最終面接まで進んで内定をもらったら、就活生ならまずは一安心と感じるかもしれません。しかし就活中に「この企業が私にとっての一番」と確信して活動している人は、ほんのわずかでしょう。多くの人はいくつかの企業に迷いつつ、就活を進めるものです。
就活をしていれば、複数企業から内定を獲得するというケースも少なくありません。しかしそうなれば、「どちらに就職するか」を選ぶ時が来ます。いったいどちらの企業が良いのか。その選別はなかなか難しいでしょう。
内定をもらえば、ひとまず区切りとして安堵するのが当然です。しかし2社以上から内定を得た場合、大変なのは内定を得た後のこと。もちろんどちらも思いがあって志望してきたので、「どちらにすれば良いのか分からない」と悩んでしまうこともあるでしょう。
もちろん就活中に、「この会社から内定をもらったら、必ず入社する」とはっきりと決めていた人なら迷うこともありません。しかしそれは希少なケースです。では、なぜ悩んでしまうのか。それは、決断するための「決め手」がないからと言えるのではないでしょうか。
2社以上から内定をもらった場合、まずは各企業について改めて情報収集することが必要です。とことん吟味して考え、比較したうえで就職する1社を決めましょう。
それでは複数社から内定をもらった際、自分の希望に合ったより良い企業を選択する方法をいくつかご紹介しましょう。
<各企業のメリットとデメリットを書き出す>
複数社から内定をもらった場合には、まず各企業へ入社した際のメリットとデメリットを書き出しましょう。どのような企業も完璧ではありません。「どうして採用試験を受けようと思ったのか」などを改めて整理しつつ、各企業に点数をつけていきます。点数として数値化することで、自分が何を大事にしているのかを再認識できるでしょう。すると、冷静に判断できるようになります。
<最も優先したい条件に合っているかを確認>
各企業に点数をつけたら、自分が就職する企業に一番求めている条件を考え、それに合っているかを確認していきます。就活を進める中で、仕事に求めること、あるいは大切にしたいと思えることは変わってくるかもしれません。改めて自分自身に問いましょう。
<内定先企業の先輩社員に話を聞く>
実際に内定先企業で働いている先輩がいれば、話を聞きに行きましょう。企業によっては「もう一度、社員の方に話が聞きたい」といえば、手配してくれる場合もあります。それによって、企業を選ぶに当たって引っかかっていること、あるいは不安なことを解消できるはずです。
<同じような就活状況の友人に相談する>
友人などで同じく複数社から内定を得ている人がいれば、話をしてみるのも良いでしょう。もしかしたら同じように悩んでいるかもしれませんし、すでに結論を出しているかもしれません。同じ状況の人と話せれば、「悩んでいるのは自分だけではない」という安心感にも繋がるはずです。すると、冷静に現状を見つめ直せるようになるでしょう。
新卒で入社できる企業は、人生の中で1社のみ。入社後に悔いの残らないよう、また活躍していけるように、しっかりと就職先を選びましょう。
複数の企業から内定を得た場合、当然ながら内定辞退をしなければなりません。そのため、まずは複数社から内定をもらった就活生が知っておくべき内定辞退の基本について押さえておきましょう。
相手企業は、あなたに働いてもらいたいと思って内定を出してくれています。そんな企業に断りを入れるわけですから、やはりその内定辞退にはマナーを守ることが大切です。「もう会うこともないから」などと、適当な対応だけはしないようにしましょう。マナーを間違えただけでトラブルになる可能性もあります。あるいは社会人になってから、何らかの形でその企業と関わるかもしれません。あくまでマナーを守り、内定辞退を受け入れてもらうことが重要です。そのためには、以下のような点に注意してください。
・できるだけ早く伝える
・電話で伝える
・簡潔に正直に伝える
もっとも重要なのは「できるだけ早くに伝える」ことです。企業側としては、辞退されると他の人へ内定通知を出さなければならなくなります。そのため、早めに連絡するのが基本のマナーです。また、現代は就活に多くの学生がインターネットなどを活用していますが、内定辞退は必ず電話で伝えましょう。メールなどで内定辞退を伝えるのは絶対にいけません。また、伝聞も避け、必ず人事担当者にきちんと伝えるようにします。
場合によっては、引き止められることもあるでしょう。内定には、厳密に就職しなければいけないという拘束力はありませんが、企業に迷惑をかけることも事実です。しっかりと誠意をもって対応しましょう。