よく「やる気がある学生」が好印象、逆に「やる気がない学生」はNGと言われます。実際どのようなことが「やる気がある」ように見えるのでしょうか?
そこでJOBRASS編集部は、採用担当者115名に、ESの内容・面接態度などで「志望度の高さ」が感じられる(「やる気」があるように見える)学生とはどんな学生を指すのかを教えてもらいました。今回はその【前編】。ESや面接で、やる気が感じられる「内容」についてです。【後編】では面接でのやる気が感じられる「態度」を解説します。
まずベースとなるのは、「よく調べていることがわかり、自分なりの意見をもっていること」。そのなかに、表面的に調べただけではない情報が感じられることが「やる気」のあらわれとみなされます。
・業界をよく調べていることが必要です。それに自分の意見を言えることが大切かと(男性/営業・販売/46歳)
・会社をよく調べ、どういう会社か、またどういう業務内容か勉強してくる学生(男性/その他/43歳)
・口先だけではなく、心の底から企業に愛着がある若者(女性/その他/37歳)
・自社のことをよく研究していることがわかる人。資料に書いてあることだけでなく本質的な部分を理解している事(男性/その他/36歳)
・その企業をじっくり調べていなければ書けない内容があること(男性/営業・販売/38歳)
そして、入社したいという思いを経験談や具体例を交えながら、「自分の言葉」で語れる人。ESの文字数なども、熱意と比例して判断されます。
・シートがすべて埋め尽くされていること。内容が具体的に自分の言葉で書かれていること(男性/営業・販売/41歳)
・なぜ自分が入りたいのか、自分の言葉で説明して欲しい。ありきたりの理由、人と同じような理由はいらない(男性/その他/41歳)
・やる気を感じさせる動機や、型にはまらないような表現力があるといい(女性/その他/48歳)
・教科書的な志望動機を掲げるのではなく、自身の経験に基づいたものを掲げるべきである(男性/その他/31歳)
・型にはまることも重要ではあるが、セオリー通りの返答はあまり魅力を感じない。むしろ自分の言葉で、その場で相手にいかに伝えるかという気持ちが強い人ほど心に響く言葉を発していると思う(女性/その他/30歳)
入社したいという思いに加え、その会社で自分がやりたいことがある人、または自分がどういう貢献ができるかがわかっている人は高ポイント。自己分析・企業研究&分析がしっかりできているという判断につながります。
・自分の長所、短所をどう生かして業績に貢献できるかを考える(男性/総務・人事・事務/48歳)
・いかにその企業についてよく知っているか、自分がどうすれば活躍できるかを明確に知っていること(女性/その他/35歳)
・できるできないは別にして、自分のやりたい事がたくさんある人(男性/営業・販売/49歳)
・会社に入ったら、そこでどう働きたいかなど思い描いていると、入社したいのだな、という意志が伝わってくる(男性/営業・販売/43歳)
・自分のやりたいことがしっかりこちらに伝えられる子。たとえそれがこちら側に部署として、生業として無い場合でも構わない。自分の未来にビジョンがあるかどうかは大きく差が出る(男性/その他/44歳)
質問に対し、臨機応変に、かつ自分の意見をハキハキと答えられるかどうかも、重要ポイント。答の内容よりも、一生懸命自分の考えを言おうとする姿勢を評価するという声も多く見られました。担当者がみているのは、企業についての知識や働き方のビジョンがあるかどうかに加え、自分で考え、答を出そうとする力があるかどうか、なのです。
・こちらから投げかける質問に対し、的確な回答ができるかどうか。はきはきした受け答えができるか(女性/その他/46歳)
・会社について良く調べてるあるのもそうですが、自分に自信があって、ハキハキしていることが重要だと思います(男性/その他/46歳)
・質問に対してしっかりと回答ができ、聞きたいこと、不安に思うことも解決する努力がみれる(男性/コンピュータ関連以外の技術職/43歳)
・質問に対して答える姿勢。クールに完璧に答えられるよりも、きちんと自分で考えた答えを出してくれる学生の方がやる気があるように見えます(男性/その他/44歳)
・的確に答えられなくても、一生懸命に考えて真摯に答えてくれる人は好感が持てる(男性/その他/35歳)
・内容よりも質問に対して真面目に向き合い、自分の言葉で積極的に答えている学生(女性/その他/40歳)
積極的に質問する姿勢は、「働きたいという熱意のあらわれ」と評価されます。とはいっても、なんでもいいから質問すれば良いというものではありませんし、質問しなければ評価が下がるというわけでもありません。
・好奇心や関心を論理的に質問できる学生。姿勢や話し方も大切だが、まず内容が必要(女性/その他/45歳)
・仕事内容や社風についてしつこく聞いてくる学生には真剣さを感じる(女性/その他/45歳)
・質問の内容が短期的なものではなく、長期的なものはやる気の高さを感じます。例えば、女性であれば、結婚後や産後の話などになります。また、男性であれば、自分がどのポストまでいけばどういう権限が得られるかなどは、こちらも熱が入ります(男性/総務・人事・事務/48歳)
・実際の仕事で必要になることを鋭く質問してくる人(男性/その他/40歳)
・面接終了後の質疑応答などの時を参考にしています。
やる気がある→「仕事の具体的な内容に対しての質問」
やる気がない→「給料に関して、残業、転勤、休日出勤など、直接的に業務に関係のないもの」(女性/その他/44歳)
まとめると、「自分なりに、自分がどういう人間かわかっていて、どうしてその会社に入りたいのかを語ることができる人。そのとき、その会社に入って“どういうことをしたいか”、あるいは“やってみたい夢”をもっていること。面接官と積極的にやり取りする姿勢があること」といった感じでしょうか。“受け売り”“受け身”の内容は、すぐに見抜かれます。面接でも、きかれることに応えるだけでなく、採用担当者とコミュニケーションをとるつもりで臨むと良いでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名