企業の採用募集では、たいていの場合、総合職か一般職かに分けられています。そして今、基本的に転勤のない一般職が再注目されているのだそう。これまでは総合職でバリバリやりたいというような人たちばかりだったような大学からも、一般職を志望する人が増えてきているともいいます。
就活生にとっては総合職を志望するのと一般職を志望するのとでは大きな違いがありますが、では、採用担当者にとって、“この学生は総合職向きだな”“一般職向きだな”というものはあるのでしょうか?
そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者100名に対し、一般職の人を採用する面接の際、“総合職の人よりも意識してみるポイント”を聞いてみました。
※ここでは「一般職・事務職」=「一般事務など、総合職・営業職をサポートする業務につく人」とします。
まず多くあがったのは、真面目さ、誠実さ、そして我慢強さというものでした。作業の正確さを求められる事務処理では、真面目さ、丁寧さ、そして飽きっぽくないことも重要なポイントです。
・慎重な性格(女性/その他/36歳)
・真面目さ(男性/その他/40歳)
・我慢強さ(男性/金融関係/47歳)
・性格がキッチリしているか。多少内向的でも、地道に継続的な作業に取り組む忍耐力があるかどうか(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
・誠実さ(男性/営業・販売/36歳)
・忠実に命令を実行できるか(男性/会社経営・役員/46歳)
続いて気配り。お客様対応のときなど、細やかな気配りができるかどうかも大切です。
・細かい所に気を配れるか(男性/営業・販売/42歳)
・気が利きそうかどうか(女性/総務・人事・事務/32歳)
・気配りができるかどうか見たい。その為に、グループ討議の内容を重視する(男性/研究・開発/35歳)
・サポート力にたけているかどうかみる(女性/その他/41歳)
サポート役の一般職ですが、意外とコミュニケーション能力をみる、という声も散見されました。初めて会う人を社内に案内したり、営業の代わりとして何か伝達事項を聞いたりするときなど、一般職の対応こそがその企業のイメージになることも少なくありません。
・コミュニケーションが取れる人かどうか(男性/公務員/48歳)
・会話力とコミュニケーション能力(男性/総務・人事・事務/45歳)
・まともに会話ができるかを重視します。能力や学歴は問いません(男性/その他/42歳)
社内での協調性も重視。外にあまり出ない職種で、社内での協調性が図れないと、働いているほうも厳しいですよね。「明るく社交的な感じでないと人間関係等でいろいろと大変な目にあうと思う」(男性/その他/52歳)という声も。
・協調性があるかどうかを見極めるようにします(男性/営業・販売/41歳)
・協調性が大事。後のスキルは教えればできる(男性/総務・人事・事務/45歳)
・組織への適応性、協調性があるかどうかをより重視してみる(男性/その他/46歳)
・人と調和を取れるようなタイプかどうか(男性/営業・販売/32歳)
・前面に出過ぎない人格(男性/営業・販売/48歳)
・スタンドプレーをしなさそうな人(男性/総務・人事・事務/42歳)
長続きしそうかどうかも見られています。ある採用担当者いわく、「一般職への応募では、総合職ほどその企業の業務内容などに熱い意欲を持っていない人も来るため」なのだそう。
・長続きするか(男性/会社経営・役員/36歳)
・3年以内で離職する人が多いため、長くて5年続けられるかポイントでみる(女性/その他/42歳)
そして、実はもっとも多かったのは話し方、身だしなみ、礼儀作法などといった“社会常識”。ただしこれらは、
「適切な言葉を選んで話ができるか。言っていいことと、ダメな事の区別が付くか。他人に失礼になる態度・対応をしないか」(女性/その他/48歳)
「電話対応なども行う為、油断した時に言葉の端々に出るつなぎの言葉などをチェックする。“え~”“多分”などを多用しないか、失礼に聞こえるイントネーションを使っていないか、など。仕事は教えれば覚えるが、言葉遣いなど、長年培ってきたものに関しては直すのが難しい為、同じ条件であれば、正しい言葉遣いができる方を採用する」(男性/コンピュータ関連技術職/33歳)
という声にあるように、学生時代に何をやったか、志望動機は何か、といった個別具体的な内容よりも、佇まいや話し方など、内容よりもその所作が細かくチェックされているようです。椅子に座ったときの足や手の置き方、礼の仕方……。一般職を目指す人は、こういったことにも是非気を配ってくださいね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年8月16日~2017年8月23日
対象:企業の採用担当者 計100名