自分自身と真剣に向き合う数少ないこの機会を、どこまで手を抜かずに楽しんでできるか。
氏名:Y.Y.
出身大学:慶應義塾大学 商学部
志望業界:広告、テレビ、不動産
説明会参加:25社
先輩訪問:30人(広告18人、テレビ5人、メーカー3人、不動産2人、損保2人)
エントリーシート提出:10社
面接:8社
内定:2社(広告2社)
活動費用:約100,000円(交通費50,000円、外食費30,000円、参考書代5,000円、証明写真代7,000円、送費1,000円など……就活の空き時間は常にカフェで、その日聞いたことをまとめる時間として活用。ちょっと根を詰めてるな、というときは友達を誘い、積極的に飲み会をして気分転換を図っていました)
・1度目の就活
【大学3年生12月】OB訪問や説明会へ行く。
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【大学3年生1〜4月】OB訪問と説明会を続けながらも、とにかくES。徐々に面接も始まる。
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【大学4年生4月】15卒面接が本格化。
・2度目の就活
【大学4年生7月】16卒インターンシップに参加。
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【大学4年生3月】就職留年を決意。
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【大学4年生4月】2度目の就職活動が本格化。
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【大学4年生8月】第一志望の会社から内々定を頂き、就活を終了。
――まずは自己分析についてお伺いいたします。どのような方法で自己分析を行いましたか? 具体的な方法を教えてください。
自己分析で僕が何よりも大事だと思うのは、人に見てもらうことです。もちろん、見てもらうためには、自分自身である程度形にする必要があります。僕がまずやったのは、小学生時代からの思い出せる出来事をひたすら書き出すことでした。そこから人生のターニングポイントを見つけて、自分はどんな人間なのかを分析しました。
僕の場合、負けず嫌いな自分の性格のルーツは、子供のときに視て、TVゲームもしていた『筋肉番付』という番組にあると気付きました。それがわかったときは、就活の自己分析と関係なく楽しかったです。自己分析は基本的につまらないものですが、工夫して楽しんだもの勝ちだと思いますよ。
――なるほど、負けず嫌いな性格のルーツは『筋肉番付』だったんですね。笑 実際、就活生の皆さんの中にも、幼少期に見ていたテレビ番組やマンガなどから大きな影響を受けてる方が多いかと思います。ちなみに、自己分析をある程度完成させたあと、どのような人にお見せしましたか?
自己分析が形になったら、それを人に見てもらうステップに進みます。そのフェーズで僕が最も大事だと思うのが、OB訪問です。
できるだけ多くの社員の方々に会うと良いです。ただ、同じ会社の社員さんでも、見せた自己分析に対するコメントは様々。皆さん親身になって考えてくださっていても、全員のアドバイスを取り入れると滅茶苦茶なESが完成しがちです。
なので、OB訪問をしていくうちに「あ、この人は自分と感性が似てる」とか「自分のこと理解してくれてる」と感じた“キー社員さん”を決め、他の方々に頂いたアドバイスを咀嚼しながら、何度も話を聞いて頂きました。ただ、社員の方々は基本的にかなり忙しいので、メールなども有効に活用する必要があります。
――たくさんの方の意見を取り入れすぎて自分が薄まってしまうのは良くないですよね。最後に、Yさんが考える、自己分析において最も重要だと思うことってなんでしょうか?
重要だと思うことは一つ。それは、自己分析を始めるときに、自分の理想像をゴールに設定して逆算するのはダメ、ということです。
例えば、広告業界を目指しているからと言って、自分を“the広告マン”に仕立て上げる必要は無いということです。色々な人がいることが魅力の業界なので、思いっきり、そのままの自分をぶつけることが何よりも大事! これは胸を張って言えることです。
――ありがとうございます。広告業界などは特に個性の強い方が多いイメージもあるかもしれませんが、就活生の皆さんはそれに無理やり合わせて自分を見失わないようにしてくださいね!
――続けて面接についてお聞きします。面接を受けるにあたり、どのような対策に特に力を入れましたか? 面接をしてくれるのは、その会社に入社した時に先輩になる社員の方々ですよね。逆に言えば、その社員の方々が選ぶのは、後輩にしたいと思える学生。では、どうすれば後輩にしたいと思ってもらえるのでしょうか。
僕の場合、自分の話が“自慢”にならないよう、特に気を付けていました。面接は、自己分析で出てきた自分の良いところを、面接官にプレゼンする場所。そのプレゼンのために時間をかけて用意した、長所を盛り込んだストーリーが、ただの自慢話と受け取られてしまってはもったいない。僕の一回目の就活は、これが原因で失敗したと思っています。
当初、僕は面接で、大学時代のサッカーサークルの話をしていました。中高野球部だった僕が、700日という長い時間をかけ、公式戦でなんとか1点とったサクセスストーリー。これをドラマチックに語ることばかり考えていました。
自信を持って話していたのですが、結果はまさかの志望企業全落ち。かつてない挫折を味わいました。
――なるほど。二度目の就活では、具体的にどこを改善していきましたか?
挫折をきっかけにして、二度目の就活では自分が成し遂げた“結果”を大袈裟に伝えるのではなく、自分の考え方やこだわりなど、“過程”に重点を置いた話をするようにしました。
具体的には、「僕はとにかく、雰囲気のある選手に見えるように、上手い選手がやってるファッションをひたすら真似した。また、試合中は下手がバレないように、なるべくボールを触らないようにサッカーしていた。こうすることで、チームのストライカーの実力を誰よりも引き立てられる選手になって、試合に出られるようになりました。その結果、チャンスも増え、目標にしてたゴールも決められた。」といった感じです。
伝え方を変えただけですが、後者の方が圧倒的に面接が上手くいった、という実感がありました。
あとは、面接官との会話を楽しむことを意識するようになりました。内定先で最終面接を担当して頂いていた社員の方に、「お前ほど楽しそうにずっと笑って面接するヤツ、初めて見たよ」と言われたのは、良い思い出です。笑
手を抜かないこと。
人生を大きく変える瞬間なので、後悔するようなことのないよう、力を出しきりましょう。
ただ、対策を完璧にしても、就活で失敗を経験しない人なんていません。むしろ僕の場合、失敗と挫折を味わって本当に良かった、と言い切れます。仮に1年前に同じ会社から内定を頂いていたとしても、1年後の今の方が入社後に活躍する自信も格段にあります。
でもやっぱり、落ちると元気はなくなります。笑 え、俺は落ちたのにアイツが受かったの? なんてこともたくさんあります。
もちろん落ちてしまったら、何がダメだったのか、まずは反省してみましょう。ただ、ある程度は運が悪かったと割り切ることも必要です。実際、運悪く苦手なタイプの面接官に当たることだっていくらでもあります。
グループディスカッションに物凄いしゃべるヤツがいて、圧倒されてしゃべれなかった、なんて話も聞きます。その人とグループが一緒になってしまうことも運です。割り切ることが大切。
就活ではやることがたくさんあります。自己分析、OB訪問、ES、面接など……。
根を詰めすぎてるなと思ったら、息抜きが不可欠です。僕の場合は友達と飲みに行ったり、1人でカラオケに行ったりして発散していました。他にも、頑張った自分へのご褒美で美味しいものを食べるだとか、しばらく留守にしていたサークルに顔を出して身体を動かすとか、息抜きの方法は人それぞれたくさんあると思います。
自分自身と真剣に向き合う数少ないこの機会を、どこまで手を抜かずに楽しんでできるか。最後は、多くを経て生まれた自分の熱い想いを、入りたい会社に思いっきりぶつけてください。必ず結果はついてきます!