“実はひと月の残業が○○時間にのぼっていたことが明らかになった”など、厳しい残業の「実態」が、しばしばマスコミに取り上げられます。総合職で就職する限り、残業がまったくないとは思わなくても、その程度問題は気になるところ。
でも、面接で「残業はありますか?」と聞いて実態がわかるわけでもないし、どうやったら入社前にその企業のリアルな残業事情を知ることができるのでしょうか? そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者100名に、残業の「実態」を少しでも知るためには、どういう方法が考えられるのかを聞いてみました。
もっとも多かったのは、「実際にそこで働いている人に、直接聞く」というもの。できればなるべくサークルの先輩など、気心知れていたほうがホンネを話す可能性は高いでしょう。
・OB・OG訪問で実際の現場の話を聞くしかない(女性/その他/41歳)
・インターンシップを通じて、職員から本音を聞き出す(男性/研究・開発/44歳)
・学校の先輩を、人事部を通さずに見つける(男性/総務・人事・事務/46歳)
・担当以外の社員に質問する(男性/総務・人事・事務/45歳)
・面接担当以外の一般社員との会話の機会を作る(男性/営業・販売/43歳)
ネットで検索する、というのも多く寄せられた方法でした。ただ、「企業は、表向きの情報は良いことしか言いません。口コミ掲示板ですら操作する、悪質な企業もあります」(女性/デザイン関係/36歳)という声も。
残業問題にかぎらず、就活にまつわる判断は、ネット上の情報だけを鵜呑みにせず、あくまでも自分の力で知り得た情報を元にすることが大切です。
・ネット掲示板やSNSへの書き込みも参考にする(男性/営業・販売/42歳)
・ネットでチェックする(女性/その他/41歳)
また、実際の訪問やネットで調べるというのほか、自分で調べられることや質問のテクニックとしては、以下のような方法が寄せられました。
夜、会社の前に行ってみて、煌々と明かりがついていれば、残業をしているのはほぼ間違いありませんね。でも、そもそもマスコミや交代制の職場、病院など、夜働かざるを得ない職場もあります。
夜に電気がついていたら、即「ブラック企業」と判断してしまうのではなく、そもそもその企業がどういった職種で、どういった働き方をするものなのかを知っておくことも重要です。
・通用口を見る(男性/金融関係/47歳)
・夜、企業の前に行きどれくらいの部屋の電気がついているかみる(女性/その他/40歳)
・夜に会社に電話を掛けてみる(女性/総務・人事・事務/32歳)
メールや電話のレスポンスで、残業をしているのかどうかが分析できるのでは、という意見もありました。
・メールのレスポンススピードや、訪問した際に担当者がすぐ出てくるかどうか。これが遅い人は常に業務に追われており、残業も多い(男性/営業・販売/32歳)
・不意の電話での対応でわかることもある。なかなか担当者が出なかったり、たらい回しにされたり、折り返しがなかなかないなど。正当な方法ではないのだろうけど(女性/その他/48歳)
直球で「残業はありますか?」などと聞くのではなく、平均的な退社時刻や、休みの日の過ごし方、有給休暇の取得率を聞いてみることで、仕事量とその負荷を推し量ることができるという質問テクニックも。
・退社時間を調査(男性/営業・販売/47歳)
・ノー残業デーがあるか、聞いてみる(女性/その他/42歳)
・会社によって状況は異なるので一概には言えない。面接なので社員に終業後の過ごし方などを尋ねてみるのも一つの手では(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
・趣味の時間を調べる(男性/その他/48歳)
・有休の取得率(男性/会社経営・役員/46歳)
ある採用担当者(男性/コンピュータ関連技術職/33歳)は、「今はどの企業も残業に対してシビアなので、“早く帰りなさい”というところが多くなっています」としたうえで、
「ただ、ベンチャー企業などではそうもいかないかもしれませんね。会社の社員数、平均年齢、3年以内の離職率などを見ても残業の多さは推測できるでしょう。若手が多く、人数の少ない職場は個人業務も多く、どうしても残業も多くなりがちだと思います。自分がそれでもその仕事がやりたいかどうかで、“イヤな残業”か“やりがいのある残業”なのか、捉え方も変わるものです」
と話してくれました。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年8月16日~2017年8月23日
対象:企業の採用担当者 計100名