TOEIC、TOEFL、英検……。英語力をはかる検定試験にはさまざまなものがあります。
しかし「就活に有利な資格は?」という視点で考えた時、もっとも評価の高い資格はどれになるのでしょうか。
せっかく対策をするなら効率的にしたいですよね。そこで、3種類の特徴について基本的な概要を紹介します。
TOEICとは、「英語によるコミュニケーション能力」を評価するテストです。
英検1級2級……のように級ごとの合格に挑むのではなく、Listening・Reading・Speaking・Writingそれぞれの力を総合的に評価し、10点~990点までのスコアで評価されるという特徴があります。
TOEICを運営しているのは(財)国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)という団体です。IIBCの資料「上場企業における英語活用実態調査 2013年」には以下の記述がみられます。
「7割の企業が採用時にTOEICスコアを参考にしている」
「新入社員に期待するTOEICスコアは平均550点」
こうしてみると、TOEICスコアは単に英語力をはかる検定試験というより、「社会人としての基本スキル・教養」としての側面も強くなっているようです。
TOEFLは「英語環境下の大学・大学院などの高等教育機関における英語コミュニケーション能力を測るテスト」と定義されています。
つまり英語を母国語としない学生が英語圏の大学などに留学した際、英語による授業やコミュニケーションに問題なくついて行けるどうかを確かめるための検定です。
高度な授業について行くための英語力を養うのですから、かなり難しい語彙も勉強しなくてはなりません。
テストの性格が違うので、一概にTOEICとどちらのレベルが上だとはいえませんが、就活の場においてはTOEICほどメジャーな尺度としては普及していないようです。
英検は正式名称を「実用英語技能検定」といい、1963年4月の開設以来50年もの歴史を持つ検定試験です。
年間受験者数は230万人にのぼり、日本の英語力検定ではもっとも受験者数が多いものといえるでしょう。
翻訳や通訳を目指す、など英語を使用してバリバリ働きたいというような人であれば取り組み甲斐のある資格といえるでしょう。
しかし、英検1級となると修得のためにかなりの勉強期間が必要であり、また2次試験まで突破しなくてはならず、それなりにハードルが高くなっています。
TOEIC、TOEFL、英検についての概略を紹介してきました。それぞれに「英語力」というものを異なる観点から見ているため一概に比較はできません。
ですが「限られた就活期間に自分の英語力を伸ばし、目に見える形で効果を出したい」ということであれば、年間10回のテストが行われ、その都度自分のスコアを確認できるTOEICが一番「短期間で目に見える効果を出しやすい」といえるのではないでしょうか。
複数回受験して受験に慣れて気持ちの面で余裕を持ち、対策をとることで点数も伸ばすことが可能です。
ただし、本当に生きた英語力を必要とする外資系企業などでは、入社試験の際に英語による面接が行われるのが一般的です。
生きた英会話力は、ここで紹介した英語関係の資格の点数とはまた別物だということは念頭に入れておく必要があります。