就職活動では、企業は面接やエントリーシートの他に一般常識やSPI、筆記試験の対策も欠かせません。しかし、対策をしようにも「数学が苦手」「勉強が苦手」という人にとってみれば、ただただ苦しいだけ。
今回はそんな勉強が苦手な人にあるあるな「参考書を買って満足してしまう」「数学アレルギー」「暗記が苦手」に絞ってこれらを解決していくテクニックをお伝えしていきます。今までいくら時間を費やしても、効果が見えなかった勉強も解決するかもしれません。就活だけではなく、資格取得に、定期試験にも応用して活用してみてください。
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■読む前に・・・・・・就活で筆記試験対策は必要なのか、と疑問に感じている人は読んでください。その部分より、はやくテクニックをという方はこちらから読んでみてください。
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そもそも就職活動において、筆記試験はどれくらい重要なのでしょうか。アイデムが企業にとった調査によると、2017年卒対象の採用活動で、平均で38.3%、みなさんが希望することの多い、従業員数1000人以上3000人未満の企業絞ると平均で43.2%、従業員数3000人以上では平均44.4%の企業が筆記試験をしていることがわかりました。つまり3社に1社以上は何かしら筆記試験を課しているということになります。
一方、学生側の調査を確認してみると、平均応募社数は22.2社です。つまりこの22社のうち、8回はテストをする可能性があります。いずれにしても少なくとも一回は筆記試験を受けることになると考えた方がよいでしょう。
気を付けなければならないのは、筆記試験の結果によってだけで選考に落ちてしまう可能性があるということ。本当ならば、自己PRや入社して携わりたいことを企業に伝えたいのに、その前に学力の結果だけで足切りをされてしまうということが、特に人気・有名企業では珍しくないのです。
これはとてももったいないこと。テストを通過して面接や人事担当者に会うためにも、着実に筆記試験の対策をしていくことが大事です。
冒頭にも述べたように、勉強がなかなかうまくいかない場合には勉強の方法を改善したほうがよい場合があります。なんとなく参考書を開き、なんとなく解いて、なんとなく答えあわせをする……宿題などでよく見られる光景ですが、このやり方だといくら時間をかけても習得することはできません。それではどのような点に気を付けて勉強をすればよいのでしょうか。
勉強の際に気を付けるべきこと、それは「モチベーションを保つこと」です。先程述べたように「なんとなくした勉強」では、どれだけ長時間勉強をしてもあまり意味はありません。「自分のやる気が出る」のを待つのではなく「やる気を出させる環境を作れるか」が問題です。
ではその環境をどのように作っていくかですが、何でもいいので「目安として1時間集中できる環境を探す」ことからスタートしてみましょう。人によっては、周りに人がいた方が勉強できる場合もありますし、逆の場合もあります。図書館、カフェ、自分の部屋……選択肢はたくさんありますが、とにかく「自分が集中しやすいシチュエーション」を認識しておくことが重要です。
そして勉強の中身ですが、基本的には「理解する」「覚える」「慣れる」の3点が大事です。これまでの学生時代を思い出すと、
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・理解する・・・授業中、宿題
・覚える・・・小テスト、定期テスト対策、赤シート
・慣れる・・・模擬テスト
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が想像しやすいでしょうか。これらが一点でも抜けてしまうと、入試や試験など大きな舞台で応用が利かなくなってしまいます。では次からは具体的なテクニックについてお伝えしていきます。
これまでの経験で、何か勉強をはじめようとして参考書をはじめとした書籍を買い、そのままで終わってしまったということはありませんか? これは「モチベーションが維持できなかった」ことが原因です。「本を買う」瞬間に、一番モチベーションが高く、そのまま右肩下がり……というパターンです。こうしたケースが多い人は、「参考書を使うときにいかにモチベーションを保つか」がポイントになってきます。ここでは「ふせん」を使った勉強方法をご紹介します。
<用意するもの>
参考書・教科書、3色のふせん(ここではピンク、黄色、白で例えます)
<手順>
▼参考書を購入した直後
参考書を買ったら、まずは全体を流し読みし、章(ジャンル)ごとで最初のページにふせんを貼っていきます。ここでは次のように理解度に応じて色を分けてふせんを貼りましょう。
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・ピンク色…得意分野、読んだらすぐわかる、興味あり
・黄色…時間をかければなんとかわかる、暗記が多い
・白色…まったくわからない、苦手分野
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このように3色にわけてふせんを貼ることで最初の時点で得意分野,苦手分野を明らかにしていきます。最終的にはこの時点で白色と黄色のふせんに貼られた章をピンクに変えていくことが目標です。
▼勉強をはじめたら
まずは参考書の第一章から順番に確認をしていきます。たいていの場合、勉強をはじめたばかりのときはモチベーションが高いのに加え、第一章は簡単な内容であることが多いので、最初は比較的スムーズに進みますが、途中で苦手分野に行き詰まり、挫折……というケースが多くなります。ここで重要なのは【参考書の中でモチベーションを保つこと】です。勉強中に飽きてしまうと、テレビや本、ゲーム、スマホなどでリラックス、ということも多いのですが、これだと勉強を再開するまでにかなり時間がかかってしまいます。
そこでおすすめなのが、行き詰まったら【ピンク色のふせんの章】に戻ってみること。その章の暗記や問題などを解き、自信をつけたところで、もう一度先程行き詰まった章に戻るのです。こうして、自分は勉強ができるという自信と勢いをもって再度進めていくのです。
黄色の章を続けて勉強をし続けることで、【自分はこの教科が全くできない】と思い込んでしまいます。そこで離脱しすると、かなりの確率でそのまま嫌いな科目になってしまいます。
まずは、3色のふせんを駆使して、ピンク色のふせんを増やすよう参考書を使い尽くしてみましょう。
次に紹介するのは文系の女性に多い「数学アレルギー」。数学の試験が無いから、数学が嫌いだから、文系を選んだという人も多くいます。 数学は冒頭に述べた「理解する」「覚える」「慣れる」の3点が他の分野に比べ特に大事です。ここで重要なのは「理解する」「覚える」を強化すること。数学はたくさんの問題を解く分野というイメージが強いのですが、理解・暗記が抜けてしまうと全く解けないという話になってしまいます。
では、この数学アレルギーを克服するために重要なのは「例え」です。他分野と比べて数学で易しい点は、忘れてしまった公式をテスト中であっても思い出すことができる可能性が高いということです。特に就職試験で課せられる数学の分野は中学生~高校入試レベルで、大学入試レベルの難題は出ることはほぼありません。
ではさっそく「例え」を使った数学の勉強方法をご紹介します。
SPIの問題で食塩水の問題が突然出題されたとき一瞬どうやるんだったっけ? と迷われる方も多いのでは。しかし意外とこの食塩水の問題は多く出ます。
そこで慌てるのではなく大事なのは「徹底的に簡単な例を思い浮かべること」。
例えば、100gの水に10gの塩を入れたら合計で110g。
濃度は全体量に占める食塩の割合なので、 10g÷110g ×100=9.09%(四捨五入済み)
濃度(%)=塩の重さ÷食塩水の重さ×100 が頭に入ったところで、これを入れかえ
塩の重さ=食塩水の重さ×濃度(%)÷100であることがわかります
こうして文字で羅列するだけだとわかりづらいのですが、今後「公式がわからない」「思い出せない」といったときには「そもそもどんな風に考えるんだっけ」と振り返り自分にとってわかりやすい数で「例え」をするみることで回避できるかもしれません。
3つ目に紹介するテクニックは「暗記」について。覚えるのが苦手だという人にとってみると歴史や英単語、就活で言うと、時事問題や一般常識問題は難題。こうしたときによく使われる「赤シート」はとても便利ですが、赤シートにもデメリットがあります。それは、「無意識のうちに順番で回答を覚えてしまう」ということです。
最初はもちろん問題に対しての回答を覚えていくのですが繰り返しシートを行っていると、順番で覚えてしまい、結局「単語そもそもの意味」を覚えていないということになりがちなのです。
暗記で必要なのは「五感を使うこと」。とにかく単語を何百回書いたり、口に出したり、言葉を使ったり……私は高校の定期テストのときには、学校の先生の授業を再現するように声に出して覚えていました。
私が意識をしていたのは、簡単に覚えられるということは簡単に忘れてしまうということです。
逆に言うと、時間をかけてしっかり覚えたものは簡単には忘れないということです。
最後になりますが、番外編としてノートのおすすめの使い方をお伝えします。書店や文具店に行くと様々なノートの使い方の本や、工夫されたノートが販売されていますが、個人的にはノートは二つのことを記録することが目的だと考えています。
一つ目は「メインのワード」です。教科書の太文字や、黒板に書かれていた語句と言い換えた方がわかりやすいでしょうか。
もう一つが雑学など「メモ」。先生が余談として語っていたエピソードや、雑学、覚えるためのコツなどを記録するためのものです。メインのワードを覚えるためのサポートの役割をしていると考えて下さい。
メインのワードは重要ではありますが、逆に言うと教科書や参考書など、どこにでも載っています。しかしメモ書きの部分は、先生独自の覚え方であったり、暗記するヒントであったりとオリジナルのものばかりです。こちらも併せてメモしておくことで学生時代は物事を整理し、覚えやすくなりました。
就職活動に置き換えると、メインのワードはニュースの事柄などに対して、メモ書きはそれが行われるまでのいきさつや裏話などを書いておくとより身近に覚えやすくなります。ぜひ1冊のノートを分割したり、2冊ノートを用意して使い分けてみてください。
いかがでしたか。勉強が苦手という人は、暗記や問題を解くのをできるだけ早く終わらせようとやや強引に進めていくケースが多く見受けられます。勉強は情報の整理と捉えることもできます。整理するにはやはり自分で理解しなければ、覚えられない、解けないにつながります。ぜひともこれらのテクニックを活用して、自分なりの勉強方法を見つけてみてください。