今回は就職活動を進める中で避けては通れないものの一つ、「集団面接」についてお伝えいたします。個人での面接については大体の方はイメージがつくと思いますが、集団面接自体を経験したことが無い人も多いせいか、いざ参加してみると焦ってしまったり、印象の悪い言動を取ってしまった先輩も少なくありません。今回は集団面接参加にあたって、ぜひ知っておくと役立つ4つのことをお伝えしたいと思います。
そもそも集団面接とは何かを考えたいと思います。企業にエントリーをして説明会に参加したり、書類選考をパスするといよいよ面接のフェーズに入ります。面接はほとんどの企業の場合、複数回実施します(少ない企業では2回、多い企業では5回以上)。そしてその比較的初期の段階に実施されるのが集団面接(またはグループ面接とも呼びます)です。その名のとおり集団で参加する形式の面接で、多くの場合は面接官2〜3名に対して、学生が5名前後という形が一般的です。
通常の個人面接(1人で参加する面接)との大きな違いは、1人あたりに割り当てられる時間が少ないということです。個人面接の場合、面接官は参加している学生1人だけを対象に会話をするのでじっくりと中身を見ようとするのに対し、集団面接の場合は1人あたりの時間が短い関係もあり、個人の深い部分は見ず、それよりも「第一印象の良し悪し」「最低限のコミュニケーション力があるか?」「短い時間でも相手に何かを伝える力があるか?」「短い時間で相手に与える印象はどうか?(→接客や商談などで客先に出せるタイプか? お客様視点で問題はなさそうか?)」をチェックしているのです。
企業側として集団面接を実施する目的は、時間や手間がかからずに多くの学生の合否を一気に判定できる点にあります。
1.「印象の良さ」を最大のテーマとするべき
上記のとおり、一人当たりの時間が少ない事を考えると、「印象の良し悪し」で評価が大きく左右される事が想定できます。また面接官も1日のうちで何十人も学生をジャッジしなければならないため、「パッと見の印象=初めて会って3秒で感じる印象」だけでも大事な評価の要素になる事を意識しておきましょう。どの企業においても「元気な人」「清潔感のある人」「明るい人」には評価が高まる傾向にあります。「印象」というと抽象的なものですが、面接官が主に注目している部分は下記の4点です。
・入室〜退室の動作
入室時は単なる部屋に入るための動作と考えるのではなく、1番始めに自分を見られる瞬間だと思って丁寧かつ落ち着いて入室しましょう。一番緊張する時ですがそこは我慢をして、むしろ取り繕う感覚でも良いので、笑顔を作る事、面接官にはアイコンタクトをしながらはっきりとした声で挨拶をする事、動作は落ち着いて行う事、姿勢を良くして堂々と登場するようにしてください。また、退室の時も同様の考え方が大事で、単に面接が終了して部屋を出る時と考えるのは浅はかで、面接官から見たら1番最後に自分を印象付ける瞬間という認識でいましょう。
最後ですから「本日はお忙しい中ありがとうございました。」と笑顔ではっきりと伝えましょう。当然アイコンタクトも重要です。この時に笑顔が消えていたり、アイコンタクトがなく目も合わさずに退出したとしたら、面接官からの印象は下がる可能生が大きいです。最後の瞬間はその人の素の部分や本音が1番出ますので、そこの部分をしっかり観察している面接官が多い事も頭に入れておいてください。
・姿勢
姿勢は2種類あります。まずは入退室時に歩く時ですが、この時の様子も面接官は大変意識して見ています。単に移動している感覚ではなくて、堂々と軽快に胸を張って歩いてください。自信のない人は普段から意識をして歩くと良いくせが身に付きますよ。また座った時にも同様に姿勢の良さが大事になります。胸を閉じて萎縮した雰囲気の方が実は多いのですが、それだけで大変印象が悪くなりますので注意してください。背中に意識を向けて胸をはって座りましょう。その際にあごを上げすぎて上目な目線にならない事も注意しましょう。
・表情
面接は緊張する時間でもあるので難しいかもしれませんが、ここはわざとでも良いので笑顔を作ってください。笑顔の作り方は、口角と頬骨を同時にリフトアップする意識で作りましょう。無理やりにでも笑顔にする事で、心も軽快な状態になるので緊張も軽減できます。
・アイコンタクト
全ての動作の前後に笑顔でアイコンタクトを入れるというちょっとした裏技です。お辞儀や挨拶をする前と後の1回づつ面接官に笑顔でアイコンタクトをする、というだけでも印象がだいぶ違ってきます。ぜひ実践してみてください。
2.集団面接に適した話し方を実践しよう
集団面接は1人の参加者に割り当てられた時間が大変少ないので、簡潔に話す事が大事です。自己紹介や質疑応答など全て1分〜2分で伝えるように意識してください。短い時間でも端的に伝えるコツとして、<結論→理由→それにまつわるエピソードを1つ→結論で締めくくる>といった流れで話すようにしてみると効果的です。間違ってもダラダラと話したり、結論を後回しで話す事が無いように気をつけましょう。
3.自分以外の参加者の話の聴き方も実は大事
自分以外の参加者が話している時の様子も面接官によってはチェックしています。話している人の方向に顔をむけ(凝視はせずに)、軽くうなずくようにしましょう。時折大げさに相槌をうつ方がいますが、逆に不自然ですから軽くで構いません。また場合により「今の◯◯さんの意見についてどう思いましたか?」と不意に質問をしてくるケースもありますので、うなずくだけではなくしっかりと内容を聞いておきましょう。また話す内容によっては、「◯◯さんとは反対の意見になりますが……」などの一言を挟み込むだけでも他者の話を把握できているという印象を与えられます。
4.集団面接ならではの考え方や勝つための考え方
「すごくデキそうな人だなー」「話すの上手な人だなー」と少し圧倒されるケースも多いと思いますが「集団面接に関しては気にしない!」という事に徹してください。他者と自分を比べて焦るという事は、百害あって一利なしと心得ておきましょう。あくまで堂々としていて正解です。また話す内容が丸かぶりなケースも出てきますが、こちらも同様に「気にしない!」という考え方でいきましょう。「◯◯さんと同じ内容になりますが……」などの前置きは全く不要です。そのような気遣いを見せるよりも、自分のアピールをした方がよほど印象は良くなります。
・自分が話した後は一気に緊張感が緩むタイプ
話した後にあからさまに気を抜いて、姿勢が崩れたり、目線が上の空になったり、笑顔が消えるタイプです。話した後も同じ状態をキープしましょう。
・話が長いタイプ
話が長くなる要因は、結論から話さずに背景や理由から話す事と、質問の意図からずれた話をする事の2点が多いようです。あくまで結論から話し、最短距離で伝えるようにしましょう。
・丸暗記感が透けて見えるタイプ
用意してきた内容を丸暗記して話しているなというのは、面接官はすぐに見破ります。妙にスラスラと話すので違和感を感じるからです。暗記しなければ話せない人=思考力がない人と思われても仕方がありません。想定していない質問にも応えられるように、全体として、できるだけ自然に話す工夫をしましょう。