文部科学省と厚生労働省の調査によると、2016年3月に卒業した大学生の就職率(4月1日時点)は、97.3%で1996年の調査開始以来、最高値をマーク。リーマン・ショック前の2008年(96.9%)を上回っているほどです。
今年も引き続き就職率は良いのではないかとみられているなか、5月も下旬。経団連非加盟の企業や、ベンチャーでは選考最終段階に入っているところも出てくるなか、なかなか決まらない人も。面接で落ちてしまったときの切り替えは、どうすれば……?
Twitterには、
「朝から就活のこと考えると憂鬱…まだ準備してるだけで応募してないのに色々うまくいかんし後悔と不安しかない」
「まだ就活終わらないとか(´・Д・) なにやってるんだろうか、私は」
など、まだ終わりそうにない人たちからのつぶやきも。内定をもらえた人、まだ就職活動を続ける人、人によって明らかな差が出てくるのも今頃です。
採用面接をおこなっている出版社の男性社員(44)は、こう話してくれました。
「他人の動向が気になるかもしれませんが、自分は自分。これまで、一次面接でダメだったところの原因などをきちんと分析し、次に活かすことこそが大切です。
面接に落ちるのはキツイものですよね。ペーパー試験などと違って、「どこで落とされたか」がわかりづらいからです。理不尽なことはたくさんあるでしょう。でも、ほとんどの社会人が通ってきた道。自分が何か足りないのでは……と凹むよりも、むしろ企業の側から「こないほうがいい、他にもっと向いているところがある」と配慮されたと思いましょう。
これは一例ですが、非常に能力が高い学生がいました。学力や知識はもちろん、明るく、話も上手でコミュニケーション能力も抜群。でも、トップが最終面接で下した判断は不採用でした。これは、話を詰めて聞くうちに、その学生が『出版社の編集者といった、“他人のものを読む”仕事よりも、“自分で発信する”ほうが向く』のでは、と判断したからだそうです。編集者よりも作家、プロデューサーよりも歌手というタイプです」
「ただ、落ちるのには、相性というほかにも、理由があります。先の例でいえば、志望する編集者としての仕事に、その学生の理解が少なかったことも一つの理由でしょう。もちろん作家になりたい人が、少しでも文字の世界に近づくために出版社を受けるのはいいと思います。でも、そうだとしても、出版社、編集者の仕事に対する理解がないといけません。自分の能力や働き方だけをアピールする前に、大切なのは「そこで自分は何が求められるのか」ということを把握することがポイントです」
ところで、現在公開中のディズニー・アニメ『ズートピア』を手掛けたバイロン・ハワード監督は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオに入社するまで、同スタジオから計4回も不採用通知を受け、入社するまでに2年間かかったそう。
『ズートピア』では、ウサギ初の新米警官・ジュディが「ものごとは思う通りに進まない」という壁にぶつかりながら、決して諦めることなくトライし続ける姿が描かれます。面接に落ちてしまっても、企業、職種に対する研究はもちろん、自分なりに「何がいけなかったのか」を振り返って、次の面接に活かすこと。凹んでいる場合ではないのです!