日本での一般的な理想のルートは「偏差値の高い大学を出て有名な企業に就職すること」。「そうは思わない」と反論する人もいるとは思いますが、過酷な就職活動や受験戦争が繰り広げられる状況があるのは、「そう思っている」人が多いからなのではないでしょうか。実際に日本の企業の多くが新卒を好み、積極的な採用活動を行っています。しかし、採用担当者に「新卒至上主義」についてのアンケート調査を行ってみたところ、意外な結果となりました。
Q.自社でもやっているが、新卒至上主義はおかしいと思う
はい:66.2%
いいえ:33.8%
ご覧のように、66.2%が新卒至上主義はおかしいと思っているということが判明しました。6割以上の人事が「おかしい」と思いながらも、自社での新卒採用活動に励んでいたようです。
日本が新卒至上主義である理由の一つとして、企業が正社員として雇った場合は本人が辞めると言わない限り、定年まで雇い続けなければならない労働規制が関係していると言われています。海外では企業が正社員をクビにしやすいので比較的社内外の人材が流動的ですが、日本はそうではありません。職歴やスキルを評価して採用した中途社員だと、他部署への異動が困難になることもあり、人員調整がしづらくなるというデメリットがあるようです。
特に大手企業では、社会人として真っ白な状態の新卒を一斉に教育することができるのは効率が良いとされています。中途採用だと職歴やスキルを評価しなくてはならないので、採用に手間や時間がかかるということも、新卒が好まれる一つの理由になっているそうです。
他にも、企業の好きなように色付けできるというのが企業の本音だと言われています。ある程度社会人として経験のある人は、前職での知識が邪魔をして素直に教わることができない・覚えられないことも。何も知識がない新卒のほうが教えやすく、素直でやる気があるという点が評価されているそうです。
雇用の流動化が進んでいるとはいえど、実際はまだまだ「新卒」が重宝される時代。最初に入社する会社選びは熟慮したほうがよいでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース2016調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年2月10日(火)~2015年2月13日(金)
対象:企業の採用担当者139名