皆さんの中には、アルバイトなどですでに「実社会」を肌で感じたことのある人も多いはず。いわゆる「大人の事情」といった、なんだかよくわからないけど大人ならではの「これはこうしなきゃいけない」空気を感じたことがあるのでは?
多くの新社会人にとって、実社会と学生時代との最大の違いを感じるのは会社内での対人関係のようです。実社会での対人関係とは「友人関係」ではなくあくまで仕事を一緒にすすめていくうえでの人間関係であり、苦手な人とでも一緒に仕事をして成果を出さなければならないという厳しい義務が課せられます。上司や同僚と最低限の礼儀を守り、コミュニケーションを潤滑にして、仕事がしやすい環境を整える必要がありそうです。
社会に出る準備をしている皆さんへ――
今日は、ここで就活後も役立つ新入社員の処世術を学んでください。
新社会人の基本は、明るく元気であること。別に体育会系風になる必要はありませんが、原則として誰にでも笑顔で接し、相手の顔を見てハキハキと話しましょう。
注意された時はしっかりと反省し、態度にも示した方が良いですが、それをいつまでも引きずって落ち込んではいけません。上司や先輩から「あいつは根に持つからうかつに注意できない」などと思われると、仕事をしっかり教えてもらえなくなる可能性があるからです。
新人にとって「接しやすい」という評価は、「それだけで上司や先輩に可愛がってもらえるアドバンテージになる」ということですね。
新人は右も左もわからないのが当たり前。わからないことは何でも上司や先輩に尋ねてひとつひとつ覚えていかなくてはなりません。
しかし教える側にとっては、「部下や後輩に仕事を教えている時間の分だけ自分の仕事時間が削られる」という厳しい現実があります。上司や先輩もそれぞれ多くの仕事を抱えており、「部下/後輩を指導していたため仕事が遅れました」という言い訳は通らないのです。このため、度重なる質問にイライラしたり、中には怒りを爆発させたりする人もいます。
こういう事情を知れば、「教えてもらって当然」「上司は教えてくれるのが当たり前」といった姿勢がいかに間違っているかがわかるでしょう。
「こんなことがわからないの?」「何回同じことを聞くの?」などと嫌味を言われることもあるかもしれません。そういう際には素直に謝りましょう。
しかし、またわからないことがあれば何度でも「申し訳ありませんが、また教えてください」と立ち向かう強さも必要です。もちろん真剣に耳を傾けてよく理解するようにし、一度教わったことはしっかりメモを取るなどして誠意を尽くすことは忘れずに。
また、たとえ嫌味まじりと感じても、教わったことに対しては「ありがとうございます」と感謝の意を伝えなくてはなりません。
そういう姿勢を崩さなければ確実に少しずつ仕事が身につき、周囲もあなたのことを認めてくれるようになるはずです。
上司や先輩から注意されたことや叱られたことは、必ずしもそれが100%正しいとは限りません。企業の中では様々な背景や事情があり、先輩たちがそれらを踏まえてアドバイスをしてくれるケースもあるでしょう。学生の立場から見ると疑問に思ったり、納得がいかなかったりするかもしれません。まずは一度受け入れて、やってみた上でそれでも疑問に思ったことは先輩に相談してみてください。お互いに本音の話ができるキッカケになるかもしれません。ただ、教えてもらったことを受け入れもせず、返事だけでスルーしてしまうと先輩もガッカリしてしまいますし、体験しないまま反論してもなかなか先輩に響きません。まずは向き合うことを心がけてみてください。また、ONとOFFを切り替えたり、気分転換をする方法を見つけたりし、心に余裕を持つことは社会人にとって非常に重要なスキルです。
「まだまだ先のこと……」と思っているかもしれませんが、今のうちから意識しておいて損はありません。少しずつ慣れていってくださいね。