就活生の中には、初めて面接を経験する人もいるでしょう。そのため緊張しすぎて失敗する人も多くなります。
特に最終面接では、苦手意識を持っている人が多いようです。「最後の勝負」とも言える最終面接。せっかくそこまで選考を進んだのに、失敗してしまっては悔いが残るでしょう。ここでは、そんな最終面接を苦手とする人の特徴と、実際の失敗例をご紹介します。実例から学ぶことで心の準備を整え、冷静に最終面接へと臨んでください。
複数の会社で順調に選考が進んでいるのに、どうしても最終面接で落ちてしまう人。その特徴として、第一に「企業分析力が弱い」ことが挙げられます。
企業分析は、就活が始まった初期から取り組んでいることのはず。しかし、その企業分析が浅いので1次面接・2次面接くらいまではなんとか乗り越えられても、最終面接ではさらに深掘りした質問が投げかけられるでしょう。すると、企業分析で得た情報で対応しきれなくなってしまうのです。
最終面接の前までは、人事の担当者や部長などが面接官だったことでしょう。しかし最終面接には、会社の代表や役員などが同席します。最終面接に合格しなければ内定を獲得することはできません。つまり、社長や役員から「この人を採用したい」「この人に働いて欲しい」と思われなければ、内定はもらえないということです。
社長や役員といえば、会社の上層に位置する幹部です。それまでの面接官と比較すると、年齢層も高くなることが予想されるでしょう。年齢が異なれば、発言への感じ方や好まれる言動も違ってきます。また、社長や役員が面接官になるということは、質問内容も現場レベルの話ではなくなるでしょう。大きな理想や将来像などを踏まえながら、会社の発展そのものに繋がる話が展開されていくはずです。このことからも、最終面接では会社そのものに対する深い分析が求められることが分かります。
それでは、最終面接で落ちてしまう失敗例を見ていきましょう。
<最終面接を顔合わせと思っている人の失敗例>
「1次、2次、3次面接と進んで最終面接まで進みました。3次面接ではかなり突っ込んだ話もあったので、最終面接の連絡が来たときには「もう大丈夫。内定獲得だ。」と思っていたのです。先輩からも「最終面接は顔合わせのような和やかな雰囲気だった」ということを聞いたことがあり、安心していました。そのため、「最終面接は顔合わせだから、たいした質問はされないだろう」と思い、特に準備もせずに臨んだのです。すると、企業の将来に関すること、自分の将来のビジョンなどについて聞かれ、すぐに返答できない場面も。終始モタモタしてしまい、結果的に不採用となってしまいました。」
最終面接は顔合わせではありません。もちろん会社にもよりますが、あくまで採用可否を判断する選考であることを忘れないようにしましょう。さまざまなケースを想定し、しっかり準備して臨む必要があります。最終面接だからこそ「この人に来てもらいたい」と思ってもらえるよう、気合を入れて臨まなければなりません。
<企業分析と自己分析が弱い人の失敗例>
社長や役員といえば、その会社について誰よりも知っている人物です。だからこそ、面接時の質問はより広く、より深いものとなるでしょう。ここでは、詰めが甘かったため強いインパクトを残せなかったという失敗例を見てみます。
「最終面接まで進んだので、どこかに「もう大丈夫だろう」という安堵の気持ちがあったのかなと、今考えると思います。ただ、初めての最終面接で緊張したこともあり、言葉もしどろもどろに。自己アピールもほとんどできませんでした。企業分析は最初の頃から行っていたので、最終面接前に改めて行うようなことはせず本番。役員から企業の将来像などについて質問されたのですが、ホームページに書いてあることの復唱のようになってしまい、良い答えが出てきませんでした。中でも同業他社の比較に関する質問では、そもそも他社情報が頭のなかで整理されず、なかなか答えられない状態。面接室を出る段階で、不採用だなと自分でも分かりました。」
<入社希望の熱意が伝わらない失敗例>
多くの就活生は、企業研究などによってたくさんの情報を得ています。中には、「とりあえず調べてみよう」と情報収集からスタートする人も多いでしょう。しかし情報だけで固められるとそこに自分自身の意見や思いが入らず、志望動機や自己PRが形だけの状態になっていることがあります。1次面接や2次面接であれば、それでも通過できるかもしれません。しかし最終面接を通過することは難しいでしょう。
「私は御社の企業理念に共感し、御社を志望しました。御社の近年の業績は同業他社と比較しても上位であり、こんな企業とともに自分も成長していきたいと考えています。御社の企業風土にも魅力を感じており、自分の将来像を考えるときに非常にマッチしていると感じました。」
企業理念や他社との比較など、いずれも外部から得た情報を単に「共感した」「魅力的だ」と言っているに過ぎません。これではインパクトなど生まれず、むしろ「たいして強く志望していない」とすら思われてしまうでしょう。当たり障りなく、得られた情報をとにかく活用した。結果、熱意が伝わらずに採用が得られないという事例は多いのです。