僕の就活でのモットーは「何をするかより、誰とするか」でした。
氏名:W.K.
出身大学:東京大学大学院 新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻
志望業界:特に無し
説明会参加:20社(うち学内業界別合同説明会2回、学外合同企業説明会4回)
先輩訪問:5人(食品メーカー2人、商社2人、不動産1人)
エントリーシート提出:4社
面接:2社
内定:1社(食品メーカー1社)
活動費用:約150,000円(交通費50,000円、外食費30,000円、スーツ代30,000円、宿泊代20,000円、参考書代10,000円、証明写真代7,000円。インターンの選考や説明会などで都内に出る時は、なるべく予定を2~3個つめることで交通費を節約)
【大学院1年生 6月】インターンシップのエントリーが開始。外資系企業やITベンチャー企業など、一部の選考が早い企業では7月に入った段階でインターンへの参加が決まってしまうところも。
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【大学院1年生 8~2月】夏から冬にかけて、様々な企業のインターンシップに参加。
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【大学院1年生 3月】本選考のプレエントリーが開始したため、主に学内の業界別合同説明会や、学外の合同企業説明会などに参加。
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【大学院2年生 4月】本エントリーが開始。内定先の選考にもエントリーする。
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【大学院2年生 5~7月】本命企業の対策をしつつ研究に専念し、国際会議と国内の学会に論文を投稿。
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【大学院2年生 8月】本選考が開始。本命企業から無事に内定をいただき、就職活動を終了。
――インターンを行う前、エントリー先の会社のことがあまりわからなかったと思うのですが、どのような軸でインターン先を選びましたか?
「優秀な学生が集まっていそうか」「自分が成長できそうか」「内容が面白そうか」「待遇(交通費など)は良いか」という4つの軸で選択しました。Webサイト「外資就活ドットコム」のインターン情報などをチェックし、最終的に8月から2月にかけ、計12社に参加しました。選考も初期の段階では苦戦していましたが、選考の都度反省し、次回に活かすことで徐々に結果も出せるようになっていきました。ここで積んだ経験値が、本選考でもそのまま活きたと思います。
――なるほど。インターンの選考を受けること、それを繰り返していくことで、選考それ自体の練習にもなったということですね。ちなみに、インターンの参加後には、どのような気持ちの変化がありましたか?
実際にインターンに参加してみて、参加して良かったと思うものも勿論ありましたが、正直なところ研究室に籠って研究していた方が良かった、と思ってしまうものもありました。参加先は少し吟味してみても良いかと思います。参加し過ぎても疲れるだけ、ということはありませんが、僕の場合は研究との両立が大変で、必要以上に自分を追い込んでしまったと反省しています。
個人的な見解ですが、もしインターンを「異性との交際」に例えるなら、「同棲」に当たると思うようになりました。大抵の人は、数回のデートだけで結婚相手を決めるのは嫌ですよね? 「結婚」すなわち入社する前に同棲することで、相手との相性を確かめておきたいと思うのは当然のことだと思います。入りたいと思う企業がインターンを開催しているなら、迷うことなくエントリーしてみるべきです。(もちろん事前に入念な対策は必須。玉砕覚悟で突っ込んでも相手にされず、振られてしまうだけです)
多数の企業のインターンに参加したことで、結果的に自分が働きたい企業の軸が明確に見えてきました。僕の場合は「人、社風」「自分が成長できるか」「チャレンジできる環境があるか」「企業理念に共感できるか」などです。
――インターンや就職活動を異性との交際に例えるのはとてもわかりやすいですね。結婚相手を簡単に決めることはできないように、会社との相性を考えるための手段としてインターンを活用するという考え方はこれから就活をするみなさんもぜひ参考にしてみてください。
――続けて就職活動全般に範囲を広げ、もう少し違う角度から質問をさせていただきます。就活中の人間関係についてお伺いしたいのですが、Wさんが就活中に友人関係でプラスに感じたこと、マイナスに感じたことなどがありましたら教えてください。
先ほどの話と被る部分があるのですが、インターンに参加しているうちにどんどん友人・知人が増えていきました。励まし合ったり、情報交換をしたりするだけでなく、互いに刺激を受け合っていたと思いますし、プライベートでも結構遊んでいたなと思います。就活中に出会って未だに交流が続いている友人が沢山いますね。外資系企業やITベンチャー企業を受けていた友人達は秋頃には内定を貰い出していたので、お祝い会なんかをした時は、「自分は日系大手狙いだから、まだ先は長いけど頑張ろう」とモチベーションを上げることができました。
高校・学部時代からの友人はもうほとんど社会人になっており、大体どこの企業にも一人は知り合いがいたので、気になる企業があるとすぐに連絡を取り、必要があれば会いに行くことができました。これは院生の特権かもしれませんね。
大学院の友人とは勿論就活の話も沢山していましたが、研究の進捗の話の方が多かったかもしれません。僕の所属している専攻の色として、建築設計事務所やメーカー技術職を受ける人も多く、僕のように自由応募の総合職を受ける人がそこまで多くなかったのもその原因の一つかと思います。仲の良い友人達とは「早く就活終えて研究に専念したいよね……」とよく愚痴り合っていました(笑)
――ありがとうございます。院生として、学部時代の友人にいろいろ聞けるのは心強いですね。ちなみに、就活中は具体的にどのような生活スタイルで過ごされてましたか?
生活パターンとしても、就活の予定は昼過ぎから夕方までに詰め込んで、夜は友達との予定を入れるようにしていました。普段は大学の研究室に籠りがちだったので、就活で都内に出て、友達と飲むのは良い気分転換になりました。
就活で出会った友人も大学院の友人も皆大体6月くらいにはどこかの企業に内定を貰っていましたが、特に焦ることもなく、「世の中には経団連に所属しているのに倫理憲章を守らない企業が沢山あるなあ」くらいに思っていました(笑)
まだ働いてもいない自分が就活生の皆さんに偉そうに語るのは気が引けるのですが、自分が就活を通して感じたことを述べさせていただきます。
個人的に、就活は「自分に合っている・いきいきと働くことのできる企業を見付けて、その企業が自分を採るべき理由付けをすること」だと思っています。別に有名な大企業だろうが無名ベンチャーだろうが、その人が成功だと思ったら成功だし、失敗だと思ったら失敗です。人によって想いはそれぞれ、「よそはよそ、うちはうち」です。自分という「商品」を新卒採用という「市場」で営業するのが就活です。ブレないでください。
僕も就活を始めた当初は、なんとなくイメージで行きたい企業を決めていました。ですが、自分の大事にしていることをきちんと整理してみると、「そうじゃない」と気付きました。自分の気持ちに素直になってみると、肩の荷が降りたような気がして凄く楽になります。就活を通して志望業界ややりたいことが変化していくのは当然のことだと思います。色々な企業・人に出会って、色々な考えに触れて下さい。
僕の就活でのモットーは「何をするかより、誰とするか」でした。ここは絶対にブレなかったので、インターンに参加するだけでなく、学部時代のネットワークなどを活用して色々な方に会いに行きました。よく言われるのは、企業が欲しいのは「自分の頭で考えて行動できる人」です。だから皆さんも、何事もまず自分で考える癖を付けてみてください。他人が言うことに流されるのではなく、自分で考えて吸収してください。そして、自分の足で行動してみてください。
就活は自分の人生のスタートラインを決める大事な機会だと思います。本気で取り組めないのなら、就活なんて今すぐ止めてしまえばいいと思います。自分の人生について本気出して考えてみてください。「なんとなくこの企業に入ることになった」となるのではなく、「自分で選択し、この企業に入ることを決めた」と言えるよう、本気で頑張ってみてください。