会社に就職すると、ほとんどの場合は自分の名刺を持つことになります。自分の名前が入った名刺を手にすると「社会人になった」と、改めて実感するかもしれませんね。名刺の氏名の上部には、職名などの肩書きが記されます。肩書きの種類は、業種や会社によってさまざまです。
中にはこんな珍しいものも。皆さんは「渋滞予報士」という仕事をご存知でしょうか? 渋滞予報士とは、NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)社内の愛称で、日本でただ一人しかおりません。今回は、そんな渋滞予報士として活躍している加藤さんに仕事内容など、いろいろ聞いてみました。
現在の渋滞予報士は加藤寛道(かとう ひろみち)さん(31歳)で、「NEXCO東日本関東支社 管理事業部 道路管制センター 交通技術課」に所属しています。
-渋滞予報士の仕事内容をおしえてください。
主な業務は関東支社管内(※関東支社管内管轄範囲:茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・長野県)の交通状況に関する調査・検討・分析です。具体的には「いつ、どこで、どのくらい渋滞が発生するか」を予測する「渋滞予測」や、渋滞原因の調査分析、渋滞対策の立案、対策効果の検証などを行っています。それに加えて、渋滞緩和にはお客様のご協力が欠かせないため、テレビや雑誌等のメディアを通じて渋滞予測をお伝えすることも仕事の一つです。
-どのようなときに「やりがい」を感じますか?
とても多くの方々に情報を提供しているので、非常に責任の大きい仕事だと感じています。とくに渋滞が注目される交通混雑期(GW、お盆、年末年始)の予測は大変な部分もありますが、その分結果が出たときは達成感があります。また、現地に導入した渋滞対策により、交通流が円滑になり渋滞が緩和されると、お客様の快適な走行に貢献できたというやりがいを感じます。
-やはり、予測が的中すると嬉しいですか?
たとえ100%予測が的中したとしても満足はできません。渋滞予測の本来の目的はお客様に渋滞を避けて頂くことです。未来の渋滞を予測することが仕事でありながら、達成すべきはその渋滞を緩和させること、つまり予測を外すことになります。そういった矛盾が渋滞予測の難しさであり、面白いところだと思います。
-入社当初から渋滞予報士を狙っていたのでしょうか?
実は人前に出るのはあまり得意ではないのですが、大学で交通工学を研究していたこともあり、意識をしていました。当社は首都圏から地方部まで所掌しており、管理する路線も様々な特色があります。同じような仕事をするのであれば、このような幅広い条件下の方が面白そうだと思ってNEXCO東日本に入社を決めました。
-このような珍しい肩書きで得したこと、損したことがあればおしえてください。
メディアに出させて頂けるので、地元の両親や友達が喜んでくれます。また、社内でも顔を覚えて頂けることが増えました。損したことは特にありません。
-新卒採用等で、「渋滞予報士になりたい」という理由で入社を希望する人はいるのでしょうか?
渋滞予報士になりたいというより、高速道路における交通状況に関する調査・検討・分析などに携わってみたいという人は多いです。
-渋滞予報士になるにはどのようなことを意識すればよいでしょうか?
土木工学の中に交通工学という分野がありますが、この辺りに明るいと選ばれる可能性は高いと思います。また、膨大なデータを扱うことが多いため、統計分析(多変量解析)や簡単なプログラミングができるとなお良いです。ただ、どちらも学生時代の経験が必須というわけではなく、入社後にスキルを磨くことで十分対応可能だと思います。
-最後に、今後の渋滞予報をお願いします渋滞予報は「ドラとら(https://www.drivetraffic.jp/map.html)」にて公開しているので、ぜひそちらをご覧ください!
実は様々な仕事があります。まずは当社サイトをご覧ください。↓↓
NEXCO東日本採用ページ(※2016卒対象採用情報ページ)
(取材・文/JOBRASS編集部)
(取材協力/NEXCO東日本:https://www.e-nexco.co.jp/)