「シューカツどう?」
大学生活も後半に差し掛かると、少しずつこんな会話も増えてきますよね。
この「就職活動」よりも軽いノリで使われる「就活」という言葉。元々は2000年頃、就職氷河期で暗くなりがちだった風潮の中から生まれたと言われています。その後、少しずつ他の活動も「○+活」と略されるようになり、今では様々な「○活」が登場。中には「なるほどな」と考えさせられるものから、「そんな“活”も!?」というものまであるようです。
そこで今回JOBRASS編集部では、現在どのような「○活」が存在するのか、改めて調べてみることにしました。さて、あなたはどれだけ知っているでしょうか……?
就職に関する活動は、就活以外にもあります。かつては、インターネットなど存在せず、一つひとつの作業が手書きで、入社したら定年まで勤めるというのが普通だと考えられていました。しかし時代は変わり、現代人に合った新しい言葉も登場しました。
<ソー活>
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用した就職活動のこと。
2011年が「ソー活元年」と言われており、この頃から学生と企業がソーシャルメディアで情報交換を図るスタイルが広まりました。
ソー活は、短時間の面接だけでは見えてこない人物像が伝わりやすく、双方ともに本音で語り合えるという利点がある一方、企業側にとっては“ネットでしか意見を言えない学生”を採用してしまうリスクがあるとも言われています。
ちなみに、ソー活の「ソー」には、ソーシャルメディアと双方向コミュニケーションという意味がかかっていますが、「So活」と表記されることもあります。
<転活>
転職活動のこと。
多くの社会人は仕事と並行しながら活動しますが、その場合、就活以上に時間管理に徹底したり、人間関係が悪くならないよう秘密で事を進めたりといった苦労があります。
しかし、新卒のときと違って実績やスキルをアピールすることができるので、人生の目標を設定する際に、最初から転活を意識したキャリアプランを考える人もいるようです。
「就活」は、自分の行動しだいで進路が大きく変わるものですが、近年はこの他にも「○活」と略して語られる人生の重大事が次々と登場してきました。
その背景には、社会情勢やライフスタイルの変化が大きく関係しています。
若いうちは他人事と思いがちですが、もしかしたら将来、皆さんも直面することがあるかも……!? 気になる人は、ぜひ企業の福利厚生もチェックしてみましょう。
<婚活>
結婚の可能性が高まるよう、積極的に出会いの場を増やし、自分磨きをするなどといった活動のこと。
婚活が広まった要因は様々ですが、かつてお見合いが多かった時代と比べて恋愛が自由な分、男女共に理想が高まっていることや、不況による低所得者の増加、女性の社会進出、価値観の多様化などが挙げられています。
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2014年)」(*1)によると、2010年の生涯未婚率は男性が約5人の1人(20.14%)、女性は約10人に1人(10.61%)に達しました。
<妊活>
妊娠しやすくなるよう健康なカラダ作りを行い、必要な知識を学び、出産を想定した人生設計を考えるなどといった活動のこと。
近年、女性の社会進出によって晩婚化が進み、また周囲のサポート体制が追いついていないことなどから、妊娠年齢も年々上がってきました。
厚生労働省によると、2014年には日本で出産した女性の27%、3人に1人は35歳以上での出産というデータ(*2)もあり、高齢出産は様々なリスクが高まることから、意識して妊活する人が増えています。
<保活>
子どもを保育所に入れるために、保護者が情報収集・見学などをして、入所までの手続きをスムーズに進めるための活動のこと。
近年、保育所に入れない待機児童が続出し、社会問題となっています。働き続けたい女性にとって、預け先が見つからないと仕事に復帰できないため、出産前から保活をはじめる人も。しかしそれでも見つからず、長年勤めた職場を辞めざる負えなくなる人も多いのが現状です。
そこで最近では、企業が「保活コンシェルジュサービス」(*3)などのサポート制度を導入し、育児休業中の社員を支援する動きも出てきています。
<離活>
離婚に向けて、調停で必要な知識を身に付けたり、パートナーがいなくても安定した生活が送れるよう、住居や仕事を見つけるなどといった活動のこと。
厚生労働省の平成27年の人口動態調査によると、近年は約3組に1組が別れている状況(*4)で、離婚は決して珍しい時代ではなくなりました。
そのような中、できるだけ円満に離婚して新たな生活をしたいというニーズが高まり、「母子家庭等就業・自立支援センター」や「離婚カウンセラー」などに相談する人が増えています。
<終活>
「人生の終わりのための活動」の略で、自分の葬式やお墓について考えたり、財産や相続についての計画を立てたり、身辺整理をしておくなどといった活動のこと。
近年、急速に少子高齢化が進んだこと、また東日本大震災などの影響により、2012年に新語・流行語大賞でトップテンに選出され、社会現象として広がってきました。エンディングノートやSNSを用いて、まだ元気なうちに自分の希望やメッセージを残し、いざというときにも家族に迷惑をかけないよう備える人が増えています。
心身の健康に気を使ったり、美容に良いことを取りいれたり……
そういった日常的な活動も、最近は「○活」とネーミングされることが増えました。「○活」と略すと、キャッチーで世の中に浸透しやすくなり、ブームが生まれて消費につながるというのがその一因かもしれません。
<温活>
日頃から意識的に体を温め、冷えなどの症状を解消しようとする活動のこと。
体があたたまる便利グッズや食を取り入れて、気持ちもあたたまりたいというポジティブな想いが込められているようです。
<菌活>
健康のために、身体に良い菌を積極的に食べる活動のこと。
ヨーグルトなど乳酸菌が入っている発酵食品や、キノコなどの菌類は、免疫力を高め、便秘解消や美肌にも良いのだそうです。最近は“菌活メニュー”を提供する飲食店も増えてきました。
<美活>
美を求める活動のこと。
外見の美しさはもちろん、目に見えない内面や、日々のライフスタイルまでが含まれています。
<コラ活>
コラーゲンを正しく理解し、美容に生かそうとする活動のこと。
良質なコラーゲンで綺麗な肌を維持できるよう、バランスの良い食事を心がけたり、スキンケアや睡眠に気をつけたり、積極的に運動するなどいったトータルでの取り組みが大切だと言われています。
<腸活>
腸のはたらきを良くして、元気に動く状態を維持させようとする活動のこと。
目覚めにコップ一杯の水を飲んだり、朝昼夜の3食をきちんと食べたり、ちょっとした運動をすることなどを指します。
<眠活>
睡眠を上手に利用し、エステのような効果で美しくなろうとする活動のこと。
人間は、寝ている間に細胞や身体のメンテナンスが行われるため、この時間を快適に過ごすことによって、肌の生まれ変わりやストレス解消にも繋がると言われています。特に、0時~6時のコアタイムには、ホルモン分泌などが正常に行われやすく、コアタイムにしっかりと睡眠をとることで、美肌効果が期待できるそうです。
<涙活(るいかつ)>
意識的に泣いてストレス解消する活動のこと。
人間の自律神経は、涙を流すと副交感神経が優位な状態に切り替わり、リラックスできるのだそうです。
以下のサイトでは、泣ける本や音楽などが紹介されているほか、各地でイベントも開催しています。
涙活HP:https://ruikatsu.com/
<呆活(ぼうかつ)>
意図的に頭を空っぽにして、ボーっと過ごす活動のこと。
目を開けたまま焦点を合わせずに、全身の力を抜いて、とにかく何も考えないようにするのがポイントです。1週間のうち5~10分だけでも呆活をすると、頭の中がクリアになって、仕事の能率や記憶力がアップすると言われています。
出勤前に公園で走って汗を流したり、休日に大好きなアイドルの応援に行ったり……
最近は、働きながらプライベートの時間も充実させたいと考える人が増えています。リフレッシュや自分磨きをすると、アイデアが閃きやすくなったり、スキルアップにもつながったり、意外と仕事に活かせることも多いのでオススメです。
<朝活>
朝早く出勤前の時間を利用して、勉強・趣味・体力づくり・交流などの活動をすること。
例えば、資格取得の勉強・英会話・ランニング・神社参拝・ヨガ・お弁当づくり・読書会・ボランティア活動など、様々な過ごし方があるようです。
<ソロ活>
好きな時に、好きな場所で、一人でしか味わえない贅沢な時間を過ごす活動のこと。
最近では、一人でも周りを気にせず楽しめる施設やサービスが増えていることもあり、ポジティブにソロ活をしているリア充な人が多いようです。
以下のサイトには、一人カラオケ、一人温泉、一人豆まき、一人顔ハメ、一人誕生日パーティーなど、様々なソロ活が紹介されています。
ソロ活HP:https://www.enjoytokyo.jp/solo/
<ヲタ活>
好きなアイドルなどのコンサートやライブに行ったり、お気に入りにアニメのグッズを集めたり、ヲタ友達と交流するなど、ヲタク的な活動全般のこと。
以前はヲタクというと否定的な意味で使われていたものの、最近では肯定的なニュアンスが強くなり、自らヲタクを公言して「この素晴らしさを広めたい」と積極的に活動する人も増えているようです。また、給料やプライベートの時間のほとんどを費やすタイプの人も多く、マニア消費者層としても注目されています。
様々な○活をご紹介してきましたが、あなたはいくつ知っていましたか?
○活と略してみると、おっくうだったことに対して前向きになれたり、日常がちょっと楽しくなったり、新しい視点を見つけられたりしますよね。反面、世の中が○活だらけになってきて、疲れを感じることもあるかもしれません。
社会人になると、プライベートで上手に気分転換しながら、仕事と両立させていくことが大切になってきます。今後も様々な○活が登場してくるかと思いますが、その時の気分に合わせて、上手に取り入れていきたいですね。
【参考先リンク】
*1
公益財団法人 生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/mariage/12.html
*2
厚生労働省「平成26年(2014年)人口動態統計」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei14/index.html
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei14/dl/08_h4.pdf
*3
導入企業が増加中、「保活コンシェルジュ」
https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/15/431841/012500031/
*4
厚生労働省「平成27年(2015年)人口動態統計の年間推計」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei15/index.html
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei15/dl/2015toukeihyou.pdf
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