就活で志望企業に関する生の情報を得るために、OB・OG訪問は欠かせない活動です。しかしもちろん、先輩が働く会社へ突然訪問するわけにはいきません。まずは、先輩たちにアポイントメントを取りましょう。とはいえ毎日忙しく仕事している相手ですから、電話を掛けるのもためらわれます。そのため、メールを活用するのも1つの方法です。
もし対面で会うことができなくても、メールを活用すれば、そのやり取りから貴重な情報を手に入れることもできます。またメールはOB・OG訪問だけでなく、採用担当者との連絡に利用することもあるでしょう。
メールは、恐らく多くの就活生が日常的に使用しているはずです。しかし友達相手のメールと同じように考えていると、失礼に当たるかもしれません。あくまで相手は社会人。ビジネスマナーに則ったメールでのやり取りが求められます。
いったい何に気をつければ良いのか。それを知るためには、反面教師として失敗例から学ぶのが一番です。ここでは5つの失敗例を挙げておきますので、同じような事態を起こさぬよう注意してください。
1)フリーメールを利用してメールを送ったのに、いつまでも返信が得られなかった
フリーメールを利用する場合、企業側のサーバーがスパム等と判断してシャットアウトする可能性が高まります。仮に相手のメールボックスに届いたとしても、アドレスを見て「知らないアドレスだし、フリーメールだからスパムだろう」と思われてしまうかもしれません。そのため就活メールには、大学から配布されているメールアドレスを使用するのが無難です。
2)メール本文に自分の所属を書かず、用件だけを記述してしまった
友人とは異なり、相手は自分のメールアドレスを知りません。そのため、メール本文には必ず「自分がどこの誰なのか」を書きましょう。大学名が記載されていれば、就活生なのだろうと相手からも予測してもらえます。
3)何の挨拶もなく、全て質問攻めの内容で失礼と感じられてしまった
親しき仲にも礼儀あり。メールではまず時候のあいさつ、そしてメールを送った理由を記述してから本題に入るように心がけましょう。
就活について質問する場合は、あらかじめ自分なりによく調べてください。調べれば分かるような質問は、相手にとって時間の無駄と感じられてしまいます。OB・OGへのメールなら、働いている方でないとわからない事柄に限定するという具合です。とはいえ、漠然と「会社の雰囲気どうですか?」などと聞くのもNG。相手が答えやすいよう、具体的な質問にしましょう。
4)自分の都合で、勝手に物事を決めてしまう
友達同士のやり取りでは、もしかしたらよく自分が主導権を握っていたかもしれません。しかし相手が社会人となれば、やはり相手の立場をよく考えることが必要です。
例えばOB・OG訪問を申し込む際に、「◯月◯日の△時に会ってください」などと打診するのは失礼に当たります。相手は毎日のように忙しく仕事に取り組んでいる社会人。まして、こちらは時間をいただく側です。相手の都合を優先させ、「ご都合の良い日を教えて下さい」などと聞く配慮が欠かせません。
5)メールへの返信が遅くなり相手を苛立たせてしまう
メールの返信は迅速に。友達同士なら「忘れていた」で済むかもしれませんが、社会人相手ではそうはいきません。相手も忙しい合間で、こちらのメールに対応してくれています。“待たせる”ということは、失礼だと認識しましょう。
また、例えば相手から返信があった場合、必ず何かしら返信することを基本としてください。例えば質問への回答が戻ってきた際、そこでメールのやり取りを止めるのは失礼です。一言「ありがとうございました」だけでも、必ずメールを返すようにしましょう。
メールは顔も見えなければ、声も聞けない一方的なコミュニケーションです。その場で聞き直すこともできず、だからこそ相手が答えやすく、こちらの求める返答が的確に得られるようなメール作成が大切です。
また、就活生によく見られるのがメール設定の不備。「署名が無い」「件名が書かれていない」「送信者名がニックネーム」など、ビジネスメールとして相応しくない部分がないか確認しましょう。特に日頃から友達とのやり取りで使っているメールアドレスの場合、こうした不備が起こりやすくなります。
もし会ったことのない相手ならば、なおさら慎重になりましょう。メール文から読み取れる雰囲気、そして対応が、そのままあなたへの第一印象になってしまいます。例えばこれからOB・OG訪問で会う相手に対して失礼なメールを送ってしまえば、いざ話を聞く段階で、相手はあなたにあまり情報を明かしてくれなくなるかもしれません。場合によって、そのやり取りや印象は採用担当者に共有されている場合もあるのです。
今や学生にとっても身近なコミュニケーション手段であるメール。便利な反面、就活においてはさまざまな失敗のリスクがあることが分かっていただけたでしょう。何より相手側の立場で考え、失礼のないやり取りを心がけてください。