お金がかかると言われる就職活動。大変ですが、これからの人生を左右する一大事、避けて通れないことです。とはいえ、できるだけ出費は避けたいもの。準備をしておけば、ストレスを減らすことができます。どこにどのくらいかかるものなのか、抑えられるのは何か、「まず敵を知る、そして戦術をたてる」ことが重要です。就職活動で何にどのくらい費用がかかるのか、どの部分を抑えることができるか、考えてみましょう。
2016年卒業生が就職活動に使った費用の平均額は、162,902円(株式会社ディスコの調査)。前年の調査結果よりも11,500円増え、160,000円を超えました。項目別に2年分の費用をまとめてみました。
スーツ代 | 交通費 | 宿泊費 | 資料費 | 備品代 | 有料講座受講費 | その他諸経費 | |
2016年 | 42,121円 | 75,309円 | 10,873円 | 9,669円 | 11,826円 | 7,193円 | 5,910円 |
2015年 | 41,674円 | 69,706円 | 8,324円 | 8,214円 | 10,429円 | 6,697円 | 6,461円 |
就職活動で最も費用が掛かるのは交通費。続いて大きいのがスーツ代などの衣料費です。さらにカバン・パソコンや手帳などの備品代、そして宿泊費もお金がかかります。宿泊費は、平均額はそれほど多くないように見えますが、近年は外国人観光客の増加などによりホテル不足のため、増加率は2割を超えており、今後も値上がりする可能性があります。
学生の所在地で主な項目を見てみましょう。やはり、九州や北海道など首都圏の企業の選考を受ける機会が多い地方学生の負担が大きくなっています。
(2016年)
北海道 | 東北 | 関東 | 中部 | 近畿 | 中国四国 | 九州 | |
合計 | 177,608円 | 199,508円 | 140,642円 | 170,963円 | 159,903円 | 196,378円 | 232,601円 |
交通費 | 97,196円 | 110,214円 | 53,875円 | 81,135円 | 79,320円 | 104,114円 | 122,382円 |
宿泊費 | 17,696円 | 25,048円 | 2,398円 | 16,775円 | 10,733円 | 27,882円 | 24,167円 |
資料費 | 6,942円 | 7,107円 | 11,710円 | 6,458円 | 9,278円 | 7,306円 | 9,337円 |
備品代 | 12,013円 | 8,896円 | 11,500円 | 10,787円 | 10,701円 | 13,930円 | 19,854円 |
大体、どの項目にどのくらいの費用が使われているかの雰囲気がつかめたでしょうか。人によって、持っているものも違えば、就職活動のスタイルも違ってきます。自分が抑えられるのはどこか、節約しない方が良い所は何かを見極める必要があります。まず、会社説明会に参加するのにどのくらいの費用が掛かるか、考えてみましょう。
・会社説明会の情報を集める
情報誌購入という手段もありますが、企業研究や業界研究、会社説明会の情報を集める、といった情報収集はかなりの部分まではネットで行うことができます。大学のサポートセンターや図書館をフル活用するなら、高い書籍を購入する費用を抑えることができます。ただ、時間がないのであれば移動中などの隙間時間を利用できる書籍購入も選択肢の一つになります。自分にとって、時間が大事かお金が大事かの見極めをしましょう。
・会社説明会の申し込みをする
ネットで会社説明会などの申し込みをする、エントリーシートに記入し、必要があればプリントする、写真を撮る、といった細かい準備が必要になってきます。スマホ以外のインターネット環境は普段学校を利用してという方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合は、ネット環境にあるときに思い切りアンテナを広げておくことが必要になります。
ネットで申し込みをしたフォームをプリントアウトしてもっていく必要があることもあります。最近は文書のみで印刷の質にこだわらなければ、3000円くらいから購入できるプリンターもありますが、家にプリンターがなければ、学校でしておくようにすれば費用が抑えられるかもしれません。履歴書やエントリーシートをその場で提出という所もありますから、ある程度の内容を考えておく、もしくは一部記入したものを携行しておく、といった準備があると慌てないで済みます。
写真は、意外と費用がかかりますし、写りが良いものを持っていると気持ちも落ち着きます。初期費用が掛かってしまいますが、焼き増しも枚数をそろえた方が安くなりますから、写真屋さんで撮ってもらった方がよいかもしれません。ネットで行っているところもあります。
・会社説明会の計画を立てる
会社説明会から、具体的な就活が始まると行っても過言ではありません。会社説明会の予約を入れる時にはなるべくまとめていけるように計画しましょう。特に地方の方は、首都圏でしか開かれない会社説明会に参加するなら、交通費を抑えるためにも一度に複数行けるよう計画しましょう。
合同説明会は予約がいらないことも多いので、間に入れられる合同説明会がないか、チェックしておきましょう。合同説明会は、企業に関する視野を広げられますし、志望企業に関する考え方を深めるのにも役立ちます。
・身だしなみを整える
リクルートスーツにできるスーツが最低一着は必要です。バックや靴など合わせた小物も必要になってきます。ただ、リクルートスーツのブランドにこだわる企業はまずありませんから、自分に合うものであれば、高いものである必要はありませんし、入学式で着たものを使うというのでも構いません。
私服で、と書かれている説明会や面接も増えてきていますが、私服といってもジーンズでよいわけではなく、ビジネスカジュアルに当たる服装を用意する必要があります。通常、自分が着ている服装が流用できれば良いですが、そうでなければ、ビジネスカジュアルに当たるジャケットやシャツ、ボトムを用意しましょう。
髪型、髪の色ですが、無難を目指すなら、就活を始める際に美容院に行って就活用のスタイルを決めておいた方が良いです。その際に、手入れに時間と費用があまりかからないスタイルを教えてもらっておくと、後々楽になります。
小物に関しては、バックはコスパを重視しても良いかもしれませんが、靴は、歩きやすいもの、足に合うものにこだわりましょう。また、汚い靴は印象が悪くなりますから、さっと拭いて汚れを落とせる靴磨きのようなものを、かばんの中に入れておくと良いと思います。女性の場合はストッキングも常備しておくようにしましょう。
・会社説明会に参加する
会場に行くための交通費が必要になります。自分の住んでいる圏内で会社説明会が開かれるとしても、何で行くかによっても費用が変わってきます。何度も同じ地域に行くようであれば回数券を購入したり、いっそのこと定期券を買ったりした方が安くなることもあります。公共交通機関を利用する場合、学割が使えるケースがあるので学割証明書を学校に出してもらいましょう。
交通費に関しては、節約する方法が詳しく説明されているこちらのリンクもご覧ください。
「知ってるだけで役立つ!就活でかさむ交通費を節約する方法」
https://agent.jobrass.com/magazine/guide/222/
・面接に行く
面接に進んでも費用面から考えると、基本的には情報収集し身だしなみを整えて会場に行くという点では会社説明会に参加するのとほぼ同じ段階を踏みます。費用も同じだけかかります。交通費をいただけるのは最終面接のみということも多いので、あまりあてにはしない方が良いかもしれません。
・就活は長丁場
就職活動が進むにつれて、自分に必要なものと不必要なものも見えてきます。ストレスにならないよう、必要であればカフェで一息つくための費用も必要かもしれません。まとめて買っておいたお茶を公園で飲んだのですむかもしれません。そういった費用も含めて、突然必要にならないよう、日々の見直しをするようにしましょう。忘れ物をして、慌ててコンビニに駆け込んだりすることが増えると、それだけ出費も多くなってしまいます。
特に地方の学生さんがどういった節約ができるか、こちらのページをご参照ください。
【地方の学生さん必見】イマドキ就活はお金をかけない!?
https://agent.jobrass.com/magazine/guide/1355/
【必見!】地方学生が就活を成功させる近道とポイント
https://agent.jobrass.com/magazine/guide/3446/