もはや大企業では当たり前ともなっている、インターンシップ制度。学生にとっては気になる企業で、実際に仕事や職場の雰囲気を体験できる貴重な機会です。では、現場の社員たちはどう思っているのでしょうか? 歓迎? それとも……めんどくさい?
JOBRASS編集部では、インターンを受け入れたことのある企業148名の社員に、「インターンを受け入れて良かった影響、悪かった影響」を聴いてみました。
1)フレッシュな気持ちになる、初心を思い出す
どの職場でも、期待と希望に満ち溢れた若い世代が入ってくると、上の世代は「自分もそうだったな……」と思い出すもの。毎日の仕事に追われがちだった自身を振り返るきっかけにもなるようです。
・ピチピチな感じ(男性/金融関係/35歳)
・フレッシュな気持ちを思い出せる機会になる(女性/総務・人事・事務/27歳)
・初心を思い出させてくれる(男性/営業・販売/39歳)
・初心を思い出す(男性/総務・人事・事務/39歳)
・基本にもどれる(女性/営業・販売/40歳)
・仕事への向き合い方を考えなおさせられる(男性/営業・販売/31歳)
2)社内が活性化する
社内の雰囲気が活性化するという声は多く見られました。「今年のインターンはどう?」なんて、社員同士の会話も弾みます。
・たるんだ空気が引き締まる(男性/営業・販売/41歳)
・なんとなくみんな緊張する(女性/広報・宣伝/29歳)
・活気があふれる(男性/公務員/28歳)
・職場の活力が上がる(男性/公務員/40歳)
3)社員の緊張感や意識が高まり、成長できる
2と近いのですが、より仕事に対する意識が高まるというもの。教育しなくてはならない、となると自分の仕事も頑張らなくてはいけません。
・職場に緊張感ができる(男性/営業・販売/35歳)
・マンネリ化の職場の雰囲気が明るくなります。教える立場の人間が、成長出来ます(女性/金融関係/39歳)
・自分の足りないところを気づかされた(男性/営業・販売/45歳)
・既存社員が教育に力を入れるようになった(男性/総務・人事・事務/38歳)
・勤続年数の低い社員たちの意識向上に繋がった(男性/営業・販売/36歳)
・社員の士気が上がる(男性/営業・販売/39歳)
・若い子がいると言うだけで上の者は襟を正す者が多かった。いい手本になろうとしていた(男性/営業・販売/39歳)
・若くエネルギッシュなものを入れることによる社員への刺激(男性/総務・人事・事務/37歳)
4)柔軟な思考
まだ会社、社会というものに染まっていない学生インターン。いろんな大人の事情はそっちのけで提案するアイデアが、社員には斬新と映ることも少なくありません。
・会社に染まっていない柔軟な思考(男性/出版・マスコミ関係/42歳)
・新しい発想が生まれる(女性/金融関係/27歳)
・身内ではない第三者の受け入れによる新鮮な意見に触れることができる(男性/企画・マーケティング/37歳)
5)社員に連帯感が生まれる
インターンを受け入れることにより、インターン配属部署だけでなく、例えば廊下ですれ違う他の部署の社員にも緊張感が生まれます。社員がインターンをチェックするのと同様、インターンだって、いろいろな社員をチェックするからです。そういったことで、社員全員が「採用」にかかわる責任感ももつことになります。
・連帯感(男性/営業・販売/42歳)
・全員が採用に参加しているという意識(男性/総務・人事・事務/40歳)
1)本来の仕事がすすまない
ダントツで多かったのがこれ。インターンに仕事を教えるために自分の仕事をする時間が減り、サービス残業をすることも……といったボヤきです。
・仕事が進まない(男性/総務・人事・事務/38歳)
・教育に時間がとられ過ぎる(男性/会社経営・役員/42歳)
・仕事が増える(女性/総務・人事・事務/27歳)
・事前に受け入れ先を調整したり説明したりで結構大変だった(男性/公務員/37歳)
・多忙時に相手をしてられない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/37歳)
・サービス残業の現実(男性/営業・販売/31歳)
2)うわさ話、異性のインターンに気をとられる社員が出てくる
次いで多かったのは、「今回のインターンは……」など、ざわざわすること。活気が生まれる一方で、何かと噂話が盛り上がってしまうこともあるようです。
・うわさ話(男性/営業・販売/43歳)
・何かとざわつく(男性/研究・開発/37歳)
・女の子がインターンにいると、そちらに気をとられる者もいたので始末が悪い(男性/営業・販売/39歳)
3)会社の情報を漏らす
インターンでは、会社の「現場」に足を踏み入れることになります。取り扱う情報には気をつけて! 「あそこの会社は●●らしい」など、テキトーなことをうっかりSNSに投稿するのも、もってのほかです。
・守秘義務漏洩(男性/金融関係/35歳)
4)来るインターンによっては現場の士気が下がる
やる気のあるインターンを受け入れると現場の活性化につながりますが、やる気がないインターンがやってくると、現場の士気もダダ下がり。インターン採用のときにはやる気がある感じだったので来てもらったら、実際は、日に日にやる気がなくなる様子をあからさまにするという学生もいるようです。「合格すればいい」とばかりに、面接のときだけいい顔をしていてもダメ。まあ、そんなインターンは次へのステップは望めませんが……。
・すぐに弱音をはく(男性/公務員/20歳)
・生半端な気持ち(男性/総務・人事・事務/38歳)
・無意味な時間を過ごしてきた感じの人が来ると雰囲気が悪くなる(女性/営業・販売/37歳)
・遊び半分、しかたなく……の様な方が来ると、やはり不満の声が上がり、社内がバラつきます(女性/金融関係/39歳)
良い影響もあれば、自分の仕事ができなくなるなど、良いとは言い切れない面もあるようです。そういったことを踏まえ、インターンに参加する学生は、「なるべく一度聞いたら覚える」「社員に手間をかけさせない」という意識があると、社員からも高評価をもらえるかもしれませんね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年5月13日~2016年5月30日
対象:企業のインターン受け入れ経験者 計148名