履歴書を書くにあたり、多くの学生が頭を痛めるのが「特技」「趣味」「資格」の欄。文字数規定のある試験では、“9割程度埋めるように”などと教えられてきた学生にとって、空欄で提出するのは気が引けるもの。「とりたててアピールできるほどの特技やハマっている趣味はないけど、たくさん書いたほうがいいのか?」「資格なんて何も持っていないんだけど、昔とった英検3級だけでも書くべきなのか?」など、悩むところです。
一方で、「その企業(職種)に関係ない資格を書いても無駄」なんていう意見もあり、一体どうすれば……? JOBRASS編集部では、企業の採用担当経験者231名に、履歴書の「余白(空欄)」についてどう思うか聞いてみました。
【履歴書の「特技」「趣味」「資格」の欄などでの「余白」、どう思いますか?】
・余白が多くても良い 61.0%
・余白は少なくするべき 39.0%
調査の結果は、なんと「余白が多くても良い」という担当者が6割超! 逆に「余白は少なくするべき」という担当者は4割未満でした。
■簡潔にまとめる能力も大切
・簡潔にかけば良い(男性/総務・人事・事務/45歳)
・ポイントを絞って書いた方が良い(男性/その他/48歳)
・簡潔に纏めて構築する能力も必要で、空白で無ければ良い(男性/その他/36歳)
■読むのが面倒
・だらだら書かれても見る気がしない(男性/総務・人事・事務/37歳)
・あまり多くても読むのが面倒(女性/その他/50歳)
■ダラダラ適当なことを書かれるほうが面倒くさい
・よくわからないことをだらだら書いているより良い(男性/その他/42歳)
・内容が具体的で的を射ていれば余白が多くても良い。文章が冗長であれば余白が少ないのは無意味(男性/その他/47歳)
・いい加減なことを書かれるよりはまし(男性/コンピュータ関連以外の技術職/58歳)
・余白を少なくするために、必要以上に大きな文字で書いたり、内容のないことを書くことは、頭が悪そうで印象が悪いです(女性/その他/48歳)
・余白を少なくする目的だけで、長々文章を書かれると、読むのにも時間がかかるし、かえって迷惑(女性/総務・人事・事務/46歳)
■みっちり埋まっているほうが嘘くさい
・どうでもいい資格を羅列されても困るから(女性/その他/34歳)
・特技ばかり並べても器用貧乏に映る(男性/その他/43歳)
■無理に偽ったり、誇張されたりするほうが困る
・無理に偽って書くよりも正直なほうが良い(男性/会社経営・役員/41歳)
・虚偽の申告をされるよりは空白の方が良い(男性/その他/49歳)
・詐称して見栄をはるより、今の自分をそのまま書くべし(女性/その他/42歳)
・事実であれば良い、逆に誇張される方が困るから(男性/営業・販売/49歳)
・大した特技でもないのに、無理に書く必要はない(女性/総務・人事・事務/39歳)
■たくさん書いても評価は変わらない
・それで評価は変わらない(男性/コンピュータ関連技術職/43歳)
・別にそこがポイントとなるわけはない(男性/その他/43歳)
・実際、書かれても、読む側としては「そうなんだ」とは思っても、だから良い悪いにはつながらない。採用に際しての判断材料にならないのです。どの履歴書を買ってもついてくる欄なので仕方がないですが、何も書かれていなくても良いです(女性/その他/31歳)
・その部分はあまり判断基準でないのでどっちでも良い(男性/公務員/47歳)
■余白がないほうが、自己PRの「やる気」が感じられる
・履歴書は自己PRの一部なので資格がなくても、趣味の部分はできるだけ埋めるなどした方がよい(男性/その他/41歳)
・適当なことを書いて埋められるのも困るが、自分の存在とヤル気を履歴書に込めているようで、好感が持てる(女性/その他/48歳)
・具体的に分かってもらいたいと言う熱意に繋がる(男性/その他/45歳)
・自分を理解してもらいたいという本人の強い意思が感じられるから(女性/その他/38歳)
・空白を埋める努力=自分の魅力を売り込む努力と捉えます(男性/その他/26歳)
■余白が多いと、どんな人物なのかわからない
・自分をアピールする良い項目なのに空欄だとどんな人か分からない(女性/その他/35歳)
・どんな人物なのか知りたいのに、アピールしないのは話にならない(男性/その他/46歳)
・意気込みや考えを図るためには色々な情報が必要なので、書く方もアピールのために書いた方が良い(男性/総務・人事・事務/44歳)
・余白が多いと印象が薄いから(女性/その他/29歳)
・本人の生活状態がわかりやすく、他の関連質問もでき話がはずみ、本心をさらけだす事ができるから、余白は少なくするべきだと思う(男性/会社経営・役員/49歳)
・その趣味を通じて何を求めているのかを、その趣味が好きな理由などを書くことによってこちら側は知る事ができるので、なるべく書いた方が良いと感じる(男性/営業・販売/31歳)
■余白が多いと、「つまらない人」に見える
・中身がないのを自白しているように感じるから(男性/その他/42歳)
・全くの余白では無能と間違えられるから(男性/その他/48歳)
・何らかの語れる趣味特技があれば、曲りなりにも自分の型というものを持っており、それについての記載がない(余白が多い)人は、そういうこだわりのない人かと思ってしまうので(男性/会社経営・役員/41歳)
・余白があまりにも多いと、何もないつまらない人に思えてしまうから(女性/その他/49歳)
■余白が少ないほうが「がんばった」感がある
・余白を埋める努力をした痕跡を見せるべきであるから(男性/営業・販売/48歳)
・空白が多いと雑さを感じてしまうので(男性/その他/32歳)
■余白が多いと、「表現力がない」ように見える
・表現できないと思う(男性/総務・人事・事務/47歳)
・国語力の不足、思考力の不足(男性/その他/44歳)
ちなみに、ではどれくらい埋めたらいいのか? という質問に対し、「余白があってもいい」という担当者は「一行でもいい」という声も少なくありませんでしたが、もっとも多かったのは「出来れば半分」。「余白はなるべく少なくすべし」という担当者でもっとも多かったのは「8割」という意見でした。まとめると、ダラダラ書くのではなく、自己PRと捉えてポイントを絞り、なければ書きようがない「資格」欄は別として、「趣味」「特技」などは8割程度埋めるのが理想的ということになりそうです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年9月16日~2016年9月26日
対象:企業の採用担当者 計231名