就活において、面接は避けて通れないもの。
基本的なマナーから定番の質問への
回答ポイントをまとめました。
最初の面接は誰だって緊張するもの。
初対面のオトナと会う。
人生を左右する日。
慣れないスーツ。
緊張しないほうが不自然かもしれません。
ただ、事前に準備をすれば安心。
どんな準備をしたらいいのでしょうか。
≪面接に「正解」はない!≫
面接に明確な「答え」はありません。
数学のように「たったひとつの答えが必要」ということはないのです。
だから、自分の言葉で素直に話すことが大切になります。
ちなみに、素直でいることは結果的に「入社後のミスマッチ」を防ぎます。
例えば、能力を誇張すれば、企業の期待もそのぶん大きくなりますよね?
せっかく入社したのに周囲との差が大きくて辛い……ということも起こってしまいます。
注意してほしいのは「自分の言葉で素直に話す」=「何も準備せずに面接に臨む」ではないこと。
また、自分の言葉で素直に話すといっても、あえて自分から評価が下がるようなネガティブな発言は控えましょう。
面接は自分を“アピール”する場なので、素直に、そしてポジティブに自分の良さを伝えられれば、面接通過に一歩近づきます。
では、素直でポジティブに自分のことを伝えるにはどうすればよいのでしょうか?
その準備として「自己分析」があります。
自分についてしっかりと認識していないと、良さを伝えることはできません。
過去に頑張ってきたことや、自分の性格について改めて見つめ直し、自己PRの素材をしっかり集めましょう。
≪面接の質問内容はどこに行ってもほぼ同じ≫
どの企業においても面接時に聞かれることはだいたい同じです。「長所と短所」や「自己PR」「学生時代頑張ってきたこと」などです。予想できる質問は対策をして臨むのがよいでしょう。基本的な質問に対する考え方は以下の通りです。
◆「あなたの長所はなんですか?」
長所は“強み”と言い換えることができます。長所をアピールする時には、あなたの強みを裏付けるエピソードや、そこを生かして何かがうまくいった具体的なエピソードがあると面接官に納得感を与えられます。企業によっては長所を2つ以上聞く場合もあるので準備しておくと安心です。
◆「あなたの短所はなんですか?」
短所を聞かれた場合、どのように答えれば良いかわからない、という悩みをよく耳にします。長所は短所の裏返し。例えば、粘り強いという長所は、柔軟性に欠ける頑固な性格という短所にもなりえます。同じような意味でも、違う言葉で表現することによって、長所にも短所にもとらえることができる、ということがヒントです。
また、短所を改善するためになにをしたか聞かれることも。これは、自分の短所と正面から向き合い、改善するために努力することができるかどうかを見ています。ポジティブな印象を与えられるよう、短所に対する改善案を考えておきましょう。
◆「1分間で自己PRをしてください」
自己PRとは、あなたがどんな人間であり、どんな強みを持っていて、これからどうしていきたいのかを端的に伝えること。つまり、「自己PRをしてください」と言われたら、自分の魅力と未来のイメージをアピールする時間なので、自分が企業でどのように活躍できるかを、具体的に話すことができると良いでしょう。
企業によっては、話す時間を指定されることもあるので30秒、1分、3分で自己PRの原稿を作っておくことをオススメします。ただし、自分が考えた原稿を暗記して、そのまま話すとどうしても早口・機械的になってしまいがち。面接官の表情を見て、しっかりと伝わっているかどうかを察しながら、ゆっくりはっきりと自信を持って話すことを心がけましょう。
◆「学生時代に頑張ってきたことを教えてください」
必ず聞かれる就活面接の王道中の王道。仕事はチームで取り組むのが基本なので、団体の中で周りを巻き込んで、あなたの強みを発揮したというようなエピソードがあると高ポイントです。ただし、その時のあなたの立場がリーダーである必要はありません。どんな組織にも、リーダータイプの人もサポートタイプの人も必要なので、自分が組織の中でどんな役割を担うことが多いのか、また、その時に自分の強みを生かしてどんな行動をするのかをアピールしてみてくださいね。
≪そうは言っても面接には慣れが必要≫
準備をしていっても、緊張はします。そのため、面接にはある程度の慣れは絶対に必要です。最も避けたいのは第一志望の企業の面接が最初になること。理想ばかり追い求め、人気度の高い企業の面接だけを受けるのは危険です。できれば、第一志望の選考よりも前に一社でも内定を取っておくと、そうでない場合に比べて大きな自信の差が生まれます。
上記のように、たくさん会社の面接を受けるとどんな質問がよくされるのか、どのエピソードの反応が良かったか分かります。業界や職種によってアピールする内容を変えることもテクニックの一つです。
そして、面接を受けた後はすぐに質問内容とその回答をメモしましょう。そうすることで、次の面接に生かすことができます。
私がこれまで、キャリアコンサルタントとして様々な学生を見てきた中で、最も効果的だった対策法は以下のとおり。ぜひ参考にして、面接に慣れていってください。
◆エア面接
エア面接とは自分だけで面接をすることです。1人でやるので他人の目を気にすることなく、練習に専念できるのがいいところ。
具体的には、ドアをノックすることから始めて、着席してから上記のような定番の質問に答えていきます。その時には、自分の話し方や声の雰囲気を客観視するためにビデオで撮影したり、ボイスレコーダーで録音したりすると練習の効果がアップします。意外と早口だったり、表情に自信がなさそうだったりするなど、自分のクセに気づくこともあるでしょう。
◆友達同士で面接し合う
友達同士で、“面接官役”と“学生役”に分かれて練習をしましょう。これは面接の練習になるだけではなく、面接官の目線を経験することができる点でも効果的です。その時は心を鬼にして、少し厳しく演じましょう。鋭い質問をされるとイライラすることもありますが、そこは割り切って。練習は本番のように、本番は練習のように取り組むことが重要です。
◆OBOG訪問の時に先輩社員に模擬面接をお願いする
OBOG訪問の際に、志望動機や自己PRの添削をお願いする人も多いと思いますが、ある程度関係性ができている先輩であれば、模擬面接もお願いしてみるのはいかがでしょうか。先輩社員の中には、採用の面接官を担当したことがある人もいるかもしれません。自分では気づかなかった視点や、アピールになることを社会人から教えてもらうことができれば、また一つレベルアップします。
面接にはいくつかのNGが存在します。
選考が始まる前に、“これだけはおさえておいてほしい”と思うことをご紹介します。
≪女性の身だしなみマナー≫
◆髪型
髪は基本黒髪です。ショートヘアーでもロングヘアーでもかまいませんが、お辞儀をしたとき、髪が前にかからないよう、ヘアピンや黒のヘアゴムできちんと整えましょう。
◆眼鏡
眼鏡は、派手なものやブランド名が目立つものより、できるだけシンプルな無地やワンポイントの眼鏡を選ぶのがベター。心配な人はコンタクトレンズをオススメします。
◆メイク
メイクが濃すぎるのはNGですが、地味なメイクも印象が暗くなるため注意が必要です。明るくて印象のよいメイクにしましょう。
◆スーツ
色は黒かグレーがベスト。面接前はスーツにしみがついていたり、スカートにシワができたりしていないかチェックしましょう。
また、ブラウスは白が基本で、袖は上着から5ミリ出るくらいが丁度良いとされています。襟が開きすぎていると印象が悪くなるので、女性は特に襟の開きすぎに注意しましょう。
スカートはタイトスカートが就活向きです。スカート丈は、膝が少し隠れるくらいがベストです。パンツの場合は、シンプルなストレートラインを選びましょう。
◆靴
靴は、黒のパンプスが基本で、ヒールは3cm〜5㎝のものがオススメです。靴は磨いて綺麗な状態にしておきましょう。
≪男性の身だしなみマナー≫
◆髪型・髭
黒髪や短髪が就活向き。長髪や乱れた髪型はもちろんNGです。寝癖でボサボサの髪になっていないか、事前に鏡でチェックしておくと安心です。整髪料を使うときは、つけすぎず適度な量に心がけてください。また、髭が生えて清潔感がないのは言語道断。伸びるのが早い人は、電気シェーバーを持参しておくとよいでしょう。
◆スーツ
色は黒かグレーで、自分の体型にあっているものを選びましょう。ボタンは、シングルの3つボタンが主流です。着るときは上2つのボタンを留めて、一番下のボタンは外しておきます。色つきや柄付きのワイシャツではなく、白のシンプルなものを選びましょう。ネクタイは青のストライプが最も無難です。ベルトは黒かダークブラウンの落ち着いたデザインのものが好まれます。
◆靴・靴下
靴はビジネス用のものを。サンダル・スニーカー・ローファーはNGです。靴は磨いて綺麗な状態にしておきます。靴下は、くるぶしソックスや色付きのものではなく、黒またはスーツと同色をセレクトしてください。短めの靴下は、着席すると地肌が見えやすいため、なるべく見えないように長めの靴下を選びましょう。
≪入室時の方法・挨拶のマナー≫
入室時は、第一印象を決める大事な瞬間。
ここでは、入室時の一連の流れを紹介します。
1.扉はゆっくりと開け、大きく元気な声で挨拶を。ノックや「失礼します」の一言がないまま入ったり、緊張しすぎて扉をバタンと強く開け閉めしたりしないよう注意してください。
↓
2.呼ばれたら、扉を3回ノック(2回のノックはトイレを連想させるため、3回が常識と言われています)。片手で少し開けてから、「失礼します」と大きく元気な声で言い入室しましょう。その後、面接官に対して斜めの姿勢で、両手でドアノブを握って扉を閉めると好印象を与えられます。
↓
3.扉を開けて、面接官と目が合ったら、笑顔でアイコンタクトをしましょう。ここで無愛想な顔をしてしまうと、第一印象が悪くなってしまいます。
↓
4.入室したら、面接官のほうを向いて「よろしくお願いいたします」と大きなはっきりした声で挨拶します。そのあと、45度の角度で一礼します。頭を下げたところで1秒間止めて、それから頭を上げると綺麗なお辞儀に見えます。男性の場合は、手を体の脇にそろえ、脇をしめます。女性の場合は、同じように手を体の脇にそろえるか、利き手を下にして体の前でそろえます。この時も、笑顔を心がけましょう。
↓
5.椅子の横に移動するときは、ドアの近い側を目安にします。椅子の横にスペースがなければ、椅子の前に立ちましょう。合図があったら、面接官を見ながら、「大学名・学部名・自分の名前(フルネーム)」の順で答えます。面接官が複数人いる場合は、全員に目を配りながら答えましょう。名乗り終えたら「よろしくお願いいたします」と言ってから、一礼します。
↓
6.着席の合図があったら、「失礼いたします」と会釈してから着席します。男性の場合は、足を肩幅に広げ、手は軽くグーを作って膝の上に。足の広げすぎに注意しましょう。女性の場合は、足を閉じて左手を上に重ねて膝の上に。左手を上にするのは、攻撃する右手を左手で押さえることで、相手に敵意がないことを表現する意味があります。
それでは面接開始です。
≪面接時に気をつけたい態度≫
座ることが多い面接では、座る姿も見られています。上半身は、立ち姿同様に背筋を伸ばし、背もたれからテニスボール1個分くらい空けて座りましょう。
面接では「聞く態度」も重要なポイント。話している面接官の顔をきちんと見て、軽くあいづちを打ちましょう。
また、自分の意見をまとめることに集中していると上の空になりがち。他の人の話も興味を持って聞くようにしましょう。そうすれば考えていた内容を先に言われてしまっても、「前の方と同じになりますが」などの前置きでフォローもできます。また、面接官にきつい質問をされた時など、嫌な顔や困り顔は減点です。何気ない態度が面接官の印象を変えてしまうことがあるので、最後まで気を抜かないように気をつけてくださいね。
面接は自分の魅力をアピールの場。
どんなに話す内容が良くても、小さい声・早口・棒読みでは思いを伝えることはできません。そこで、面接官の表情や呼吸を察しながら相手のペースに合わせて話すようにしましょう。話すときは常に「明るく元気よく」が基本です。
≪言葉遣いも見直しを≫
「食べられる」を「食べれる」と言ってしまう「ら抜き」言葉のように、誤って使ってしまう言葉は多く、また、はやり言葉や、略語、アルバイト先で使っているアルバイト敬語などに気をつけましょう。
学生言葉や、はやり言葉は無意識に出てしまいがちです。私的や自分的など「的」をつけるのは間違った言い回しです。また、「一応」や「それなりに」という言葉は一見誤った使い方には聞こえませんが“とりあえずやった”という、精一杯でない印象に受け取られてしまうため、誠意が伝わりません。そこでこれらの言葉の代わりに、「とても」や「非常に」という言葉に置き換えましょう。「~っていうか」「~みたいな」「ハマってる」などの学生の間で使われている砕けた言葉も使わないように。
また、面接官は学生の緊張をほぐすために、フランクに話しかけてくることもあります。だからといって、合わせてフランクに受け答えしてしまうのは考えもの。つい友達感覚で話してしまわないように注意してください。
うっかり使ってしまいがちな省略語にも注意が必要。たとえ面接官や他の人が使っていても、つられて使わないように、日ごろから口に出す前に言葉を一度心に留める習慣をつけておくと安心です。よく使いがちな省略後は、「ファミレス」「バイト」です。「ファミリーレストラン」「アルバイト」と略さずに言いましょう。また、その他では「携帯」や「卒論」も要注意です。略語を使うとそれだけで、あまり良くない印象を与えてしまうため気をつけてください。「シフト」や「クラブ」はイントネーションにも注意し、若者に特有の語尾を伸ばしたり上げたりしないように気をつけましょう。
日常的に使っている言葉やアルバイト先で使っている敬語も、実は間違っている言葉遣いがたくさんあります。「すごく嬉しい」という言葉は「とても嬉しい」に置き換えて。すごくという言葉は「すごく汚い」など悪い印象の時に使うことが多いからです。
≪退出時のマナー≫
入室だけでなく、退室も評価の対象。
退出時の振る舞いは、最後に印象として残るため、気を抜かないことが大切です。また、入室する時と同様に「失礼します」の一言がないことや扉の強い開け閉めはNGです。それでは退出時の一連の流れを紹介します。
1.面接官から終了の合図があったら、「はい」と大きくハキハキとした声で答えましょう。そして座ったまま「本日はお忙しい中、お時間を割いていただき、誠にありがとうございました」とお礼を言いましょう。そのあと座ったまま軽く一礼をして、立ち上がって椅子の横に立ち、「失礼します」といってから一礼をします。
↓
2.扉の前まで移動したら、振り返り「失礼します」とハキハキとした声で言ってから、一礼。片手でドアを開けて、部屋から出かけたところでまた面接官の方へ振り返り、ドアノブを両手で持ち直します。片手での開け閉めより印象が良くなります。
↓
3.扉を閉める前に、口は閉じたまま笑顔で面接官に軽い会釈をするととてもよい印象を与えるでしょう。この時も無愛想な顔はNG。部屋から出たら、大きな音がしないように静かに扉を閉めましょう。
就職活動で経験する面接の多くは最初に自己紹介をします。自己紹介とは、ただ大学名と名前を話すということではなく、面接官に興味を持ってもらうための自己PRです。面接の合否は“始めの段階で決まる”と言われることもあるので、面接官からの高い評価を得るためにもしっかり準備をして臨みましょう。
≪自己分析を行う≫
自分はどんな人間なのかを必ず分析しましょう。一人で行うもよし、家族や友人に聞くのもよし、先輩や社会人の友人に聞くのもよし、ありとあらゆる手段を使って、自分の「性格」「価値観」「モチベーション」などの人間としての軸を見つけてください。
以下では、私がこれまでに出会った何人かの学生が行っていた自己分析法を紹介します。
≪自分史を作る≫
自己分析の王道です。小学生ぐらいのときからの経験を洗い出すことが理想ですが、まずはこれまでの大学生活から振り返ると良いかもしれません。自分史を作ることによって、「これまでどんな活動をしてきたのか」「人生のターニングポイントで自分が何を感じたのか」「自分の興味があることの共通点は何か」などが分かります。
≪「なぜ?」を5回繰り返す≫
これまでの経験について、「なぜ?」を繰り返すことであなたの本質的な考えが分かります。
例:「私は旅行が好きだ」
1. なぜ? → 「新しい場所に行って人に出会うことが楽しいからだ」
2. なぜ? → 「自分とは違う暮らし方や考え方を知るのが好きだから」
3. なぜ? → 「いいと思ったことを自分に取り入れるから」
4. なぜ? → 「よりよく変わり、広い視点をもてる人になりたいから」
5. なぜ? → 「常に成長したいと思っているから」
上記のように、「なぜ?」を繰り返すことによって、旅行が好きな理由が、新しい物の見方を吸収して成長したい気持ちにつながっていると分かりました。この方法は長所短所だけではなく、「なぜそのサークルやアルバイトを始めたのか」などの質問にも応用可能なので、ぜひ試してみてくださいね。
≪モチベーション曲線≫
モチベーション曲線は自分が生まれてからの様々な活動の中で、いつモチベーションが高くなったか、またいつモチベーションが下がったかを折れ線グラフとして表す自己分析の方法です。企業によっては、面接時にモチベーション曲線シートを使って面接を行う場合もあります。この自己分析の方法では、いつやる気が出るのか、苦しいときにどうやって克服するのか、などのあなたの行動特性に気がつくきっかけになります。
(キャリアコンサルを担当していた学生が作ったモチベーション曲線)
≪他己分析≫
友達同士でどんな人間なのかを分析し合うことです。自分では気がつくことができない長所や短所などがわかります。特に、あなたがグループの中でどんな役割を担い、どのように行動するのかが見えてくるので、自分の特性を理解する上でとても効果的です。相手は、長い期間一緒に活動したサークルの仲間やゼミの仲間にお願いするのが良いでしょう。
他己分析のポイントは、本音で語りあうこと。当然、仲の良い友人の短所を指摘するのは、気が進まないこともあるでしょう。しかし、人間には必ず欠点があります。自分では気がつけない性格を“教えてもらえる”のも、“教えられる”のも友人だからこそできること。正直に話し合うことが、就活成功のカギとなるでしょう。
≪面倒でも原稿は準備する≫
自己分析をして自分について理解できたら、それらをまとめて面接で話す原稿を準備しましょう。この原稿は暗記すべきということではなく、書いて頭に入れるという作業が効果的です。文章をあらかじめ用意することで、ある程度の緊張はほぐれます。
原稿は30秒、1分、3分の3パターン程度あればどの面接に対応できるでしょう。
【文字数あたりの時間の目安】
30秒 → 100字〜150字
1分 → 250字〜300字
3分 → 750字〜900字
最初は30秒か1分程度で原稿を作ることをオススメします。自己紹介で、空気を読まずにダラダラと話し続けることはマイナスの印象を与えてしまうので、まずは1分以内で簡潔にまとめましょう。
そして、原稿作成のポイントはできるだけ話し言葉で作成することです。面接は学生のコミュニケーション能力を見る場でもあります。そのため、できるだけ話し言葉で作成するように心がけましょう。ただし、原稿を丸暗記してしまうと早口になりがち。完璧に準備することは、本番で緊張しないという点で大切ですが、丸暗記はせずにポイントを覚えて自分の言葉で話すことをオススメします。
≪端的に分かりやすく≫
面接の時間は限られています。緊張して、自分のことを多く語りすぎてしまう方がいますが、端的に分かりやすく話すようにしましょう。そうすることで、その自己紹介から面接官は質問を見出し、会話のキャッチボールが始まる可能性があります。
また自己紹介に関わらず、端的に分かりやすく話すときの第一のポイントは、質問の答えに対して結論から話すことです。
例えば、「あなたの長所は何ですか?」と質問された時は「はい、私の長所はチャレンジ精神です。その理由は……」のように、まずは質問に対して明確に回答しましょう。逆にダメなパターンは「私は◯◯サークルに所属しておりまして、その活動の中の△△の時に……」といった回答は、明確な結論から語らずに前提条件や具体的なエピソードから話してしまう悪い例です。
まずは何について話すかを一文で答える。そうすることによって聞き手はこれからどんな話がされるのか予想しながら話を聞くことができます。自己紹介の場合にも、「私は◯◯な人間です。」と言うように自分を表すキャッチコピーで始めてみるのも良いかもしれません。
第二のポイントは、話すエピソードをひとつに絞ることです。学生時代に頑張ったことが複数ある方は、自己紹介の場面でその全てをアピールしたいと思うでしょう。しかし、その全てをアピールするとどうしても内容が薄くなってしまいます。
「私はテニスサークルとスーパーのアルバイトとゼミ活動を頑張りました。それぞれテニスサークルでは代表としてメンバーをとりまとめ、アルバイトではバイトリーダーとして、売り上げを伸ばす様々な提案をしました。ゼミ活動では……。」
これでは、それぞれの活動の印象が薄くなってしまいます。端的にわかりやすく、自分はどんな性格で、どんな能力を持っているのかを伝えられるような自己紹介にしましょう。自己分析をしっかりと行い、話す内容の原稿を準備し、端的に話すことで、効果的な自己紹介をすることができますよ。
面接官に覚えてもらうには?
やはり、感じの良い学生は印象に残りやすい、と言われています。では、好印象を与えるにはどのようなことが大切なのか。また、どんな内容を話すと良いのかをお伝えします。
≪第一印象を意識する≫
まず、一番はじめに面接官が見るのは就活生の姿勢や表情。第一印象から良いイメージを持ってもらうことは、その先の選考にも関わります。常に自然な明るい笑顔を大切にしましょう。緊張してしまって笑顔どころではない、と思っている人も練習の時から表情に気をつけてみましょう。
次は、話す姿勢と目線についてです。姿勢が悪い、目線が明後日の方向をむいているなど、自分では真面目に返答しているつもりでも見た目の印象が悪いと面接官の心に言葉は響きません。ではどのような姿勢、目線が良いのでしょうか。好印象を与える姿勢は、足を肩幅くらいに開き、胸を張って姿勢を伸ばします。女性は足を閉じると姿勢が良く見えます。肩には力を入れず、リラックスした状態が良いです。この様な姿勢で座ることにより、全体的に落ち着いた印象、自信がある印象、明るい印象を与えることができます。
また、話をしている時の目線は、相手の目と合わせましょう。目の表情はとても印象に残るもの。うまく話が出来ていても、うつむいたまま話をしていては自分が伝えたいことは伝わりません。この人に仕事を任せたいと思ってもらえるよう、しっかりと相手の目を見て、仕事に対する意欲を伝えましょう。
面接官が複数人いた場合は、初めの挨拶・終わりの挨拶は全員の顔を見て挨拶しましょう。質問への返答は、基本は質問を出してくれた面接官の目を見て話し、2~3割程度の時間は他の面接官にも目を向けることも忘れずに。
≪ネガティブなことでも前向きに話す≫
面接官は、あなたという人間がどういう人なのかを知りません。そこで話す内容によって、面接官に与える印象は大きく変わってきます。まず、自分からマイナスな発言やネガティブな発言をしていくと損をしますので、口癖になっている人は気を付けましょう。
例えば、留年や何かを辞めてしてしまった理由を聞かれた時というのは、ネガティブな話をしてしまいがち。しかし、この質問の裏にあるのは、自分が留年をしてしまったことへの教訓を次につなげる反省ができているかという意図が隠れています。ネガティブなことを、ポジティブに話すのは難しいことのように思われますが、きちんと振り返りが出来ていればOK。「失敗から成長できた」「今後は同じ過ちを繰り返さない」といったことを伝えられれば、良い印象を与えることができますよ。
≪アピールのてんこ盛りに注意≫
次に注意すべき点は、あれこれとアピールし過ぎないこと。面接の場では、自分が出来ることをより多く知ってもらいたい、他人との差をつけたいという欲が出てしまい、ついつい自分のアピールをたくさん並べようとします。しかし面接官からは、何が一番出来るのか、何を主張したいのかが伝わっていない場合もあるので、自分のアピールポイントは一つに絞ることをオススメします。
本当に一つだけで大丈夫か? と不安にならないでください。多くのアピールポイントをずらずらと話すより、一つに絞って丁寧にアピールする方が、面接官に深く理解してもらえます。
以上――
面接であなたの良さを、効果的にアピールする方法をお伝えしてまいりました。
大切なのは、日ごろの生活から意識をして、態度や姿勢・話し方を見つめなおしてみること。面接のために、付け焼刃で取り繕ったのでは、あなたの真の魅力は伝わりません。
自分がどういう人間で、どんな良さがあるのか。
自己分析をしっかりと行い、事前に原稿を作り、練習をしてから選考に臨んでください。
あなたの就活成功を祈っています。
参考文献・参照元サイト
『2017年度版 ホンネの女子就活 センパイたちが就活中に悩んだこと』女子就活ネット編 実務教育出版
https://www.s-shiori.com/con2/archives/2013/10/5-23.html
https://shukatsu-happylife.net/10032015/1335.html
https://happylifestyle.com/13860