就活生はさまざまな不安を抱えているはずです。「内定が獲得できるのだろうか」「どうすれば早く内定をもらえるのだろうか」など、疑問と不安の入り混じる気持ちで就活に臨んでいる人は多いでしょう。
就活は全国各地で一斉に行われています。企業の説明会などでは、あまりにたくさんの就活生に驚くかもしれません。言ってしまえば、そうした就活生は誰もがライバルになります。ではいったい、どれだけの大学生が同時に就活に取り組むことになるのでしょうか。
まずは参考データとして、2015年の採用人数をランキングで確認してみましょう。
1位 イオングループ/2,200人
2位 三菱東京UFJ銀行/1,550人
3位 みずほフィナンシャルグループ/1,365人
4位 大和ハウスグループ /1,266人
5位 ファーストリテイリング/950人
6位 日本生命保険/920人
7位 セブン&アイ・ホールディングス/900人
8位 NTTデータグループ/870人
9位 三菱電機/870人
10位 積水ハウスグループ/849人
11位 大和証券グループ/750人
12位 明治安田生命保険/720人
13位 エイチ・アイ・エス/700人
14位 JTBグループ/690人
15位 東京海上日動火災保険/650人
16位 トヨタ自動車/620人
17位 トランスコスモス/619人
18位 日清医療食品/613人
19位 積水化学グループ/605人
20位 日本IBM/600人
20位 日立製作所/600人
20位 パナソニック/600人
21位 メイテックグルー/575人
22位 ALSOKグループ/570人
22位 野村証券/570人
23位 SMBC日興証券/560人
24位 ツルハグループ/530人
25位 レオパレス21/500人
25位 ノジマグループ/500人
25位 あいおいニッセイ同和損害保険/500人
26位 住友生命保険/485人
27位 東芝/480人
28位 富士フイルムホールディングス/467人
29位 夢真ホールディングス/450人
30位 JFEグループ/445人
31位 スズキ/440人
32位 スギ薬局/435人
33位 三井住友海上火災保険/434人
34位 コスモス薬品/420人
35位 タマホーム/400人
35位 日産自動車/400人
35位 ホンダ/400人
35位 福山通運/400人
35位 ゼンショーグループ/400人
36位 NEC/380人
36位 三井住友信託銀行/380人
37位 大東建託/370人
38位 三菱UFJモルガン・スタンレー証券/360人
39位 ミサワホームグループ/350人
39位 キヤノン/350人
39位 アイングループ/350人
39位 みずほ証券/350人
中には、「こんなに採用するなら大丈夫なのでは」と安心した人がいるかもしれません。特に2015年は消費税アップにより、各企業の採用人数にも影響が出たようです。そのため、業績が振るわなかった企業は、採用人数を減らさざるを得なかったという声も聞かれます。
2015年の大学生・大学院生の大卒求人倍率は1.61倍でした。2014年は1.28倍だったので、大幅に上昇したと言えるでしょう。では、2016年はどうだったのでしょうか。
大学生の民間企業就職希望者数は、2014年と2015年を比較してもほぼ同じです。2014年が42.6万人、2015年が42.3万人でした。学生数はほぼ同じですが、2015年は民間企業の求人数が2014年54.4万人から68.3万人へと増加。前年増減率は+25.6%でした。こうした状況が継続しており、2016年も引き続き「売り手市場」と言われています。2017年もこの傾向が続いていくと予想されるでしょう。
一方で別のデータでは、既に就活生の志望業界が偏っているということがわかっています。就活生の数が見えても、志望業界によっては激しい競争率になっている業界があるということ。そのため、単に売り手市場だから安心とは言えません。それでは、志望業界のトップ5と下位の業界を見てみましょう。
<トップ5>
1.水産・食品:23.4%
2.銀行:21.3%
3.医薬品・医療関連・化粧品:20.6%
4.素材・化学:17.6%
5.マスコミ:17.1%
<下位業界>
16.保険:9.7%
17.ホテル・旅行:9.2%
18.機械・プラントエンジニアリング:8.8%
19.商社(専門):8.7%
20.精密機器・医療用機器:7.8%
もちろん志望者が多くても、どれだけの人数を採用できるかは業界により異なります。そのため、単純に「志望者が多いから採用確度が低い」とは言えません。しかし志望業界に偏りが生じていることは、就活生として知っておいて損はないでしょう。
ここまで、就活へ取り組む学生の人数や、就活生の志望業界などを見てきました。しかし、実際の就活戦線は開けてみなければわかりません。企業の採用については、その年の就活戦線が始まってみなければわからないからです。例えば前年に大量採用していたからといって、同じく今年も採用枠が大きいとは限りません。むしろ業績等により、やむを得ず新卒採用を行わない可能性もあるのです。
しかし全体的に見て、2017年の就活戦線は売り手市場との見方が強くなっています。大きな増加とはいかないものの、新卒採用の人数を増やす方針の企業も少なくありません。どれだけ大勢が同時に就活していても、魅力的な就活生はちゃんと内定を得られるものです。自身の志望業界についてアンテナを張りながら、就活を進めていってください。