景気が緩やかに回復する中、今年の就職活動は売り手市場と言われています。選考期間が短くなったことで、企業側から見た採用活動も激化しているようです。
企業の中には優秀な学生をいち早く囲い込むために、まるでバブルを彷彿させるような取り組みを行っているところも。
たとえば、旅行企画・販売を手掛けるJTBメディアリテーリングは、タイタニック号の4倍の大きさを誇る米大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が東京港に寄港するタイミングで同船を使った会社説明会を開催予定。船内にはカフェやカジノ、スケートリンク、フリークライミング用の壁面、フルサイズのバスケットコートなどが備えられており、憧れの豪華客船へ踏み入ることのできる、またとないチャンスです。
その他にも、焼き肉をごちそうしながら学生をスカウトする企業や、有名テーマパークで内定者懇親会を行い、レストランで接待する大手企業も存在しているそうです。このような待遇を手厚くする動きは、今後も広がっていくのではないかと言われています。
「就職が決まらない人は1人もいない」とまで言われていたバブル期の就職活動。超売り手市場だった当時は、企業が必死になって学生を囲い込んでいました。会社説明会で交通費が出るのは当たり前、昼食はとても豪華で、お土産までくれる企業もあったそうです。内定後は学生を他社に取られないように、研修という名の国内旅行や海外旅行に連れ出すことも。隔離状態に置くことで、他社と連絡が取れないようにしていました。
このまま売り手市場が拡大していった場合、バブル期のような待遇をする企業が出てくる可能性も否めないでしょう。就活生は目先のエサにつられず、冷静に企業を見極めることが必要になってきそうです。