履歴書を修正するのはNG、とはよくいわれること。「書いている内容に変わりはないのに……」という意見もあると思われますが、根強いですよね。普通の文書には使うものなのに、どうして履歴書に修正テープはダメなのでしょうか?
JOBRASS編集部では、全国の採用担当者246名に「履歴書の誤字を修正テープで修整する」ことはマイナス評価になるのかならないのか、アンケート調査をとり、気になるそれぞれの理由をきいてみました。
「履歴書の誤字を修正テープで修整する」ことはマイナス評価になる? ならない?
・特に気にしない 39.4%
・程度問題 4.9%
・絶対ダメ、ありえない 52.9%
・わからない 2.8%
その結果、「気にしない」という担当者は約4割。「ダメ」という担当者は過半数の約53%、「一箇所なら見逃すけど、複数になると……」「きれいに修正できていれば」など、程度や条件にもよるが、基本的にダメという担当者を合わせると、57.8%と約6割の担当者が「修正は好ましくない」と考えていることがわかりました。
では、それぞれの理由をみてみましょう。
マイナス評価ではないという人の意見は、大きく2つ。「紙の無駄」と、「誰でも間違うことはある」というものです。
なかには、
「間違えている字を書いているよりいいと思う」(男性・46歳)
「誤字をすることは当然あることだが、それを確認して気づくことも大切な要素であると思う」(男性・43歳)
など、“誤字をそのままにするよりも、気がついたという点を評価する」という声もありましたが、これらはかなり少数派でした。
1)紙の無駄
・なりません、無駄がないから(男性・55歳)
・書き換えるぐらいなら修正テープでエコでいい(男性・64歳)
2)間違いをすることは誰でもあり、人格とは関係ない
・評価に入れない、理由は 人格とはあまり関係ない(男性・67歳)
・関係ありません。誰でも字を間違えることはあります(男性・59歳)
・書き損じは誰にでもあるから仕方は無い(男性・48歳)
では、マイナス評価にされてしまう理由は? まず第一に、「正式(公式)文書では、鉛筆は(修正できてしまうので)ダメ」というポイントがあります。社会的に、公式文書を“修正”するということは、“都合が悪いことを隠した”とみられてしまってもおかしくないこととされるため、履歴書も、基本的に“下書きをして、緊張感をもって作成されるべきもの”と位置づけられているのです。
1)ビジネス常識が低い
・なる。ビジネス常識が低いと判断されても止むをえまい(男性・62歳)
・正式書類を修正テープで直すことはありえないと思いますが(女性・62歳)
・そんなのは履歴書とは呼びません。ただのメモ同然です(男性・62歳)
2)失礼
・礼をわきまえていない(男性・49歳)
・普段の書類とは違うので、人によってはマイナス評価をつけるので、修正テープは使わないのがベストです。初めての提出書類が履歴書ですから、自分の顔と思って修正しないのがいいです(女性・55歳)
3)準備不足、いい加減なやつだと思われる
・手間を省いてる感がとてもある(女性・24歳)
・適当な人という印象が(男性・46歳)
・杜撰さが大切な時に出る可能性がある(男性・69歳)
・注意深さに難点があると評価する(男性・71歳)
・集中力が足りない(女性・47歳)
・緊張感がない(女性・40歳)
・下書きをしていないなど、前準備の不足が感じられる(女性・37歳)
・いい加減な印象を受ける(女性・26歳)
・間違えを誤魔化そうと認識される(男性・37歳)
修正の数や丁寧さにもよる、という声もあります。
・綺麗に消せていればOK。雑なら低評価(男性・38歳)
・修正の仕方によってマイナスの対象になる(男性・69歳)
・一か所ならいいが、複数個所になるとマイナス評価となる(男性・67歳)
・修正方法が綺麗であれば良い(男性・37歳)
その他、「募集人数が多い会社ならマイナスとなると思う」(男性・51歳)と、“ボーダーラインにのったときに、落とすかどうかの判断材料になりうる”という意見や、修正方法について、「修正は二本線で消すか書き直す方が良い。会社の帳簿を修正テープで修正は困る」(男性・62歳)という声も。修正する場合、“二重線+訂正印”というのはビジネス常識で、これも“隠蔽しているわけではありません”ということを明らかにするため。
結局のところ、採用担当者によるとしかいいようはありませんが、やはり履歴書は、修正が不要なくらいきちんと下書きをして、緊張感をもって書いたほうが良さそうです。「読めればいいじゃん!」と思っていた人も、「ダメ」という採用担当者たちの理由を知ると、「書き直したほうがいいかな」と思うのでは?
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年3月10日~2016年3月15日
対象:企業の採用担当者 計246名