勉強中、部屋の掃除がしたくなってしまう
人と話をする時、右上ばかり見てしまう
ウソをつく時、ついつい喋り過ぎてしまう
こんな経験をしたことはありませんか?
一見「癖かな……?」「性格的なものかな……?」とも思えるこの行動、すべて心理学的な理由がある、ということを知っていましたか?
例えば……
明日は試験なのに、勉強の前に部屋の掃除を始めてしまう。その行動は、「セルフハンディキャッピング(Self-handicapping)」と呼ばれる「自己防衛」の心理。つまり、目標達成に失敗した時のために、失敗する要因を自分で作っておくことで、心理的なダメージを回避しているようです。
上記の例で、就活生のみなさんによくあるのが「人と話をする時、右上ばかり見てしまう」こと。
面接練習をしている時に、「右上ばかり見ているよ」と指摘されたことのある人もいるかもしれませんね。これは、人間の脳は右脳と左脳に分かれている、ということから説明できます(※諸説あり)。
◆右脳……芸術的な絵をみたり音楽を聴いたりしている時に活発に動く
◆左脳……理屈的なことや言語のことを考えている時に活発に動く
そして、脳に対して視神経は交差しているため、右目は左脳が司り、左目は右脳が司っています。このことから、感覚的・芸術的なことを考えている時は目が左上を向き、逆に論理的なことや言語に関わることを考えている時は目が右上を向くことになるのです。
面接中、右上を向いてしまう心理は脳の働きによるものでした。練習に練習を重ねて、まっすぐと面接官の目を見て話せるようになるとよいですね。
そして、「ウソをつく時、ついつい喋り過ぎてしまう」のも就活生のみなさんに気をつけてほしいこと。
これは、心理学的に説明すると……人間、ウソをついている時はそれがバレないように取り繕うもの。ウソにウソを重ねて、話に真実味を持たせようとするようです。というわけで、ウソをつく時に喋り過ぎてしまう人は、面接の時に話を盛ってしまうと、ダラダラと話し過ぎてしまう“悪循環”に陥る可能性があるので注意しましょう。
では、これから就活を進めていくみなさんへ――
今回は、心理テクニックを使って、あなたの魅力を自然に引き出す方法をお教えします。すべての事柄が、すべての人に当てはまるわけではありませんが、参考にしてみてください。
「同じ内容でも、言葉表現によって伝わり方が変わる」ことを、心理学ではフレーミング効果と呼びます。
例えば、手術の成功率を説明される際……
A. この手術は死亡率が10パーセントです
B. この手術は10人中9人が助かっています
あなたならどちらが安心しますか?
また、1ヶ月の携帯電話の料金が……
A.1ヵ月で8000円
B.1日250円
だと、どちらが安く感じますか?
多くの人がどちらも「B」だと感じたことと思います。ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか?
理由は、人は利益(ポジティブ)になるのか、損失(ネガティブ)になるのかの判断をしてから選択を行っているからです。つまり、人は「ネガティブなものは少ししかありません」と説明されるより、「ポジティブなことの方が多いですよ」と説明された方が選択肢として選ばれやすいということ。
面接などで、自己紹介・自己PRをする時にこのフレーミング効果を組み込んでみると、選考に変化があるかもしれません。
「KY(空気が読めない)」という言葉が、今や多くの世代に浸透し、“若者ことば”ではなくなってきました。
心理学の中に「セルフモニタリング」という概念があります。これが低い人は、いわゆる「KY(空気が読めない)」な人ということですが、それはどういうことでしょう。
「セルフモニタリング」とは、社会的な人間関係の中で自分自身を監視し、コントロールしていく能力のこと。
◆セルフモニタリングが高い人……その場(コミュニティ)の中で、自分が置かれた状況をいち早く読み取り、状況に合わせた行動ができる
◆セルフモニタリングが低い人……周囲にあまり関心を持たず、状況を読まずに自分本位な行動をしてしまう
つまり、「セルフモニタリング」が低い人は「KY(空気が読めない)」と認識されてしまうのです。
就活の選考方法の中に“グループディスカッション”というものがあります。
これは、就活生の「協調性」「リーダーシップ」「傾聴力」といった対人能力を見るもの。倫理性や知識といった個人の資質を測る機会でもありますが、企業の多くがこの“グループディスカッション”で、他の人と関わった時にどういう態度であるかを見ています。
今の段階で、「セルフモニタリング」が低いという実感のある人は……
◆人の意見を聞く
◆あまり話をしていない人に発言の機会をさりげなく与える
◆人の意見をあまり否定し過ぎない
以上の点に、普段から気をつけて「セルフモニタリング」を高めておくと安心です。また就活だけに限らず、この論理を理解しておけば、親しい友人のコミュニティや社会に出てからも「KY」な人に認定されずに、良い関係性が築けそうです。スキルとして高めておいて損はないと思います。
人は、初対面の人と会話をする時、同じ趣味や共通点などを見つけると話が弾み好印象を持ちます。「態度の類似性」とは、自分と同じまたは似たような態度を持つ人に好意を感じやすいという理論です。
簡単にいうと、自分に似ている人には好感を持ちやすく、“共感”を生み出すことができるということ。
就活でこの「態度の類似性」を活かすとするならば、OB・OG訪問や面接など、社会人と対面した時に相手と話すスピードを合わせるようにしてみてください。
相手は無意識のうちに心地よさを感じ、あなたに対して好感を持つでしょう。次に、話すスピードを合わすことができたら、論理的に話す人には冷静かつ論理的な話を、感情豊かな人には情熱的に話すと効果的です。声やトーン、話し方を合わせることで、「また次もこの学生に会いたい」と思ってもらえるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。
使えそうなテクニックはありましたか?
最初にも述べたとおり、すべての事柄がすべての人に当てはまるとは限りません。心理テクニックに囚われ過ぎて、本来の自分の良さを出せなければ、まったく意味がないことを心に留めておいてください。
しかし、就活は対「人」で行われるもの。自分の起こした行動によって相手に気持ちよくなってもらえれば、その後の関係性も変わるはず。
そして自分の表現一つであなたの評価が変わるのであれば、良い評価が得られる方が、就活成功に一歩も二歩も近づきます。
今回ご紹介したもの以外にも、人間の心理を上手く捉えれば、選考で有利になることがあるかもしれません。日常生活の中で「これも心理テクニック?」と思うことがあれば、少し調べてみるのも面白いと思います。
心理テクニックは上手に使えば、今後の人生においても役立つもの。
ただし、就活に関しては大前提として、自己分析や企業・業界研究、面接・SPI対策などの事前準備をしっかりしておく! ということを忘れずに、これからの就活戦線を乗り切ってください。
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