社会人同士のメールで、本題に入る前によくつける挨拶「お世話になっております」。一見丁寧に思える挨拶ですが、まだ社会人になっていない学生が使うことについて、なかには「まだお世話していない」と内心ツッコミを入れている社会人もいるようです。
JOBRASS編集部では、採用担当者106名に、まだ採用していない段階の学生がメールのあたまに「お世話になっております」ことについてどう思うかアンケート。すると、「つけるべき」という担当者と「つけなくてもいい」という担当者の割合は、ちょうど半々という結果になりました。「結局どうしたらいいんだよ……」という就活生のボヤきが聞こえてきそうですが、今回編集部では、担当者の意見とともに「こうしたらいいのでは?」という例もご紹介します。
【メールの頭につける「お世話になっております」。まだ「お世話」していない段階でも学生は「お世話になっております」をつけるべきだと思いますか?】
・つけるべきだと思う 50.0%
・つける必要はないと思う 50.0%
■定型文
「つけるべき」だという担当者の意見のなかで、もっとも多かったのは「定型句のようなもの」という声「いきなり本文というのも変なので、無難」(男性/コンピュータ関連技術職/40歳)という見方です。
・ある意味、定型語だと思うので(男性/営業・販売/31歳)
・とりあえずという意味で当たり障りのないよう入れていた方が無難かと思う(男性/営業・販売/36歳)
・なんとなくあった方が、印象が良い(男性/研究・開発/48歳)
・挨拶のようなものだから(男性/金融関係/48歳)
・決まり文句なので(女性/総務・人事・事務/41歳)
・社交辞令なので(男性/出版・マスコミ関係/42歳)
・様式美。特に省く必要も理由もない(男性/その他/46歳)
・面接の際につける「お世話に」とは、「本日はお時間を割いて頂きありがとうございます」と同義だと思う(男性/コンピュータ関連技術職/33歳)
■就活生と関わっている時点で、すでに企業側は「お世話」をしている
メールをやりとりするという時点で、それが初めてであっても“すでに何らかの接点が生まれている”と捉えるため、「お世話になっております」でも違和感はないという意見。
・受験段階ですでにお世話(男性/その他/43歳)
・対応をしていることがお世話になっていること(男性/公務員/46歳)
・採用活動で関わっている時点で多少お世話していると思います(女性/その他/38歳)
■お世話になるという姿勢がみられ、好印象
“これからお世話になる”という意欲のあらわれとみる担当者もいました。
・お世話をしてもらえるのを望んでるとおもえるから(男性/研究・開発/41歳)
・面接をしてもらう、この先面倒を見てもらうという思いが伝わるので、つけてくれるだけで印象が良いです(女性/公務員/30歳)
・一度会った人物や、お世話になる時の前文を入れるのは、礼儀だから(女性/その他/33歳)
■まだ「お世話」をしていない段階では不自然
顔を見たこともない人からの「お世話になっております」に戸惑う担当者も少なくないようです。
・あまり世話になっていないから(男性/公務員/36歳)
・お世話してないから(男性/会社経営・役員/36歳)
・これからお世話になるのであって、現時点はまだお世話になっていない(男性/会社経営・役員/49歳)
・まだお世話になるか否かわからない(男性/総務・人事・事務/42歳)
・ビジネスの場においても、新規の取引先にはお世話になっておりますはつけない(女性/コンサルタント/35歳)
■まだ採用していないので不必要
「お世話になっております」はあくまでも“社会人になってから”使うフレーズであり、学生が使う必要はない、という考えも散見されました。
・まだ学生なので必要ない(女性/コンサルタント/51歳)
・まだ企業と面接者の関係だから(男性/コンピュータ関連以外の技術職/42歳)
・まだ採用してないので(女性/その他/40歳)
・会社に入ってからの言葉だと思う(男性/営業・販売/41歳)
・社会人になってから使えばよい(女性/企画・マーケティング/43歳)
・面接なので。お得意様ではない(男性/営業・販売/49歳)
■マニュアル的で白々しい
せっかく丁寧になるかと思ってつけても、逆効果になることも!?
・しらじらしく聞こえる(男性/広報・宣伝/43歳)
・とてもマニュアル的で嫌(女性/その他/42歳)
・まだお世話もしていない段階では、やはり違和感。何も考えずにその言葉を使っているように思う(男性/出版・マスコミ関係/49歳)
・馴れ馴れしい(男性/総務・人事・事務/43歳)
・お世話はしていないから。かえって腹が立つ(男性/その他/45歳)
以上から、「お世話になっております」は定型句ではあるものの、学生がまだ会ったこともない人に対して使うことには違和感を覚えるという担当者がいるのも確かなようです。その他「『先日はありがとうございました』が良いと思う(男性/会社経営・役員/46歳)など、社交辞令ではない言葉を期待する声も見受けられました。
というわけで、二度目からは「お世話になっております」でもOKですが、最初は“これからお世話になる”ことについての表現として、「お世話になります」など、なんらか他の表現も検討してもいいかも。いずれにしても“いきなり本文”ではなく、挨拶に一工夫加えると、採用担当者の印象にも残りそうです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年2月10日~2017年2月17日
対象:企業の採用担当者 計106名