では面接がもっとも合否を左右する選考です。同時に多くの学生が一番苦手と感じているのも面接です。しかし面接では、多くの企業でよく聞かれる質問がいくつかあるので、その傾向と対策を準備することによって、面接への不安を一気に減らすことができるでしょう。しかも一度考えてしまえば、後はより相手に伝わりやすいフレーズにブラッシュアップしていくだけ。
ここでは実際に、よく聞かれる質問を5つご紹介します。ただ質問内容を眺めるだけではなく、そこから面接官が何を知ろうとしているのか、意図を感じ取っておくことも重要です。
自己PRは、面接に限らず書類選考でも書く機会が多いでしょう。書類で一度まとめられている情報だからこそ、面接でも高い質の回答を求められます。自分自身とはいえ、短い時間でアピールすることは簡単ではありません。また、面接官は何人もの自己PRを聞いていますので、ありきたりな内容では印象に残らないでしょう。
「自己PRをお願いします」と言われたら、他者とは異なる自分なりの特徴を伝え、相手に印象付けることが大切です。そのためには、事前に過去の経験やそこから見える強みなどを書き出し、自分の言葉として整理しておきます。面接における質問の中では、最も事前準備がしやすい質問ともいえるでしょう。
また自己PRでは、表情や声のトーンなども大切です。分かりやすくハキハキと、面接官の目を見て話ができているか。また、PRに気持ちが込められているのかなど、コミュニケーション能力も見られていると考えましょう。
学生時代の成功体験や、課題を乗り越えたといった体験を聞かれる質問です。よくある回答では、クラブ活動やアルバイトを例に挙げるものがあります。しかし、学生にとって第一に優先されることは、学業であることを忘れてはいけません。例えば毎日のようにアルバイトに明け暮れた生活を伝えれば、むしろ学業に力を入れていないというマイナスの印象を持たれてしまうでしょう。
評価を得られるような回答としては、リーダーを務めたり、あるいは困難な状況を打開したりといった具体的なエピソードが求められます。協調性や積極性、あるいは忍耐力など、そこから「何を得たのか」が伝わるよう話を展開しましょう。学業においても、例えば難しい資格取得や特定分野における研究成果など、アピールできる点はたくさんあります。
この質問では、努力の過程から就活生の思考や能力を見られています。あるいは、その人にとって「頑張った」といえる経験が、どの程度のものかもポイントとなるでしょう。誰にでもできる簡単なことを「頑張った」と言ってしまえば、社会人になってから待ち受ける困難を乗り越えることは難しいと思われるかもしれません。
志望動機は、採用選考の最重要項目といえます。ここで大切なことは、回答に一貫性があるのか、そして本当に熱意を持って入社したいと考えているのかという点です。
面接官はこれまで数多くの学生と対峙し、さらに入社後もまた採用した人材と仕事を通じて関わってきています。いくら立派な回答を並べても、本音はすぐに見破られてしまうでしょう。ありきたりな回答では、むしろマイナスに評価されてしまいます。
面接に臨むうえで、企業や業界研究は必須です。しかし相手を知るだけでなく、自分自身についても理解することが大切となります。企業について詳しく知ったうえで、何に魅力を感じているのか。また、その企業でどのように働いていきたいのかを具体化させなければ、志望動機に納得を得ることは難しいでしょう。
この質問では、どれだけ自社に興味を持っているかをチェックしています。製品説明だけでなく、他社と差別化できるポイントや強み、あるいは販売先についても理解しておきましょう。もし身近なものならば、実際に使ってみたり、体験してみたりするのがおすすめです。
また当然ながら、面接官は就活生以上にその製品について理解しています。面接官が知りたいのは製品を知るうえでどれだけ情報を集めているのか、その過程といえるでしょう。社外から得られる情報には限りがあり、面接の段階で社員レベルの製品理解を求めることは不可能です。
尚、ただ製品知識を得るのではなく、それに対し自分なりの考えを持つことも大切となります。ときには製品の課題について考えを聞かれることもありますが、「何もありません」では興味がないと思われてしまうでしょう。自分なりの改善策を踏まえながら、相手に失礼とならないよう上手に話すように心がけてください。
社会人にとって、情報収集はどのような職種でも大切です。この質問では、日々ニュース情報にどれだけアンテナを張り、関心を持っているのかを見ています。他に例えば出版業界ならば、最近読んだ本について聞かれるケースもあるようです。
特に志望業界に関する情報は、常に収集しておきましょう。最近はインターネットを情報源とする人も多く見られますが、インターネットでは情報の真実性などに懸念もあります。そのため、新聞やテレビニュースにも関心を向けておくことがポイントです。また回答する際には、ただニュース情報を話すだけでなく、なぜ気になっているのか、自分なりの考えや理由を添えるようにしてください。これにより、課題意識の高さなどが評価されます。
就活生が陥りやすいのは、準備を一生懸命することで本番の面接で一方的にしゃべり続けてしまうことです。面接では面接官との会話が重要です。覚えてきたフレーズを一方的にしゃべり続けると人間らしいコミュニケーションがとれず、マイナス評価になることがあります。
聞かれた質問に対して要点を絞ってしっかり伝えると同時に、面接官との会話を楽しむ余裕も必要ですよ。
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