JOBRASSの『スカウトチャレンジ』がきっかけで内定先企業と出会い、理想的なカタチで入社を決めたH.I.さん。企業の採用担当者の前でプレゼンするというこのイベントをとおして、彼女はどのように成長し、内定まで至ったのでしょうか。そしてこの経験をとおして得たものとは……?
氏名:H.I.
学部: 人文社会系研究科
志望業界: IT・コンサル・人材
説明会参加:約40 社
先輩訪問:0人
エントリーシート提出:3社
面接:3社
内定:1社(IT業界)
活動費用 :約150,000円(あまり覚えていないのですが……。スーツ等が約80,000円、交通費が約50,000円(帰省の飛行機代含む)、飲食費が約20,000円ぐらいだったかと思います。)
【大学院1年生9月】就活の雰囲気を感じてみようと思い有給インターンを3社受けるも全敗。面接で聞かれたことをもとに、自分のやってきたこと、これからやりたいこと、自分に足りないことについて考え始める。
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【大学院1年生10~12月】ナビサイトから、選考の無い1dayインターン・企業説明会に参加。併行して自己分析。
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【大学院1年生12月】スカウトチャレンジ参加。参加企業のうち数社から連絡を頂く。志望業界をITにしぼる。
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【大学院1年生1月】スカウトチャレンジの2社と他の1社で本選考ES提出、面接開始。うち1社への志望度が高まる。
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【大学院1年生2月】地元での就職も検討していたので、3週間ほど帰省して地元の企業のイベントに参加。
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【大学院1年生3月】志望度が上がっていた企業から内定を頂き承諾。選考中だった残りの2社や声をかけていただいていた他の企業を辞退。就職活動終了。
――Hさんは、就活で多くの説明会に参加されていますよね。どのようなことを考えながら就活をスタートしたのでしょうか。
大学院1年生の頃はまだ進路に迷っていたのですが、もし就活するなら業界は「人材」「IT」「コンサル」が面白そうだなと興味を持っていました。特に「IT」は、技術的にもビジネス的にも出来ることがどんどん増えてきているじゃないですか。私は新しいことに挑戦するのが好きなので、せっかくだから世の中を変えていくような業界のほうが楽しいかなと思っていたんです。
その時期は毎日なにかしら説明会に行っているような感じでした。それまで、世の中にどんな会社があるか全然知らなかったし、自分がどんな業界や企業に合っているのかもわからなかったんですよね。いくら面白そうだなと思っていても、自分がそこで働けるのかというのは、また違う問題かなと思って。それで、そういうことはネット検索で調べるより、実際に人と会ったほうがわかるだろうと考えて行動していました。
――なるほど。複数の説明会に行って、自分なりに手ごたえはありました?
そうですね。毎回なにかしら得るものはありました。私はいつもノートを持っていき、企業説明会に行くたびに良いと感じたところや共感できなかったところを全部走り書きして、一冊にまとめておいたんです。自分で特にフォーマット決めていたわけじゃないんですけど、家に帰ったあとも頭の中を整理して振り返っていました。
――実際に各企業の方々からお話を聞くなかで得られた肌感覚みたいなものを大事にしていたんですね。
はい。わりと直感型なタイプなので、やってみて良かったと思います。私は最初から、誰もが知っているような大きな企業に行くつもりが全くなくて、小さいところで働きたかったんです。なので、積極的に名前も知らないような会社にどんどん行きました。「説明会で良い会社に巡り合ったか?」と聞かれると、そういうわけじゃないかもしれませんが、1社1社感じたことを必ず振り返るようにしていたので、なにかしら得るものはあったと思います。
――その大企業よりも中小企業というのは、ご自分の中でそのほうが向いていそうだなという感覚があったのですか?
そうですね。実は大企業の説明会は一切行っていないんですよ。社員さん同士の顔が見えるくらいの規模の会社が良かったんです。会社にどんな人がいるのかわかるところが良かったのと、自分の意見がすぐに取り入れられるようなところって、やっぱり何千人規模の会社じゃ無理じゃないですか。それは息苦しいなと思って。なんなら自分が変えられるくらいの規模が良いと考えたら、多くて200人かなというのは、なんとなくありました。
――なるほど。そこはすごくビジョンがしっかりしていますね。その他に企業選びでこだわっていたことはありますか?
仕事を好きになれることが一番大事だなと思っていました。納得できないことをやらなきゃいけないというときもあるとは思うんですけど、基本的には自分が好きでずっとやっていけることがいいなと思っていて。なんというか、24時間仕事のこと考えても幸せでいられるぐらいの生活がしたかったんです。福利厚生などは気にならなくて、結局最後まで見ませんでした。ただ、勤務地だけは、東京か地元の福岡か迷ったんですけど。
――そういえば、九州出身なんですよね。
はい。実家が福岡市にわりと近いので、福岡は身近でとても好きな街でした。暮らしやすいところなので、帰って博多で一人暮らししてみたいという気持ちもあったんです。
――就活生で地方から出てきている方って、社会人になるときに地元に帰るか、都心で働くか、迷う方もたくさんいますよね。
その気持ち、むちゃくちゃわかります。自分の一番の決め手は、東京か福岡かで決めたっていうよりは、行きたい会社が東京にあったからという感じです。それと終盤はIT系に行こうと決めたので、それなら最初のうちは東京にいたほうがいろんなことがやれるなと感じて……というのも一つあります。
――なるほど。その結論に至る過程では、地元にも帰って就活しているんですよね。
そうですね。計1ヶ月くらいですけど、福岡でもいいなと思う会社をいくつか見つけて、実家から福岡に通ってみたりもしました。そういう生活を体験しながら、自分がどう感じるか確認できたので、行ってみて良かったと思います。
――話は戻りますが、秋にJOBRASSに登録してスカウトチャレンジのIT編に参加してくださったんですよね。どんなきっかけでこのイベントを知ったのですか?
9月~10月頃、有給のインターンに全て落ちたあと、説明会にいろいろ参加していくうちに、就活について現実的に考えるようになっていったんです。それで、どこかで選考をやっていたら受けようかなと思うようになりました。
そんなとき、たまたま広告かなにかでスカウト型のイベントが存在するらしいと知り、調べるとJOBRASSはフィードバックがもらえるということだったので、いいなと思い申し込んだ覚えがあります。でも、本選考の一歩手前という気持ちだったので、そこで何か起こるとは思っていなくて。自分としてはプレゼンの練習ができるならいいな、くらいの気持ちでした。
――エージェントと話してみて最初の感想はどうでしたか?
初めてお会いしたのは、スカウトチャレンジのリハーサルのときだったと思います。プレゼンのリハーサルをした後、エージェントの方からフィードバックをいただきました。それと同時に「どういう業界に興味があるの?」という話になり、その業界や就活の現状を、数字で示しながらたくさん教えてくださったんです。その時まで数字を全然意識したことがなかったのですが、例えば○○業界は何人受けて何人とるというようなことや、「四季報みるといいよ」などと教えていただきました。
そんな風にデータを基盤にして見るということを、私はそれまで全然やってこなかったので、さすがプロだなぁと(笑)。頼りになるなと思いました。当時は一人で孤独を感じながらやっていたので、相談にタダでのってくれるなら「ぜひ!」と強く思った覚えがあります。
――それは良かったです。Hさんのプレゼンはすごく上手くまとまっていて、企業さんからも好評だったと聞いています。リハーサルでエージェントからどんなことを言われたのか、具体的に覚えていますか?
はい。まず数字をしっかり提示するように言われました。プレゼンではサークルで冊子を作っていたという話をしたのですが、「たくさんの人に配りました」みたいな感じで話していたら、「何人に配ったの?」と聞かれ、「そこは何千人って言おう」とアドバイスされたのを覚えています。それと、話し方が早口だとも指摘されましたね。
思いかえすと、最初のプレゼン内容は、結構自分押しだったんです。「“自分は”これを頑張りました。“自分は”こういう技術を身に付けました。」といった感じで。でも、「周りの人に対して自分がどうしたのかというようなことを言うといいよ」とアドバイスされて、また一つ納得しました。実際、冊子を作っていたとき、決して一人でやっていたわけではなく、周りの人たちをリードして教えていたのを思い出したんです。そういったエピソードを取り入れながら、プレゼンを大幅に作り直しました。そこがとても参考になりましたね。
――なるほど。周りの人との関係も含めて話すと、プレゼン内容に奥行が出てきそうですよね。Hさんの良さがさらによく伝わるプレゼンになったのだろうなという気がします。
はい。いざ直してみたら「確かに」って自分でも思いました。チームとの関係は、それまで全然意識してなかったんです。エージェントの方に指摘されたことで、そのことをまた思い出すきっかけになったので、自分にとって良い経験になったなと思いましたね。
――志望業界をITにしぼったのはどういった理由があったのでしょうか?
就活とは関係なくプログラミングを勉強したり、アプリを作るイベントに参加したりしているうちに、「ITをやってみたいな」という気持ちになったんです。それと、日課としてナビサイトを見るようにしていたのですが、だんだん営業や企画の求人に惹かれなくなっている自分にも気づきました。それで自然と絞られていき、12月くらいに決めたという感じです。
――いろいろな体験を重ねるうちに、自分の気持ちが見えてきたんですね。それでは、スカウトチャレンジでアクセルマークさんと出会い、内定に至るまでの経緯について、詳しくお聞きしたいと思います。スカウトチャレンジのときに、アクセルマークさんとお話してみて、どういう印象を持ちましたか?
アクセルマークさんは、スカウトチャレンジの準備段階で求人票を見たときから興味を持っていました。理由は「仕事内容が楽しそうだったから」という一言に尽きるんですけど。それと、いざ当日を迎えて、各企業さんからフィードバックをいただいた中で、一番「なるほど」と思うことが多かったのがアクセルマークさんだったんですよね。スカウトチャレンジの最後にも、企業さんへ質問できるフリートークタイムがあり、アクセルマークさんにいくつか聞いてみたところ、人事の方がフランクに答えてくださいました。
――どんな質問したか覚えていますか?
「会社で働く中で、好きなところはなんですか?」と聞きました。二人いらしたんですけど、一人が「風通しがいいところ。縦も横もフランクにものを言えるところが良いですよ」と。もう一人の方は、たしか「自分がやりたいと言ったことをいろいろチャレンジさせてもらえるところ」とおっしゃっていました。風通しがいいというのは、私としてはかなり重視しているポイントだったので、それを聞いて嬉しかったですね。すごくいいなと思いました。
――それは魅力的ですね。ところで、先ほどフィードバックで言われたことに「なるほど」と思ったとおっしゃっていましたが、人事の方からはどんなことを言われたのでしょうか?
「あなたが何を考えていたのかという情報がもっと欲しかった」と言われました。私はそのとき、意識的に実績を数字で示すほうを重視していたため、「自分が何を考えていたのか」ということをあまりプレゼンで言わなかったんです。ですが、アクセルマークさんから「トピックスが研究室とサークルの二つに限られているぶん、それぞれの場面で何を考えていたという話も盛り込めたのでは」というような趣旨のことを言われたんです。それを聞いて、「そういうところも見るんだ」とも思いました。“何をしてきた子”というだけでなく、プラスして“何を考えているか”ということも見る企業なんだって。価値観とか動機とか考え方みたいなものをもう少し話したほうが良いと言われて、「確かにそうだな」と思いました。
――企業さん側も、Hさんに興味を持ったからこそ、人柄などをもっと知りたいという気持ちになったのかもしれないですね。そのあとは、どのような流れで進んだのでしょうか。
最初に「アクセルマークさんからスカウトが来ましたよ」という連絡をエージェントの方からいただいて、「受けます」と返事をしたら日程調節してくださいました。最初の一回目だけ日程調整してもらい、その後は個人的にやりとりして、内定をもらうまでアクセルマークさんには計5回行きました。
――Hさんから見て、アクセルマークさんはどういったところが魅力だと感じたのでしょうか?
特に印象的だったのは、2回目の座談会です。人事の方が、私の思い描くビジョンに近い社員さんを呼んでくださり、人事の方とその方と私の3人でおしゃべりしました。そのとき、とにかく何を聞いても全部答えてくださったんです。「この会社のダメなところってどこだと思いますか?」みたいなことまで聞いたのですが、それにも答えてくださって、とてもいいなと思えました。
――すごくオープンに話をしてもらえたのですね。
はい。私は文学部で全く専門知識がない状態で「エンジニアになりたいです」と言って受けていたので、チームの雰囲気なども気になって質問しました。もちろん入社するからには自分でも勉強しますが、さすがに全く教えてもらえないような環境だとキツイなと思っていたんです。そのときの答えが「うちは “自分で5分考えてわからなかったら周りに聞く”というのを決め事にしているから、遠慮なく質問していいよ」というものでした。その言葉を聞いて、「いいな。やれるかもしれない」と思った覚えがあります。決め手はその2点ですかね。質問に全部答えてくださったのと、5分ルールが個人的には響きました。
――就活生の中には、企業さんに質問するとき「何を聞けばいいんだろう」と悩む人が多いと思うのですが、座談会でたくさん質問できたのですね。
そうなんです。この回に関しては、実はそんなに質問を用意していったわけではなくて。でも話していくうちに、「自分がもしこの会社で働いたらこんな感じになるのかな」とイメージがどんどん沸いてきました。それで「こういうことがあったらどうなりますか?」といった風に、質問が自然とポンポン出てきたんです。すごく矢継ぎ早に、細かいところまでなんでもかんでも質問しちゃって、引かれたかなと思うくらい(笑)。1時間くらいでしたが、いい感じの循環がありました。他の会社に行ってもこんなに質問は出てこなかったので、やっぱり自分に合っていたのかもなと、今にして思います。
――行きたい会社だったら、質問は自然と沸いてくるということですね。
はい。そういえば、説明会にたくさん参加していたとき、質問タイムでホームページに載っているような内容ばかり質問をする人が結構いたんです。でもIR情報なども合わせて読めば、そこに「今後こうします」って全部書いてあるんですよね。会社のことばかり見て、自分が働くということを前提にできていないと、そういう質問になってしまうのかもしれません。
学生にとって企業で働くというのは未知のことですが、具体的な業務内容を聞いたら、なんとなく一日をこういう風に過ごしているのかな……と見えてくるのではないでしょうか。そうしたら次に、自分がここでもし働くとしたら……と想像してみると、「どういう問題が出てくるだろう?」「どういうことが気になってくるかな?」など、聞きたいことが沢山出てくると思います。
――就活全体を振り返ってみて、今どんな感想を持っていますか?
就活期間はすごく不安でした。説明会に行っていろいろなことを知れたり、人と話したりするのは楽しかったのですが、内定をもらえる未来をなかなか想像できなかったんです。だから当時はとても複雑な気持ちでした。楽しい反面、いざ選考が現実的に迫ってくると、急に嫌な気持ちになったりして。
でも、結果的に自分の価値観に合うと思える企業に決まって、本当に嬉しかったです。最終面接の直後に内定をいただいたときは、信じられない気持ちで力が抜けました。帰り道から世界が全然違ったんですよ。「もう不安がない! 未来があるんだ」みたいな感じで。
――感動が伝わってきますね。
それと、スカウトチャレンジから内定に至るまで、面接のたびにエージェントの方から「今日は頑張ってね」と連絡をいただけたことにも感謝しています。JOBRASSを利用して一番良かった点は、今までずっと一人でやっていた中で、誰かが見守ってくれているという安心感を得られたことですね。なにかあったらエージェントの方に聞けるという状態がすごく心強かったし、1回困ったときに聞いたらすぐに連絡を返してくださいました。
私はスカウトチャレンジを使ったことによって、アクセルマークさんという会社を知りましたが、こういうイベントがなかったら知らないままだったかもしれません。決めたのは直感も大きいですが、その前にたくさん説明会に行って見てきたからこそ、自分に合うというのが一つわかったことだと思うんです。説明会に全く行っていない状態でいきなり受けていたら、合うと判断できたかちょっと微妙なラインだったと思うんですよね。だから振りかえってみると、共感できないという意味で「無駄足だったな」と思う企業はあったものの、それら一社一社をしっかり見てきたこと全てに意味があったんだと思いました。
――これから就活をする学生さんたちにも、とても参考になりそうです。ところで、もうアクセルマークさんでアルバイトもしているんですよね。
はい。会社のことが好きになって、最近は時間がある限り会社に行っているという感じです。今は「役に立つことがあったらなんでも使ってください」という気持ちなんです。
――本当に良かったですね。今日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。