就職活動の始まりともいえる履歴書。書類審査がある場合には、履歴書次第で採用のステップがどうなるか決まるといっても過言ではありません。書類審査を通過するためにはどんな点に気を付けて書く必要があるのか、考えてみましょう。
採用担当者の立場になって考えてみてください。毎日何百枚もの履歴書を見ます。そして一定数を選びださなくてはなりません。もちろん、履歴書を見慣れてはいますが、読もうと思える履歴書はどのような履歴書でしょうか。
・自分にできる最高にきれいな字で!
まず、読むのが大変なほど字が汚いと読んでもらえません。もちろん、汚いよりはきれいな方が良いです。が、汚くても必ずしも、だめではありません。努力することが大事です。今からペン習字を習う必要はありませんが、読みやすいように丁寧に書きましょう。丁寧に書いた字は、形が整っていなくても読みやすいです。誤字・脱字にも気づきやすくなります。
・履歴書の形式に沿った記載を!
履歴書には一定の形式があります。履歴書を見慣れている採用担当者は、形式に外れている部分にあっという間に気が付きます。形式に外れる誤りを見逃したというのは、不注意であるとか、確認し忘れているといったマイナス要因になります。
・項目は極力埋めよう!
履歴書の項目がスカスカだとどう思いますか。例えば自己PRに何も書かれていないと、あなたの強みが何もないかのように思われるかもしれません。あなたは20年以上生きてきていますから、書くことが何もないことはないはずです。ただ、書かないと伝わりません。履歴書を企業が要求するのは、あなたのことを知りたいからです。ですから、履歴書の項目は、せめて枠内の8割くらいは埋まるよう記入してください。
ただ、ここでも読む方の立場に立って考えて下さい。小さい字でみっしりと書きこまれていると、読む気力がなくなりませんか。書くことは整理してまとめてから書きましょう。要点をまとめて書いておくなら、情報処理能力を見せることもできるかもしれません。
・手書きかパソコンか?
履歴書を手書きにするか、パソコンで書いてプリントアウトするか、と悩むかもしれません。どちらかの指定がある場合には、もちろん指定に従ってください。指定がない場合には、自由ですと言いたいところですが、できるだけ手書きの方が、パーソナリティーが見えるからよいという採用担当者がいるのも事実ですから、手書きをお勧めします。学校の校章が入った履歴書がある場合には、その用紙に手書きがベストです。
履歴書の形式面で、どういったことに気を付ける必要があるか、具体的に見てみましょう。
まず、履歴書の最初の部分です。
[1]提出日は、手渡しの場合は渡す日、郵送の場合は投函日の日付を入れましょう。[2]印と書かれている場合には、押印の必要があります。ハンコを押すのはなかなか技術が必要で、かすれてしまったり、ずれてしまったりすると押し直しになります。履歴書の下に何枚かの紙を敷いておくとクッションになり、押しやすくなります。すべて書き込んだ後に、ハンコのために書き直すのは大変ですから、まず最初に押すことをお勧めします。
[3]写真は、履歴書サイズのものを就活用に写真を撮った際に、多めにプリントしておきましょう。何枚必要になるかわかりませんが、何度も焼き増しするのも面倒ですから、最初にある程度の数をプリントしておくとともに、後で焼き増しできるかの確認もしておきましょう。
[4]住所もですが、電話番号もきちんと出られるものを書きましょう。携帯電話という記入も念のためしておくと良いです。
[5]Eメールアドレスは、就職活動用のものを作りましょう。自分なりの個性的なものを使っているかもしれませんが、ここはオーソドックスに、フルネームと番号の組み合わせが無難です。
続いて、学歴・職歴です。
[1]学歴は、小学校と中学校は卒業校のみ、高校からは入学と卒業を記載します。小学校を書くかは諸説ありますが、書いておけば、どこに住んでいたかがわかります。ひょっとしたら採用担当者と関連のあるところだったりするかもしれません。情報量は多い方が良いですから、書くようにしましょう。
高校は、高等学校と正式名称で書きましょう。学校の名前の前に公立の場合は、所属する都道府県か市区町村を、私立の場合は、私立と記入してください。
[2]職歴は、新卒採用の場合はないことがほとんどだと思います。アルバイト歴は職歴に入りませんから、その場合は「なし」と書いてください。
履歴書の裏面に当たる部分について考えてみましょう。採用担当者が知りたいのはどういったことでしょうか。この部分には、あなたに関する情報を書く欄が並んでいます。免許・資格の欄以外は、あなたにしか書けないことです。採用担当者は、自社にふさわしい人物を選ぶために、採用活動を行っています。
とはいえ、その会社にふさわしいと思ってもらいたいからといって、嘘の自分を書くのはNGです。あなたの等身大の姿を書きましょう。書く欄のスペースは限られていますから、整理してわかりやすく書くようにしましょう。
・免許・資格
持っているものをすべて書きましょう。普通自動車免許、英検、簿記等、とった資格すべてです。さらに、教員免許等、卒業と同時にとれる予定のものがあれば、(取得見込み)として書くこともできます。
・自分に関する項目
得意科目や専攻科目に関しては、専門用語をできるだけ排除してわかりやすく記入してください。相手の方に伝わる表現を心がけてください。
趣味・特技の欄は、読書、旅行、といった単語で済ませるのではなく、もう少し掘り下げて書くようにしましょう。「読書:ミステリーを中心に海外、国内の作家を広く浅く読んでいます。好きな作家は、東野圭吾さんとアフメット・ウミット。探偵のシリーズがあるとすべてを読みたくなる傾向があります。」といった風に、自分の人となりを示せると良いかもしれません。
自己PRは、自分の性格や特徴を中心に、その企業にふさわしいと思える部分を思い切ってPRしましょう。履歴書を書く前に、自己分析は必ずしておきましょう。
クラブ・課外活動等の項目は、大学のサークル活動を中心に記入することが多いですが、サークルに参加していない場合にも、記入してください。友達と食べ歩きをするのであれば、そういったことを記入することもできます。空欄にだけはしないでください。
・志望動機
履歴書の志望動機は、重要項目です。ただ、だらだらと書いても読んでもらえないかもしれません。まず、「○○だから、御社を志望します。」という結論部分から入りましょう。それから、なぜそうなのかという理由付けをしてください。いくつかの理由があるなら、箇条書きにしましょう。その後の段階で、肉付けして話すことができるよう、すべてを書く必要はありませんが、項目建てはきちんとしておいた方が良いです。書き終わったら、読む方の視線に立って、読み続けたいと思うかを確認してみてください。