「言葉のマナー」学生の時は意識せず間違った使い方をしたとしても、会話の相手が「学生だから」とか「アルバイトだから」と認識しているため問題が起こることはあまりありません。
しかしビジネスでは言葉のマナーが求められます。
日本語には尊敬語と謙譲語があり、状況に合わせて使い分けできなければ、知らず知らずのうちに相手を不快にさせてしまうこともあります。ビジネスでよく使う言葉のなかには馴染みがないものもあるかもしれませんが、これから同じビジネスの土俵に立つ人材の採用をする面接官は言葉遣いにもしっかり目を光らせています。
ではさっそく、基本的な尊敬語と謙譲語を勉強してみましょう。
尊敬語…相手に対して使う表現であり、主語はお客さまや上司など目上の人に対して使う言葉です。
謙譲語…主語が自分の際に使い、自分がへりくだって相手に対して敬意を表す表現になります。
使い慣れない言葉だけに、特におかしな謙譲語を使ってしまう就活生も多くみられます。苦手な人はしっかりと例文を読み、友達を相手にして練習してみるのもいいかもしれません。
以下に代表的な尊敬語と謙譲語を挙げていきます。
【いる】
尊敬語:いらっしゃる、おいでになる
(例)あと10分で部長がいらっしゃる
謙譲語:おる
(例)わたくしは明日も事務所におります
【言う】
尊敬語:おっしゃる
(例)部長がおっしゃった
謙譲語:申し上げる、申す
(例)わたくしは部長に申し上げました
【行く】
尊敬語:いらっしゃる、おいでになる
(例)御社の○○さんがおいでになりました
謙譲語:参る、伺う
(例)わたくしはこれから御社に伺います
【見る】
尊敬語:ご覧になる
(例)○○様はこの絵を大変興味深そうにご覧になっていました
謙譲語:拝見する
(例)御社のホームページを拝見しました
面接の場でせっかく立派な志望動機を語っていても、間違った敬語表現を使っていては台無しになってしまいます。よく使う敬語表現は覚え、日常生活で目上の人と接する際には使うように意識し、敬語の使い方に慣れるようにしてください。
いいですか→よろしいですか
(例)少しお時間を頂戴してよろしいですか
知らない→存じ上げません
(例)残念ながらそのプロジェクトについては存じ上げません
すみません→申し訳ございません
(例)お待たせして申し訳ございません
ちょっと待ってください→少々お待ちください
(例)お客様、少々お待ちくださいませ
誰ですか→どちらさまでしょうか
(例)大変失礼ですが、どちらさまでしょうか
わかりました→承知しました、かしこまりました
(例)かしこまりました。必ずそのようにいたします。
※「了解しました」は目上の人には使いませんので注意しましょう
相手企業のことを、面接の場などで話すときには「御社(おんしゃ)」、履歴書などの書面では「貴社(きしゃ)」といいます。
これは就活ではもちろん、社会人になっても必ず使う言葉のひとつなので、この機会に覚えてしまいましょう。他にも銀行に対しては「御行(おんこう)・貴行(きこう)」、病院に対しては「御院(おんいん)・貴院(きいん)」などの使い分けがありますのでこちらも覚えておくとよいでしょう。
尊敬語と謙譲語というのは意外と難しいもので、特に緊張しているとおかしな言葉遣いになってしまうこともあります。普段から正しい表現を心掛けて身につけるということが大切になってくるので、今から少しずつ取り組んでいきましょう!