就活マニュアル本では、「自分の短所も長所に言い換えるべし」とされ、そのテクニックがあれこれ紹介されています。果たして、自分の短所を“そのまま”言ってはいけないものなのでしょうか?
JOBRASS編集部では、採用担当者115名に、「長所と短所を教えてください」という質問に対し、学生は正直に答えるべきだと思うかどうかを聞いてみました。すると、約8割の担当者が「思う」と答えた一方で、「そうは思わない」という回答も2割。何故正直に答えないほうがいいのでしょうか? 気になるその根拠と、「どんな風に回答するのが正解」か、アドバイスをもらいました。
【「長所と短所を教えてください」という質問に対し、学生は正直に答えるべきだと思いますか?】
・思う 79.1%
・思わない 20.9%
基本的には正直に。エピソードを交えながら、どうしてそう思うのかを説明できると良いようです。また、ことさらにポジティブに言い換える必要はありませんが、あくまでも“その自分を受け入れ、日々どのようにうまく過ごしているか”をアピールすることは重要、とまとめられそう。
・ありのままに、素直に答えるのが一番です。自分を大きく見せようとする、それこそがいけません(女性/その他/39歳)
・ある程度正直にこたえたほうが良いと思うが、エピソード・具体例を出して答えてほしい(女性/その他/42歳)
・エピソードを含めて短所も長所も話す。それから短所でもあり、長所でもあり自分はこのような人間と語ること(女性/その他/32歳)
・飾らずに正直に答える。事前に、友人や家人など、第三者から聞いておくのも良いと思う(女性/その他/31歳)
・その質問に答えられるだけの自己分析ができているかどうかをチェックするので、とにかく具体的にポイントを押さえてきちんと答える(女性/営業・販売/44歳)
・それが短所だと思った実例を挙げる。単に周りにそう言われる、というのは良くない(男性/研究・開発/42歳)
・みんな誰しも欠点はあるので、冷静に欠点を見つめた上での正直さや協調性を見たいです(男性/コンピュータ関連以外の技術職/49歳)
・良くないところをどのようにして克服、または日々過ごしているか、ポジティブで伝えられれば良いと思う(男性/公務員/46歳)
・短所については素直にマイナス面を述べた上で、反面的に良い面に働いた経験等も添えて置くと良い(男性/営業・販売/38歳)
・短所も長所に良い面、悪い面があることは承知しているので、自分のことを知ってもらうエピソードとして答えるべき(男性/営業・販売/39歳)
・短所を悪いと言わず、自分に足りない、不足している部分と伝える、表現力も大切(男性/金融関係/49歳)
<具体例>
・一つの事に集中すると周りが見えなくなります。これは短所でもあり長所でもある(男性/その他/45歳)
・気を使えるのが長所ですが、使えすぎておせっかいになってしまうのが短所、など(男性/その他/40歳)
・協調性はないのですが、おしゃべりをしないことは、自信があります(男性/その他/41歳)
・「大人しい性格だが、ひたむきに自分の芯を通します」のように長所と重ねて話すのが良い(男性/その他/44歳)
「正直に答えなくても良い」という理由を掘り下げて聞いてみたところ、担当者は何も「嘘をつくべし」と言っているわけではなく、「基本的に、長所・短所はそんなに重視していない」という意見が大半。ただ、やはり「マイナスポイント」を述べるだけにとどまるのは避けたいところです。
・致命的なマイナスイメージにならないような軽い短所を述べる(女性/その他/43歳)
・どのような場合に企業にとってマイナス・プラスになるのかをしっかり説明する。仕事にとってどうなのかが大切(女性/その他/45歳)
・長所短所を本人自らしゃべらせることは無意味。なぜなら本人の主観が入るから。この愚門は企業側の採用マニュアルを変えるべき(男性/コンピュータ関連以外の技術職/45歳)
いずれの場合も、やはり「自分の短所を理解し、それをどう克服しようとしているか、あるいは仕事をするうえでどう気をつけるべきかが自分でわかっているかという姿勢を見せる」ことは重要、というのは同じ。社会生活のなかで自分の短所を認識し、それを他者と調和させるためにいかに自分で努力しているか、というアピールが大切なのですね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名