履歴書の「趣味」欄や、面接で聞かれたとき、自分の「趣味」は何と答えるか悩む就活生は少なくありません。そして、そんな“趣味プレッシャー”に悩んだ挙句、最近全然映画を見ていないのに“映画鑑賞”と書いてしまったり、ほんの少しピアノを習っていたとはいえ、全然練習していないのに“趣味はピアノ演奏”と答えてしまったり……というケースも多いのだとか。
でも、そんな「趣味偽装」、採用担当者は案外見抜いているものです。そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者100名に対し、学生と話していて、趣味を嘘ついたり盛ったりする「趣味偽装」を疑ったことがあるかどうかアンケート。「ある」と回答した担当者には、どういうときに「これは趣味偽装だな……」と勘づいたのか、具体的なエピソードを教えてもらいました。
【学生と話している中で、趣味について嘘をついたり話を盛ったりする「趣味偽装」を疑ったことがありますか?】
・ある 46.0%
・ない 54.0%
アンケートの結果、「ある」と答えたのはなんと46%と半数に迫る割合でした。では、どういったときに「趣味偽装」を疑ったのでしょうか?
趣味として書いていることに、面接官が突っ込むのは至極当たり前です。掘り下げて聞いていくとしどろもどろになったり、詳しく説明できなかったり、明らかに内容が浅かったりすると、面接官は「これは“趣味”ではないのでは……」と疑うもののよう。
・エピソードやルールが良く分かっていなかった(男性/その他/40歳)
・「スポーツが好き。スキー・スノボ」と言っていたけど、具体的に「どこに行って」とか、何にも答えられない(女性/その他/48歳)
・その事柄について明確に話せなかったりする場合(男性/その他/44歳)
・ボランティア活動の内容があいまいだった(男性/総務・人事・事務/40歳)
・自転車でのツーリングが趣味とのことだったが、通った道などを覚えていない(女性/総務・人事・事務/32歳)
・趣味が「読書、音楽鑑賞」という学生は、ほとんど無趣味。印象に残っている作品について話をさせても、ネットのレビューに出てくるような通り一遍の感想しか出てこない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
・「海外ボランティア」。実際には、海外に数回「旅行」をしただけだった(男性/会社経営・役員/46歳)
・海外を放浪してたと言ってたがただのパッケージツアー(男性/会社経営・役員/36歳)
・サークルの副リーダーという人が、運営で苦労していなかった(男性/研究・開発/35歳)
・リアリティがない(男性/営業・販売/36歳)
・旅行している話で実体性が薄かった(男性/金融関係/40歳)
・話の内容が浅はか過ぎる(男性/公務員/37歳)
・掘り下げると、話の中身が薄くなる(男性/営業・販売/32歳)
・話がかみ合わない場合(男性/コンピュータ関連技術職/32歳)
・しばらくしてから、違う観点から質問すると違う答えが返ってくる場合など(女性/その他/44歳)
・運動系なのに、日焼けしていない(男性/金融関係/42歳)
・海外旅行が趣味と書いてあったが、1回しか渡航経験がなかった(女性/総務・人事・事務/41歳)
・語学などで、資格名が書いてあったので、いつ取ったのか聞いたら、「それ相当の力があります」という自負だった(女性/デザイン関係/36歳)
・趣味ということへのこだわりや思い入れが薄いと感じるような対応をされた(男性/その他/46歳)
・趣味について当たり障りのない内容しか語れなかった(女性/その他/41歳)
・深くつっこんで質問すると無難な答えだったり焦った態度になる(女性/その他/36歳)
・知識が浅かったり間違ったことを言ってるとき(男性/その他/46歳)
・「読モをしてました」と言っていたが、こんな姿勢の悪い子が……?と思った(女性/その他/41歳)
・目が泳いでいた(男性/総務・人事・事務/41歳)
・突っ込んで聞いてもしどろもどろな返事しかできない時(男性/総務・人事・事務/45歳)
ある採用担当者(男性/IT関連/42歳)は、「コンピュータが趣味というから、詳細を聞くと何もわかってないという経験は無数にあります。そもそも学生の趣味そのものに興味はなく、そこから人間性、能力の特性が聞きたいだけです。趣味が多彩だと優秀とかそういうことではないです」と話します。そう、どういう趣味ならポイントが高いとかいうわけではなく、学生がどのようなことに興味をもち、それに対してどのように取り組んでいるのかを知りたいのです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年8月16日~2017年8月23日
対象:企業の採用担当者 計100名