メールでの連絡は、相手との距離を近く感じられるがゆえに、友だちに書くような調子で採用担当者にも書いてしまう人は少なくないようです。採用担当者のなかには、キッパリ「印象はよくない」と言い切る人も。面接の前にそれだけで落とされてしまったり、せっかく選考がすすんでいても、メールの書き方がマイナスポイントになってしまったりするかもしれません。
JOBRASS編集部では、採用担当者106名に、学生の「イマドキっぽい」メールの書き方についてアンケート。多かったのは「顔文字」「学生言葉」などでしたが、集計してみると、学生誰しもが日常的にやっていそうなアノ書き方もマイナスポイントであることが判明。さて、その書き方とは……!?
顔文字は、ビジネスメールに不要。学生という立場から、採用担当者に“親しみ”というのは、かえって失礼な態度にあたります。また、「クライアントに対して馴れ馴れしく使ってしまうと、社として恥ずかしいケースもある」という危惧もあり、総じて好印象ではないようです。
・顔文字多発(男性/公務員/45歳)
・顔文字を平気で使う(女性/コンサルタント/41歳)
・顔文字!(^^)!を必ず入れる。合否に影響するほどではないと思いますが、ビジネスメールではあまりよくないと思います(男性/その他/45歳)
・顔文字があるメールがある。採用してもお客様に対して顔文字を使うかもと思ってしまうのでかなりのマイナスです(男性/出版・マスコミ関係/42歳)
・顔文字や絵文字など。言葉で表現できない幼稚さを感じる(男性/営業・販売/31歳)
・ビジネスメールに対して顔文字や絵文字を含んだメールを送ってくる学生が少なくない。そういった学生には評定が厳しくなる(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
タメ口、口語、略語なども厳禁。互いのことをよく知っている友だち同士ならいざ知らず、社会的なマナーが欠けていると判断されます。
・タメ口を使ってくる(女性/その他/38歳)
・「~っす」をメールで使う人(男性/その他/31歳)
・ちーす(男性/営業・販売/32歳)
・「!」を使用した場合は基本的にNGとしています(男性/公務員/41歳)
・「....」という文字が入っているのには驚く。合否には大きくは関係しないが、多用するとNG(男性/総務・人事・事務/42歳)
・「では」ではなく「じゃぁ」といれられたとき(男性/その他/47歳)
・「ます~」や「です~」と意味もなくメールの文で伸ばす人。そういう人は地頭が良くないと判断し見送る可能性は低いです(男性/営業・販売/36歳)
・盛る、かぶるなど、口語を使う(男性/研究・開発/43歳)
・ら抜き言葉。「言う」を「ゆう」など。頭が悪そうに感じられ、合否に影響する(女性/その他/41歳)
短文投稿のSNSに慣れている影響からか、「文章が短い、主語がない、雑」といった印象をもつという声が多数みられました。「○○様」といった書き出しに加え、文章は主語、述語をきちんと整えたうえで、自分が何を言いたいか明確に伝えられるようにしたいものです。
・とにかく文章の内容が雑。短く終わらそうとしている印象が伝わってきて不愉快(男性/総務・人事・事務/40歳)
・語尾まではっきり表現しない(男性/総務・人事・事務/45歳)
・主語と述語がハッキリしない(男性/総務・人事・事務/42歳)
・主語のない文が多い。印象はよくない(男性/公務員/44歳)
・手紙に近い書き方ではなく、LINEに近い書き方が多くなった。つまり、あいさつも何もなく用件だけを伝える学生が増えてきたような気がする(男性/会社経営・役員/46歳)
これもSNS時代の影響でしょうか。やたら改行されていたり、行間が多かったりして、読みにくいという声も散見されました。
・行間を空けすぎるメール(男性/コンピュータ関連技術職/33歳)
・LINEに慣れているからか、まとまった内容でも改行し、改行の間も広いです。内容が整っていれば合否にはさほど関わりませんが、プライベートと仕事の文章を使い分けられるようになって欲しいです(女性/公務員/30歳)
・改行が多いため、結果として文章量が長くなる(男性/営業・販売/45歳)
・改行が多かったり文章にまとまりがなかったりすると、あまり良い印象にならない。合否は総合で判断する(女性/その他/33歳)
・改行が多く、1文が短文(女性/その他/40歳)
・無駄な改行は悪い評価(男性/総務・人事・事務/35歳)
雑な文面はもってのほかですが、いかにもマニュアル文をコピーしましたという文面も、採用担当者を鼻白ませてしまいます。
・マニュアル文章をコピーしている様子が散見されます(男性/総務・人事・事務/42歳)
・無駄なあいさつ文が多い(男性/その他/32歳)
顔文字、学生言葉だけでなく、「行間」「改行」といったちょっとしたポイントでも、採用担当者に与える印象は大きく変わるのですね。合否については会社の考え方それぞれですが、ある男性(出版・マスコミ関係/49歳)は、
「合否に関係するかどうかは場合によると思います。どちらか一人だけという選択になった場合はそのメールがマイナスポイントになる可能性は十分にあります」
と話してくれました。メールといえど、相手に内容を伝えられればOKというものではありません。書き方に自信がない人は、いちどきちんと研究しておくと良いでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年2月10日~2017年2月17日
対象:企業の採用担当者 計106名