就活を始めると、誰もが必ず用意しなければならない書類に履歴書があります。
この履歴書とは、企業に提出する書類の中でも特に重要な書類といえるでしょう。なぜなら企業の採用担当者は、まず履歴書を見て、応募者がどんな人物なのかを把握するからです。
その出来栄えによっては、応募者に対するイメージが悪くなることもあります。履歴書は自分自身を映す鏡だと考えて、きちんと仕上げましょう。
履歴書では、その内容から採用担当者に「この人に会ってみたい」と思ってもらえるかが大切です。そのためには、履歴書の書き方についてマナーを押さえ、丁寧に書く必要があります。そのうえで、企業への就業に対する自分の真剣さや誠実さを伝えていきましょう。
就活を始めるとなれば、まずは履歴書の準備からです。ここで選択することになるのが、履歴書を手書きで作成するのか、それともパソコンを使って自作するのか。
最近ではパソコンで作成する人も増え、履歴書の印刷に適した用紙も販売されています。手書きの場合は、文具店や大学内などで売られている履歴書を購入すれば良いでしょう。しかしパソコンで作成する場合は、仕上がりを意識した用紙選びも大切です。
一般的に、新卒は手書き、転職はパソコン作成が勧められています。そのため、新卒の就活では基本的に手書き用の履歴書を用意すると良いでしょう。
採用担当者から見ると、手書きの履歴書の方がその人をイメージしやすく、人物面などの判断に繋がりやすいという声が多いようです。ただし企業によっては、フォーマットが指定されている場合もあります。よく確認し、指示があればそれに従うようにしてください。
履歴書を見ると、氏名や住所、電話番号などの基本事項を記入する欄の下に、大きくスペースが設けられています。ここが、学歴を書く場所です。学歴は重要な項目の1つですが、「いつの時点から書けば良いのか?」と疑問を持つ人は多いでしょう。
結論から言えば、特に明確な決まりがあるわけではありません。一般的に言えば、中学校から書くことが多いです。もちろん有名私立を卒業しているなど何かしらステータスがあれば、小学校等から書いても構いません。しかし通常であれば、小学校以前の学歴が新卒採用での採否判断に関わることは無いでしょう。
学歴の記入方法が分かれば、実際に書いてみましょう。まずは1行目の中央に、『学歴』と記入します。その行を起点として、1行につき1つずつ学歴を書きます。小学校以前からどうしても書きたいという方は、先に行数を確認しておきましょう。入学は「◯◯ 入学」で1行、卒業も「◯◯ 卒業」で1行を使います。もし大学での編入などがあれば、「◯◯ 編入」として同様に記入しておきます。
尚、学歴の記入が終わったら、次の行は1行開けてから行中央に『職歴』と記入します。しかし多くの就活生は社会人経験がありませんので、その場合は次の行に『なし』と記入すれば問題ありません。アルバイト経験を職歴として記載する人がいますが、これは控えた方が良いでしょう。アルバイト経験は職歴ではなく、自己PR文などで書くことが適切です。
学歴の学校名は、正式名称で記入してください。高校であれば「高等学校」となります。「◯◯県立」などを省略して呼ばれている場合もありますが、履歴書には正式名称が原則です。分からない場合は、学校に確認すると良いでしょう。具体的には、次のような表記になります。
「○○年4月 ○○県立○○高等学校 入学」
「○○年3月 ○○県立○○高等学校 卒業」
次に、学部や学科名、あるいはコース等もきちんと記入します。就活中の学生であればまだ在学中なので、最終学歴には「卒業見込み」と書きましょう。
「○○年4月 ○○大学○○学部○○学科 入学」
「○○年4月 ○○専門学校○○コース 入学」
「○○年3月 ○○大学○○学部○○学科 卒業見込み」
ちなみに大学院や専攻科の場合は、「卒業見込み」ではなく「修了見込み」と記載します。間違いやすいため、該当する方は注意しましょう。
「○○年3月 ○○大学大学院○○学研究科○○学専攻修士課程 修了見込み」
「○○年3月 ○○大学大学院○○学研究科○○学専攻博士課程 修了見込み」
採用担当者は履歴書を見ることで、応募者の学歴だけでなく、勉強してきた中身を知りたいと考えています。そのため、学校名の下に研究テーマや卒業論文の内容などを記入しておくと、アピールに繋がるかもしれません。特に応募先企業に関連する分野であれば、就業後も生かせる知識があるとしてプラスに働く可能性もあります。
また留学経験のある人は、留学先の国名や学校名、勉強内容などを記入しておきましょう。ただし、留学がアピールとなるのは1年以上。1年未満の短期留学や語学研修は、留学経験になりませんので注意してください。もちろん、それでも語学習得がアピールできるという場合、書いても問題はありません。
履歴書は、あくまで過去の経歴や応募者の基本情報を知るための書類です。例えば学歴部分に細かく勉学に関するアピール文を書くなど、関係のない記述はむしろマイナスに働きます。多くの場合は、履歴書の他に自己PR文なども求められるでしょう。不安な気持ちは分かりますが、正しく書類を書けるかどうかも、選考の1つと考えて対応してください。