学生は、普段あまりフォーマルな革靴を履く機会がないでしょう。冠婚葬祭や入学式など、限られた場で少し履いたことがあるという程度の方が多いはずです。
何も気にせず適当に革靴を購入すると、見た目から評価を下げてしまうかもしれません。そこで、まずは革靴を正しく選ぶためのポイントを抑えておきましょう。
就活に限ったことではありませんが、就活マナーは大切です。「おしゃれは足元から」と言う言葉もある通り、靴は見た目を大きく左右します。また靴選びだけでなく、日頃からきれいに保つためのお手入れも必要となるでしょう。スーツも靴もビシっと決まっていれば、面接官からの印象が違ってきます。
革靴には、いくつかの代表的なデザインというものがあります。しかし就活時には、難しいことを考えず「黒のストレートチップ」もしくは「黒のプレーントゥ」のいずれかを選ぶと良いでしょう。ストレートチップとは、つま先部にキャップをかぶせたような、横に切り替えステッチの入った紐靴です。これに対しプレーントゥは、靴のつま先部に何も飾りがないタイプを表します。
この2種類は、ビジネスシューズの中でフォーマル性が高いものとされています。つまり、真面目できっちりしたイメージのデザインということです。就活時にはこの2種類から、色は黒に絞り込んで革靴を選びましょう。
就活中では説明会や面接など、毎日のように多くの移動が伴います。だからこそ、いくら歩いても疲れにくく、心地の良い靴を選ぶことが重要です。
靴選びは、就活必須のテーマです。足に良く馴染み、歩きやすいものでなければいけません。足に合わない靴を履いて歩き回れば、当然ながら靴擦れを作るなどトラブルを起こすでしょう。足に痛みがあれば、少し動くだけで大変です。慣れない靴はもちろん、安さ重視で選ぶと機能性が低く、すぐに疲れてしまいます。そして、足が疲れると血行が悪くなり、顔色にも影響を与える場合があるでしょう。面接時に「顔色が悪い」というのは、印象のうえで避けたい状況です。
では、靴の履き心地や歩きやすさを決めるポイントは何なのでしょうか。それは、靴底部分のしなやかさに関わりがあります。
靴底が硬過ぎると、歩く際に上手く体重移動ができません。これが、歩きにくさに繋がります。しかし靴底が柔らか過ぎると、今度は衝撃がそのまま足裏に伝わってしまい、疲れが溜まりやすくなってしまうのです。そのため、靴底の硬さは適度なバランスが重要。実際に手に取り、靴底部分を折り曲げるなどして確かめてみましょう。簡単に曲がってしまう柔らかいもの、曲げようとしてもびくともしないものは、いずれも避けた方が無難です。
革靴は1日履くと、汗や湿気をかなり吸収します。その水分を蒸発させるためには、1日休ませる必要があります。同じ革靴を履き続けると靴自体が痛み、また、汗や湿気の影響で臭いがしてついてしまうこともあるでしょう。そのため、革靴は2足以上持っておくことをおすすめします。社会人になってからも使える靴ですから、結局は靴の長持ちにも繋がるはずです。革靴を履き終えたら、風通しの良い場所に置いて少しでも水分を蒸発させましょう。
革靴のお手入れといえば、特に重要なのは「靴磨き」です。普段は靴ブラシをかけるだけで十分ですので、履くたびに靴ブラシをかけましょう。尚、靴用ブラシには大きく分けて馬毛と豚毛の2種類があります。馬毛は毛が柔らかく、普段のホコリ落とし等に向いています。一方で豚毛は毛が硬く、靴クリームを塗った後のクリーム落とし等に向いていたブラシです。用途に応じ、使い分けると良いでしょう。
ブラシがけと同様に、まずは靴に付着している埃や汚れを落としておきましょう。次に、靴の汚れや古い靴墨を、汚れ落としで落とします。古布等につけて、靴全体を軽く擦ってあげましょう。あまり強くゴシゴシ擦ると、色落ち等の恐れがあります。
靴クリームの色は、無色(ニュートラル)があればどの色の靴にも使えます。色付きの靴クリームを使う場合、靴の色より薄い色を選びましょう。そうしないと、靴の色が濃くなってしまいます。靴クリームを塗ったら、クリームが革全体に浸透するまで30分ほど待ちます。それからブラシをかけ、靴クリームを落としましょう。ブラシを丹念にかけると、皮の表面のツヤも出てきます。
最後に仕上げ磨きを行えば、新品同様に艶が生まれるでしょう。尚、仕上げ磨きには専用の布や革、グローブ等がありますが、不用になったパンティストッキングでも代用可能です。
就活生はスーツにこそ気を配るものの、足元はつい疎かにしがちです。しかし企業は、就活マナーの隅々までしっかり見ています。誰もが見落とすポイントだからこそ、しっかり靴選びやお手入れが出来ていれば、好印象を持ってもらえます。革靴は社会人になってからも長く使えるものですので、よく考えて選んでください。