これから就活するという学生に多い疑問が、就活時、スーツに合わせる靴について。「ただでさえスーツで出費するのに、靴までも買わなくてはならないのでしょうか。黒ければ、革靴ではなくて、スニーカーやナイロン素材のものなどでも良くないですか?」とは、ある大学生・A君の声です。
JOBRASS編集部では、企業の採用担当経験者231名に、就職活動時の格好として、“革靴ではない靴”は「アリ」か「ナシ」か尋ね、「ナシ」という場合にはその理由を教えてもらいました。
【就職活動時に、革靴ではない靴を履くのはアリ?ナシ?】
・アリ 29.3%
・ナシ 70.7%
「ナシ」という担当者が7割を超えました。では、それぞれの理由は?
■社会人としての常識、マナーがないと思われる
面接に正装で臨むのは、企業に対する礼儀、そして真摯な姿勢をあらわすため。「そういう学生は緊張のないラフな社会というか気ままに生きれば良い。自分の一生をかけるかもしれない時には正装して臨むべき」(男性/研究・開発/48歳)という厳しい声も。
・常識外れの行為だから(男性/総務・人事・事務/35歳)
・ビジネスマンの心構えとして当然(男性/会社経営・役員/45歳)
・身なりに相応の気を遣うのは社会人としての基本(男性/その他/42歳)
・TPOを考えると、面接の場ではフォーマルな服装が好ましい。カジュアルな服装ではマイナス評価の対象になり、結局のところ本人のためにならないと思う(男性/営業・販売/48歳)
・最低限のマナー(男性/コンピュータ関連以外の技術職/42歳)
■だらしない、本気度が伝わらない
「普通に、スーツにスニーカーはおかしい」「常識知らず」など、本気度を問う意見も多数。
・スニーカー=レジャー(男性/その他/47歳)
・スニーカーは遊び用(男性/総務・人事・事務/42歳)
・だらしない(男性/その他/47歳)
■身だしなみは足元から
足元だから目立たないかと思いきや、全身の身だしなみは足元が印象づけるもの。細かいところに気を配ってこそ、「きちんと感」を伝えられます。
・やはり就職活動は身だしなみ等、第一印象が大切なのでスーツに革靴がふさわしい(男性/その他/41歳)
・足元を見てすべてをイメージされがちなので最低限のエチケットの範囲以内(男性/研究・開発/42歳)
・本気度が足元に表れるから(女性/その他/38歳)
■悪目立ちする
どんなに面接での受け答えが良かったとしても、「スーツにスニーカーということは、もしかしたら面接対策が“上手”なだけで、実は常識がなく、採用したら危険かも……」という判断が、無きにしもあらずと明かす担当者もいました。
・そういうところで悪目立ちしないほうがよい。無難に革靴が良い(男性/公務員/47歳)
・つまらないことで、目立つような行為は避けた方が安全だから(男性/その他/45歳)
・逆に、わざわざ他人と違う事をする意味が分からない(男性/営業・販売/42歳)
・協調性に欠けると思われるから(男性/研究・開発/41歳)
■仕事を任せられないと判断される
「これくらいいいだろう」という“甘さ”が、仕事にも影響するのではという見方をする担当者もいました。
・きちんとした靴さえ履けない学生にまともな仕事はできない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
・客先に行くときも平気でそのような格好で行く人だと思ってしまうのでアウト!!(女性/総務・人事・事務/42歳)
・「それぐらいいいだろう」は企業にとって死活問題(男性/営業・販売/49歳)
・大きな企業であればあるほど、顧客から厳しい目で見られる。そのため、採用面接時に通常から外れた行動を取る人は、採用後現場でも扱いにくい人・問題を起こす人になるのではないかと心配になる。通常から外れた外見の人は、入室後に即『不採用』となる可能性が高い(女性/その他/39歳)
■清潔感があればOK
「アリ」という担当者でも、こだわりたいのは「清潔感」。「靴の素材にはこだわりませんが、結果的にスニーカーが汚れて見えやすいということは、念頭に置いておいたほうがいいかも」(女性/事務/37歳)というアドバイスも。
・清潔ならば良い(男性/総務・人事・事務/46歳)
・楽な靴でも良いが、清潔感だけはキープしてほしい。やる気と靴には因果関係はないと私どもでは考えています。但し、清潔感が失われる様な靴は問題外(男性/会社経営・役員/49歳)
■靴で能力は判断しない
能力次第、という意見も少数ながら存在します。
・中身が大事(男性/総務・人事・事務/43歳)
・内面で採用したいから(男性/その他/41歳)
・本人次第(男性/営業・販売/46歳)
・個性だと思うから(男性/会社経営・役員/47歳)
その他、「一部のアパレルやIT系でカジュアルなところであれば良いと思うが、通常はNG」(男性/コンサルタント/43歳)など、企業にもよるという声がありました。黒い革靴は、これまでは縁がないものかもしれませんが、社会人以降のことを考えると、冠婚葬祭のためにも、一足持っておくと便利ですよ。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年9月16日~2016年9月26日
対象:企業の採用担当者 計231名